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- インド生リポ ●エローラ&アジャンタ編#1 14年ぶりのムンバイ
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エリア:
- アジア>インド>ムンバイ
- テーマ:街中・建物・景色 鉄道・乗り物
- 投稿日:2012/01/20 15:55
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2011/10/12
コヴァラムからエローラ&アジャンタ5日間のウィークデートリップを決めた私たち。
重いスーツケースは常宿のSEA VIEW PALACEに預けていく。また戻ってくるから、部屋とっといてね。そうお願いするとマネージャーのジーバンは快くOKしてくれた。常連だと、こういうときに強い。
持っていくのはサブバッグとして使っている中サイズのバックパック。そこに4泊分の荷物を詰める。
……もうはちきれんばかり。ラップトップは置いていく。しかし、ぶ厚い「歩き方」は持っていかないわけにはいかない。それでもなんとか収まった。けっこうパッキングが上達したのかも。
出発の日。
まずは午前8時発のTRV(トリヴァンドラム)発のインディアン・エクスプレスでムンバイへ。
インディアン・エクスプレスはインドのナショナルフラッグであるエア・インディアに属するエアラインであるようだ。他の国内航空会社よりもかなり安く、しかも早く、おあつらえ向きだった。ちなみにムンバイまで4000ルピーほど。
コヴァラムでは毎朝だらだら9時だの10時だのに起きていたので、この日の早起きは辛かった。出るのが若干遅れ、しかもてっきりドメスティックだと思い、TRVの国内線空港へ行ってみると、インディアン・エクスプレスは国際線空港から飛ぶという事実を知り、がーーーん! 慌てて国際線空港へ向かうハメに。
考えてみればTRVの国際線空港へそれまで行ったことがなかった。
焦って拾ったリキシャのドライバーは、ここからだと20分くらいかかり、料金は200ルピーだと言う。
200ルピー???
べらぼうに高い。
コヴァラムから国内線空港までは20〜30分で100ルピーかからなかった。
こいつ、足元見やがって。
けれどもう時間がなかった。しかたない。
ところがリキシャに乗ってから、空港まで見送ってくれるというインド人の友人がドライバーに食ってかかり始めた。
「おい、200ルピーはどう考えても高すぎるだろ。ちゃんとした値段にしろよ。……ガソリンが高くなったから、だって? そんなこたぁオレだって知ってるよ。それにしたって高すぎる。あんたさぁ、彼女たちがツーリストだからってふっかけようとしてんだろ? ふざけんなよ。……空港から戻ってこなくちゃならないから? 何ゆってんだよ、それがあんたの仕事だろうが。そんなことゆうなら、リキシャの運転手なんてやめろよ。
じゃあ180ルピーにするって? バカじゃねーの、オレは知ってるの、政府が決めた料金っていうのを。1km=10ルピーなんだよ。あそこからインターナショナルまで10kmもねーんだよ。めちゃくちゃボッてるじゃねーか。
あのなぁ、あんたみたいなヤツがいるから、いつまでたってもインドは先進国になれねぇんだよ、わかるか、この」
……的な内容の会話を彼とドライバーは英語とマラヤラム語のちゃんぽんで怒鳴りあっていた。
結局、彼の剣幕に押され、ドライバーは200ルピーを撤回した。
彼は私に、「70ルピー以上払う必要ないから」
ドライバーは哀れな表情で恨めしそうに私たちを見ていた……。
こんな珍事があったが、私たちは無事にインディアン・エクスプレスに乗ることができた。
が、インドの国内線でのセキュリティチェックはとても厳しい。
最近、あちこちでテロが起きているせいで過敏になっているのだ。
ゲートで、もうあと出発まで15分もないというのに、友人はせっかく詰めたバックパックからほとんど全てを引っ張り出されてしまった。セキュリティのインド人男たちは彼女のポーチまでひとつひとつ開けていった。
