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- 南太平洋にひっそりと浮かぶ島国クック諸島&ゴーギャンの愛したタヒチ 〜これが絶景エメラルドグリーンの海〜
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エリア:
- 南太平洋>タヒチ>ボラボラ島
- 南太平洋>クック諸島>ラロトンガ
- 南太平洋>クック諸島>クック諸島その他の都市
- テーマ:観光地 ビーチ・島 マリンスポーツ
- 投稿日:2017/01/13 10:20
どこまでも続くアイツタキのラグーン
さて。実は南太平洋の国々については、どの辺にどの国があるのかさえも定かではなかった私。実に意識の低いエリアの一つであった「南太平洋」。
強いて言えば、カップルやハネムーナーが行く国だよね、と思っていたかも。
そんな南太平洋知識レベルの低い私を変えるべく訪ねる事になりました。
ボラボラのラグーン
今回の目的地はクック諸島とタヒチ。日本からのフライトはニュージーランド航空利用となります。この時期のオークランドでの乗り継ぎは曜日によって約10時間空くので、ついでにオークランド見学も可能です。
オークランド空港と市内を結ぶ「SKY BUS」は約10〜15分間隔で出ており、市内まで約40〜50分往復32ドルで結びます。
10時間空くフライトをご利用の場合は市内まで出るのをオススメしますが、くれぐれもラロトンガ行きの飛行機に乗り遅れないようにご注意下さい。
SKY BUS
クイーンズ・ワーフ(オークランド)
さて、オークランドでの滞在10時間後、いよいよラロトンガへ、約3時間半のフライトです。このフライト、何とほぼ満席!オージー(オーストラリア人)やキウイ(ニュージーランド人)でいっぱい。そうです、彼らにとってクック諸島は、日本人にとっての沖縄やグアムみたいな場所なのです。
オークランドは時差が4時間プラス、ラロトンガは着いたら23時間マイナスの時差。もはや何が何がだか…。
ラロトンガ到着は深夜0時半。真っ暗の中、空港から5分と近い「ウェッジウォーターリゾート」で即寝。
【ラロトンガ】
熟睡後目覚めた朝、部屋のカーテンを開けると目の前には海!ブルーが綺麗過ぎる!クック諸島に来た!と一人で感動。もちろん海は凄く綺麗だと聞いていましたが、やはり目の前にすると感動するものです。
ホテルバルコニーからの眺め
今日午前中はラロトンガのホテルインスペクションがたっぷり入っていたので、ここでリゾートを紹介します。
●ウェッジウォーターリゾートedgewater resort & Spa
空港から5分のカジュアルリゾート。目の前が海。ファミリー利用も多くアットホームな雰囲気です。
ビーチにはお子様の姿も
●ノーチラス・リゾート&レストランNautilus Resort & restaurant
落ち着いて洗礼された雰囲気のリゾート。大人っぽいリゾートながら、子供も宿泊可能です。
インテリアも上品
●ムリビーチ・リゾートMuri Beach resort
ノーチラスの隣にある、同系列の少しカジュアルなリゾートです。温かみのあるインテリアでカップルでも、家族とでもゆっくり過ごせます。
居心地のよいリビング
●テ・マナヴァTe Manava
5つ星の全てビラタイプ。部屋は13室のみです。部屋は様々なタイプがあるので、それぞれのシーンに合わせて選ぶのもオススメです。
開放的なベッドルーム
●テ・ヴァカロア・ビラズTe Vakaroa Villas
たった6室しかない、長めの滞在にオススメのホテルです。12歳以外はステイ出来ませんので、夫婦やカップルでゆったり過ごしたい方に。
●パシフィック・リゾートPacific Resort
4星の広い敷地を持つ大型リゾート。キッチンとリビングがついたゆとりのお部屋です。2ベッドルームもあるのでファミリーにも人気です。
ポリネシアンらしいインテリア
●ムリビーチ・クラブMuri beach club
こちらは16歳以下のステイは不可となっています。パーティなどが出来るスペースがあり、大人を中心としたグループにオススメです。
たっぷりホテルを見た後、ムリビーチにあるカジュアルレストラン「モーニング・カフェ」でランチです。
ムリビーチに宿泊の場合はホテルの食事だけではなく外食もお試しください。ツナ(マグロ)のグリルサンドウィッチは見た目は凄く大きいですが、魚だけにあっさりしているので、ペロリと。
開放的なカフェ
大きいツナサンドウィッチ!ポテトも山盛
【ラロトンガ→アイツタキ】
今日午後はアイツタキ島へ向かいます。国内線は約40人乗りの小型機で荷物検査もなく10分前に搭乗して、約45分でアイツタキに到着です。預け荷物は23キロまでOKなので、ラロトンガに置いて行く必要はありません。
Air Rarotonga
40人乗り位の小型飛行機
アイツタキに近づくと真っ青な海に突然現れるラグーン。