けど、彼らは楽しそうで、どうも半分は興味本位で開けているようだ。
その証拠に相棒の荷物チェックに時間をかけすぎたせいで、私のバックパックを見る時間がなくなってしまい、私の荷物チェックはおざなりだったのだ。それでもうっかり入れてきてしまった眉毛カット用の小さなハサミを取り上げられてしまった。あぁ迂闊。
インディアン・エクスプレスの飛行機は、エア・インディアそのものだった。
機内に入ってみると、シートの色やシートカバー、全体的な雰囲気がなぜか懐かしい。席に座り、リクライニングを操作しようとしたがバカになっていて動かない。
そのとき記憶がよみがえった。
これはかつてのエア・インディアの航空機だ。
私が初めてエア・インディアに乗った頃のあの飛行機。まだムンバイがボンベイと呼ばれていた頃の。
リクライニングや肘掛けの部分がよく壊れていたっけ。
それはトイレに入ったときに確信に変わった。狭く古くさいトイレ……。
まちがいない、インディアン・エクスプレスの航空機はエア・インディアの払い下げなのだ。……ちゃんと飛んでくれればいいが。
2時間後、機は無事にムンバイの空港に着陸した。
機内の冷房のあまりの強さに相棒は鼻をぐずぐずさせている。空港内もピーンと冷房が効き、ストールを手離せない。
が、ムンバイの空港には目を見張った。
私がかつて訪れたときの空港とは、まるで変わっていたのだ。
昼間でも薄暗い、灰色のコンクリートの壁に囲まれたあの空港とは。そもそもにおいが違う。あの強烈な脱臭剤のにおいはどこにもない。明るく広々としたロビー、そして玄関を出てまた驚いた。
かつては玄関前にリキシャが列をなし、客引きであふれていた。が、今はロータリーがきちんと整備され、花壇やコジャレたカフェスタンドもある。みすぼらしい格好をした客引きの姿もリキシャもどこにもなく、わかりやすい場所にプリペイドタクシーのカウンターがあるだけだった。
そしてにおい。
かつての空港を取り巻いていた排泄物のにおいも全くない。
ムンバイ チャオラパティ・シヴァージー国際空港玄関前
カフェスタンドもあり
ムンバイからアウランガーバードへはシャタブディ・エクスプレスという急行列車で行く。ムンバイにはいくつか主要駅があるが、私たちはそのなかのダダールという駅からのチケットを予約していた。
ダダールはムンバイの中心地から北寄りにある。なので今回は以前訪れたインド門やマリーンドライブにはお目にかかれない。
プリペイドタクシーのカウンターでダダールまでのタクシーを頼む。エアコン付きかナシかを訊かれ、エアコンなしを選択。所要40分で150ルピー。それほど高くない。
時刻は11時近い。列車はダダール発14時。まず問題はないだろう。
小型のタクシーに乗り、空港を出た。
空港周辺はどこも工事中だった。だだっ広い土地に大きなクレーン車やトラックが砂塵を巻き上げている。さしずめ大規模開発中というところか。
ああ、ここら辺一帯にはかつて巨大なスラムがあった。
汚れたテントが隙間なく並び、下半身まるだしの小さな子供が走りまわり、大人が側溝に小便をしていた。すぐに物乞いがバスを取り囲むので、ドライバーはわざとスピードを上げて、スラムを突っ切るように走った。
そんな風景は今ではどこにも見当たらない。
あと数年もすればこの一帯はデリーのようにエアポートエクスプレスが走り、ホテルが立ち並ぶようになるのだろう。
ムンバイは確実に変化しているのだ。
スラムなどない方がいいし、スラムなど必要ないくらい人々の生活が豊かになった方がもちろんいい。が、あのとき私が受けた衝撃を、これから初めてムンバイを訪れる人たちに与えられないのは、少しだけ残念な気がする……。相当勝手な言い草だが。
空港周辺は全工事中
10年前はここら一帯はスラムだった。
市内に出ると道路が混んできた。
クルマが止まってしまうと、開けた窓からどっと埃が入ってくる。窓を閉める。途端に社内の温度は急上昇。また窓を開ける。埃。マスクをつける。よかった、マスクをバックパックに入れておいて。だが、暑い。蒸し暑い。さすがムンバイ。
「エアコン付きにすりゃよかったね」相棒が言う。確かに。
ほんの数十ルピーをケチッただけで不快な思いをする……インドとはそういうところなのだ。
定期的に現れるマクドナルドの看板。オレオの入ったマックフルーリーの写真がでかでかと載っている。
以前はバンガロールにしかなかったマックも今では大都市にフツーにあるのだ。デリーの空港にもムンバイの空港にもあった。先進国のファストフードの味が懐かしく、ベジタリアンだというのにダブルチーズバーガーとフライドポテトが無性に食べたくなった。
インドのレストランにはバーガーもフライドポテトはあるのだが、マックのように細く絶妙な塩味は、ない。
インドの変化の象徴であるマックの看板の向こうに、今にも崩れ落ちそうな汚れたマンションが折り重なるように建ち、赤や青のサリ-がひらひらとベランダに干されてあった。
タクシーは繁華街に入っていく。
小さな店が増えるにつれ、道行く人々も増えていく。路上では野菜が売られ、所々にはチャイ屋も見える。
いくら都市開発が進んでも、庶民の生活はやはり庶民の生活だ。こんな風景を見るとホッとする。もう駅が近いのだろう。人もクルマもリキシャもぎゅうぎゅうになってきた。
ダダール駅の前でタクシーを降りる。結局空港からここまで1時間以上かかってしまった。時間に余裕があってよかった。
しかし、降り立った瞬間、人込みと熱気と騒音に圧倒された。
さすがインド第二の商業都市ムンバイだ。TRVの喧騒などかわいいものだ。タクシーの客引きの声、クルマのクラクション、めまいを起こしそうなほどの人、人、人の数。ただでさえ暑いのに、それらがいっそう不快指数を上昇させた。
1秒もじっとしていられない。
私たちは自分たちの列車番線を確認するとすぐに駅前の高級そうなレストランに逃げ込んだ。
ドアマンがドアを開けてくれるようなレストランだった。
中に入った途端、気持ちのいい冷房に生き返る。白い清潔なテーブルクロスと静かな音楽、落ち着いた照明。私はおなかが減り、ノドが渇いていたことに急に気が付いた。
出発の14時まではまだ2時間ほどある。
私たちはここでゆっくりごはんを食べ、リラックスすることに決めた。
ダダール駅前には高僧ビルが
。
駅前にある高級レストラン。上階はホテル。
隣には庶民はベジレストランがあった。
※詳細情報
チャオラパティ・シヴァージー国際空港〜ダダール駅
プリペイドタクシー ACナシ 200rs
AC付き 250rs
所要40分〜1時間
駅前レストラン…ロータリ-を挟んだ向かい側
カレー90rs〜 少々高いが量はがっつり
冷房の効き目は上々
名前は忘れてしまいました。
コヴァラムからエローラ&アジャンタ5日間のウィークデートリップを決めた私たち。
重いスーツケースは常宿のSEA VIEW PALACEに預けていく。また戻ってくるから、部屋とっといてね。そうお願いするとマネージャーのジーバンは快くOKしてくれた。常連だと、こういうときに強い。
持っていくのはサブバッグとして使っている中サイズのバックパック。そこに4泊分の荷物を詰める。
……もうはちきれんばかり。ラップトップは置いていく。しかし、ぶ厚い「歩き方」は持っていかないわけにはいかない。それでもなんとか収まった。けっこうパッキングが上達したのかも。
出発の日。
まずは午前8時発のTRV(トリヴァンドラム)発のインディアン・エクスプレスでムンバイへ。
インディアン・エクスプレスはインドのナショナルフラッグであるエア・インディアに属するエアラインであるようだ。他の国内航空会社よりもかなり安く、しかも早く、おあつらえ向きだった。ちなみにムンバイまで4000ルピーほど。
コヴァラムでは毎朝だらだら9時だの10時だのに起きていたので、この日の早起きは辛かった。出るのが若干遅れ、しかもてっきりドメスティックだと思い、TRVの国内線空港へ行ってみると、インディアン・エクスプレスは国際線空港から飛ぶという事実を知り、がーーーん! 慌てて国際線空港へ向かうハメに。
考えてみればTRVの国際線空港へそれまで行ったことがなかった。
焦って拾ったリキシャのドライバーは、ここからだと20分くらいかかり、料金は200ルピーだと言う。
200ルピー???