アイツタキでの宿泊は島の最南端にある「アイツタキ・ラグーンリゾート&スパ」。アイツタキで唯一水上バンガローを持つリゾートです。ロケーションは抜群で割とカジュアルではありますが、子供の宿泊が不可となっています。
プレミアム・ビーチフロント・バンガロー
目の前の海
ホテル近くのレストラン「ボートシェイド・レストラン」で夕食。アイツタキに来たら期待通りにお魚を。
マグロとココナツミルクで和えたサラダ
翌日、アイツタキに来たら必須の「ラグーンクルーズ」に参加です。朝10時頃、宿泊ホテルにクルーズボートが迎えにきて、3つの小島を巡るツアーでよりアイツタキのラグーンを楽しめます。
ボートに乗ってクルーズです
あいにく風が強く、少し曇っている天気の中、晴れる様にと祈りながら出発しました。ボートのキャプテンがアイツタキの伝説などを話してくれたり、音楽を演奏してくれたり、移動中も飽きさせません。
ラグーンの中を走ります
ボート内
まず到着したのはAKAIAMI島。白い砂浜が恐ろしく美しい島です。
どこまでも続くラグーン
次はMOTURAKAU島、この島には緑も多く残り珍しい鳥が生息しています。外敵がいないため、鳥は人が近づいても逃げません。
木の幹にとまる白い鳥
途中のラグーン内でスノーケリングタイムがありますが、ここでも大きな魚やカラフルな魚にに出会えます。
大きい魚と一緒に泳ぐ
ひと泳ぎしたあとはお待ちかねのランチタイム。ラロトンガの野菜を使った、素朴な料理が並びました。
ビュッフェは女性優先
クックの野菜を使った料理
最後にTAPUAETAI(ワンフットアイランド)に上陸、郵便局がある無人島でハガキも投函できるので、是非お試しください。
(島内にもハガキは売っていますが高いので、事前に購入しておくと便利です。)
※ちなみに、日本国のパスポートにワンフットアイランドのスタンプを押すのはオススメしていません。トラブルの原因にもなります。
無人島の郵便局
どこまでも続くラグーン
約6時間のラグーンツアーでアイツタキの魅力をたっぷり楽しむのもいいものです。
透明度が半端ない美しいラグーン
今夜のディナーはアイツタキで一番のデラックスリゾート「パシフィック・リゾート・アイツタキ」でのマオリのダンスを楽しみながらのビュッフェディナーです。
マオリのダンス
ビュッフェディナー
5つ星のパシフィック・リゾート・アイツタキはナチュラルモダンなインテリアで落ち着いた雰囲気。27室ある客室は常に満室状態、早目の予約をオススメします。
落ち着いたインテリア
テラスには海を臨むチェアー
2泊のアイツタキももう終わりです。
ここでまたホテルをご紹介。
●アイツタキ・エスケイプAitutaki Escape
限定3部屋の隠れ家的リゾート。キッチンやバーベキューグリルもあるので、少し長めのステイ向きのホテルです。オーナー夫婦が色々アレンジしてくれるので何でも聞いてみて。
プライベートプール付
●エトゥ・モアナ・ビーチ・ヴィラEtu moana beach Villas
限定10部屋の大人のリゾート。綺麗に整えられたガーデンから望むアイツタキの海は最高に美しい。優雅なステイが出来ること間違いなしのホテルです。
朝食もこのプールサイドで
マネージャーさん。ホテルのビーチ
●タマヌ・ビーチTamanu Beach
広い敷地内にヴィラが点在し、プライベートがしっかり守られながらカジュアルで居心地のいいリゾート。
マネージャーさん。ホテルのビーチ
ナチュラルなヴィラ
今回はクック諸島に3泊しか出来なかったのが悔やまれますが、兎にも角にも、日本人旅行者が少な過ぎです。また中国、韓国からの旅行者もほとんど見かけません。
ニュージーランドからたったの3時間半のフライトで行ける秘境リゾート、今行かないと!
クック諸島でも人気の(フライ版)
こちらはフィッシュ&チップスのベイクド版
【ラロトンガ→パペーテ】
クック諸島の海&リゾートとタヒチの海&リゾートを比べるために(!?)タヒチへ向かいました。
利用したのはAIR TAHITI。ラロトンガから約2時間半のフライトです。初めて経験したのですが座席はフリーで、好きな席をチョイス。
座席フリーのAIR TAHITI
パペーテでの宿泊はマナバスイートホテル。空港から5分の比較的新しいリゾートです。目の前がビーチで、タヒチには珍しいインフィニティプールがあります。お部屋はゆとりのある作りで、長期滞在にも対応可能なキッチン付きのお部屋も。町まではシャトルバスがあるので便利です。
ビーチに面した部屋が人気
インフィニティプール
【パペーテ→ボラボラ島→パペーテ】
翌朝は朝5時半に出発、日帰りでボラボラへ。国内線は朝から何便も飛ぶので空港には人が沢山、フアヒネ島行きなど日本人には馴染みがない島ですが、欧州人には人気です。
座席はまたフリーでしたが快適なフライトでした。
ボラボラ島に近づく
ボラボラ空港の船着場
今日参加するツアーは、ピュアシュノーケリングツアー。半日シュノーケルを中心に行うツアーです。今日の参加者は6人で、インストラクターと共にスピードボートでポイントへ向かいます。
早く飛び込みたい海!