べらぼうに高い。
コヴァラムから国内線空港までは20〜30分で100ルピーかからなかった。
こいつ、足元見やがって。
けれどもう時間がなかった。しかたない。
ところがリキシャに乗ってから、空港まで見送ってくれるというインド人の友人がドライバーに食ってかかり始めた。
「おい、200ルピーはどう考えても高すぎるだろ。ちゃんとした値段にしろよ。……ガソリンが高くなったから、だって? そんなこたぁオレだって知ってるよ。それにしたって高すぎる。あんたさぁ、彼女たちがツーリストだからってふっかけようとしてんだろ? ふざけんなよ。……空港から戻ってこなくちゃならないから? 何ゆってんだよ、それがあんたの仕事だろうが。そんなことゆうなら、リキシャの運転手なんてやめろよ。
じゃあ180ルピーにするって? バカじゃねーの、オレは知ってるの、政府が決めた料金っていうのを。1km=10ルピーなんだよ。あそこからインターナショナルまで10kmもねーんだよ。めちゃくちゃボッてるじゃねーか。
あのなぁ、あんたみたいなヤツがいるから、いつまでたってもインドは先進国になれねぇんだよ、わかるか、この」
……的な内容の会話を彼とドライバーは英語とマラヤラム語のちゃんぽんで怒鳴りあっていた。
結局、彼の剣幕に押され、ドライバーは200ルピーを撤回した。
彼は私に、「70ルピー以上払う必要ないから」
ドライバーは哀れな表情で恨めしそうに私たちを見ていた……。
こんな珍事があったが、私たちは無事にインディアン・エクスプレスに乗ることができた。
が、インドの国内線でのセキュリティチェックはとても厳しい。
最近、あちこちでテロが起きているせいで過敏になっているのだ。
ゲートで、もうあと出発まで15分もないというのに、友人はせっかく詰めたバックパックからほとんど全てを引っ張り出されてしまった。セキュリティのインド人男たちは彼女のポーチまでひとつひとつ開けていった。
けど、彼らは楽しそうで、どうも半分は興味本位で開けているようだ。
その証拠に相棒の荷物チェックに時間をかけすぎたせいで、私のバックパックを見る時間がなくなってしまい、私の荷物チェックはおざなりだったのだ。それでもうっかり入れてきてしまった眉毛カット用の小さなハサミを取り上げられてしまった。あぁ迂闊。
インディアン・エクスプレスの飛行機は、エア・インディアそのものだった。
機内に入ってみると、シートの色やシートカバー、全体的な雰囲気がなぜか懐かしい。席に座り、リクライニングを操作しようとしたがバカになっていて動かない。
そのとき記憶がよみがえった。
これはかつてのエア・インディアの航空機だ。
私が初めてエア・インディアに乗った頃のあの飛行機。まだムンバイがボンベイと呼ばれていた頃の。
リクライニングや肘掛けの部分がよく壊れていたっけ。
それはトイレに入ったときに確信に変わった。狭く古くさいトイレ……。
まちがいない、インディアン・エクスプレスの航空機はエア・インディアの払い下げなのだ。……ちゃんと飛んでくれればいいが。
2時間後、機は無事にムンバイの空港に着陸した。
機内の冷房のあまりの強さに相棒は鼻をぐずぐずさせている。空港内もピーンと冷房が効き、ストールを手離せない。
が、ムンバイの空港には目を見張った。
私がかつて訪れたときの空港とは、まるで変わっていたのだ。
昼間でも薄暗い、灰色のコンクリートの壁に囲まれたあの空港とは。そもそもにおいが違う。あの強烈な脱臭剤のにおいはどこにもない。明るく広々としたロビー、そして玄関を出てまた驚いた。
かつては玄関前にリキシャが列をなし、客引きであふれていた。が、今はロータリーがきちんと整備され、花壇やコジャレたカフェスタンドもある。みすぼらしい格好をした客引きの姿もリキシャもどこにもなく、わかりやすい場所にプリペイドタクシーのカウンターがあるだけだった。
そしてにおい。
かつての空港を取り巻いていた排泄物のにおいも全くない。
ムンバイ チャオラパティ・シヴァージー国際空港玄関前
カフェスタンドもあり
ムンバイからアウランガーバードへはシャタブディ・エクスプレスという急行列車で行く。ムンバイにはいくつか主要駅があるが、私たちはそのなかのダダールという駅からのチケットを予約していた。
ダダールはムンバイの中心地から北寄りにある。なので今回は以前訪れたインド門やマリーンドライブにはお目にかかれない。
プリペイドタクシーのカウンターでダダールまでのタクシーを頼む。エアコン付きかナシかを訊かれ、エアコンなしを選択。所要40分で150ルピー。それほど高くない。
時刻は11時近い。列車はダダール発14時。まず問題はないだろう。
小型のタクシーに乗り、空港を出た。
空港周辺はどこも工事中だった。だだっ広い土地に大きなクレーン車やトラックが砂塵を巻き上げている。さしずめ大規模開発中というところか。
ああ、ここら辺一帯にはかつて巨大なスラムがあった。
汚れたテントが隙間なく並び、下半身まるだしの小さな子供が走りまわり、大人が側溝に小便をしていた。すぐに物乞いがバスを取り囲むので、ドライバーはわざとスピードを上げて、スラムを突っ切るように走った。
そんな風景は今ではどこにも見当たらない。
あと数年もすればこの一帯はデリーのようにエアポートエクスプレスが走り、ホテルが立ち並ぶようになるのだろう。
ムンバイは確実に変化しているのだ。
スラムなどない方がいいし、スラムなど必要ないくらい人々の生活が豊かになった方がもちろんいい。が、あのとき私が受けた衝撃を、これから初めてムンバイを訪れる人たちに与えられないのは、少しだけ残念な気がする……。相当勝手な言い草だが。
空港周辺は全工事中
10年前はここら一帯はスラムだった。
市内に出ると道路が混んできた。
クルマが止まってしまうと、開けた窓からどっと埃が入ってくる。窓を閉める。途端に社内の温度は急上昇。また窓を開ける。埃。マスクをつける。よかった、マスクをバックパックに入れておいて。だが、暑い。蒸し暑い。さすがムンバイ。
「エアコン付きにすりゃよかったね」相棒が言う。確かに。
ほんの数十ルピーをケチッただけで不快な思いをする……インドとはそういうところなのだ。
定期的に現れるマクドナルドの看板。オレオの入ったマックフルーリーの写真がでかでかと載っている。
以前はバンガロールにしかなかったマックも今では大都市にフツーにあるのだ。デリーの空港にもムンバイの空港にもあった。先進国のファストフードの味が懐かしく、ベジタリアンだというのにダブルチーズバーガーとフライドポテトが無性に食べたくなった。
インドのレストランにはバーガーもフライドポテトはあるのだが、マックのように細く絶妙な塩味は、ない。
インドの変化の象徴であるマックの看板の向こうに、今にも崩れ落ちそうな汚れたマンションが折り重なるように建ち、赤や青のサリ-がひらひらとベランダに干されてあった。
タクシーは繁華街に入っていく。
小さな店が増えるにつれ、道行く人々も増えていく。路上では野菜が売られ、所々にはチャイ屋も見える。
いくら都市開発が進んでも、庶民の生活はやはり庶民の生活だ。こんな風景を見るとホッとする。もう駅が近いのだろう。人もクルマもリキシャもぎゅうぎゅうになってきた。
ダダール駅の前でタクシーを降りる。結局空港からここまで1時間以上かかってしまった。時間に余裕があってよかった。
しかし、降り立った瞬間、人込みと熱気と騒音に圧倒された。
さすがインド第二の商業都市ムンバイだ。TRVの喧騒などかわいいものだ。タクシーの客引きの声、クルマのクラクション、めまいを起こしそうなほどの人、人、人の数。ただでさえ暑いのに、それらがいっそう不快指数を上昇させた。
1秒もじっとしていられない。
私たちは自分たちの列車番線を確認するとすぐに駅前の高級そうなレストランに逃げ込んだ。
ドアマンがドアを開けてくれるようなレストランだった。
中に入った途端、気持ちのいい冷房に生き返る。白い清潔なテーブルクロスと静かな音楽、落ち着いた照明。私はおなかが減り、ノドが渇いていたことに急に気が付いた。
出発の14時まではまだ2時間ほどある。
私たちはここでゆっくりごはんを食べ、リラックスすることに決めた。
ダダール駅前には高僧ビルが
。
駅前にある高級レストラン。上階はホテル。
隣には庶民はベジレストランがあった。
※詳細情報
チャオラパティ・シヴァージー国際空港〜ダダール駅
プリペイドタクシー ACナシ 200rs
AC付き 250rs
所要40分〜1時間
駅前レストラン…ロータリ-を挟んだ向かい側
カレー90rs〜 少々高いが量はがっつり
冷房の効き目は上々
名前は忘れてしまいました。
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