さあ行くぞ!と皆海へ。インストラクターについて行くと珊瑚と無数のカラフルな魚の群れが!またポイントを変えると何とマンタ発見!しかもオスメス5匹位が優雅に泳いでいます!海で泳いでいる姿を初めて見ましたが、かなりサイズが大きかったです。
なるほど、ダイバーの気持ちが少しだけ理解出来ました。
マンタの親子(?)
魚の群れ
BORA BORAの文字が!
シュノーケルをたっぷり味わった後はお待ちかねのホテルインスペクション(笑)
2つのインターコンチネンタルホテルをご紹介します。
●インターコンチネンタル・ボラボラ・リゾート&タラソスパ
全室水上ヴィラという贅沢なホテル。ホテル名にあるようにスパが充実しています。また、ホテル内のチャペルも海を基調にロマンチックな作りに。二人だけのウェディングにもオスメスです。
海中を見ながら受けられるスパ
メインプール
食事も美味しい
●インターコンチネンタル・ボラボラ・ル・モアナリゾート
水上ヴィラ
こちらには水上だけでなく、ビーチフロントヴィラもあり、タラソより少し気軽な感じです。それでも高級感はそのまま。美しいマティラ・ビーチがすぐ側です。姉妹のタラソへのシャトルボートがあるので、スパも楽しめます。
ビーチフロントヴィラ
夕方また飛行機でパペーテへ戻ります。日帰りボラボラって可能でした…。
【パペーテ→モーレア島】
タヒチ3日目モーレアに行ってみます。その前にパペーテホテルのインスペクション。
●ル・メリディアン・タヒチ
空港から南に約10キロのところにあり、広く美しいビーチを持つラグジュアリーリゾートホテル。ロビーはスタイリッシュなインテリアですが、部屋はナチュラルな雰囲気でゆったりした広さです。プールサイドも白砂というラグーンの様なプールです。
メインプールも開放的
●ホテル・タヒチヌイ
パペーテ中心部に徒歩圏内の3つ星ホテルで、モダンな雰囲気。ショッピングを楽しみたい方にはオスメスです。
オシャレなレストラン
●ホテル・サラ・ヌイ
フェリー乗り場に近く、町に近い割りに静かなホテル。少し古いですが、リノベーションも順々に行なっているので、部屋は割とモダンに。スタッフが気さくで話しやすいです。
モーレアへはフェリーで向かいます。所要時間は約30分です。
Terevauのフェリー
タヒチ島から離れて行く
モーレア島が近づいてきた
モーレア島でもホテルインスペクションは続きます。
●モーレア・マナバ・ビーチ・リゾート
ザ・ポリネシアンスタイルホテルで、オスメスは水上バンガロー。魚が泳ぐ珊瑚の海へ部屋から直接入れるので人気です。
生魚も美味しくアレンジ
日本人スタッフがいるので安心
●ソフィテル・モーレア・イア・オラ・ビーチ・リゾート
広い敷地内にはガーデンバンガローと水上バンガローがゆったりと配置されていて、目の前のビーチは美しく、モーレアで一番とも言われます。割と日本人利用が少ないリゾートです。
水上バンガロー
●ヒルトン・モーレアラグーン・リゾート&スパ
水上バンガローはもちろんですが、ガーデンプールバンガローも年齢層関係なく幅広く人気です。水上にあるカフェでは焼き立てのクレープが楽しめます。ロケーションも良く珊瑚も多いので、水上バンガローはより楽しめます。
ガーデンプールバンガロー
水上バンガロー
●インターコンチネンタル・モーレア・リゾート&スパ
島の西側山とラグーンに囲まれた高級リゾート。敷地内にはドルフィンセンター、ウミガメケアセンターなどもあり、子供連れにも楽しめます。スパも充実しているので是非お試しください。また、曜日によって様々なディナーショーを用意。何泊しても飽きる事がありません。
海が目の前のプールも気持ちいい
水上バンガロー
ラナイルーム
●モーレア・ビーチ・ロッジ
夫婦二人で経営する12ヴィラのみのアットホームなリゾート。目の前はラグーンが広がるプライベートビーチでとても静か。入口も見逃してしまいそうな隠れ家的リゾートで、長期滞在を好む欧米人に人気のリゾートです。
小さいリゾートながらお部屋はモダン
●ハイビスカス・リゾート
広いガーデンの中にヴィラが点在する、中級レベルのリゾート。ラグーンが見えるヴィラはラグーンビューカテゴリーとなり人気です。目の前にはモツ(小島)もあり、海が穏やかな日は泳いで渡る事も可能です。
ガーデンバンガロー
目の前の小島が
水上バンガローは景色(ロケーション)によってカテゴリーが分かれます。桟橋の先端や、ボラボラはオテマヌ山&ラグーンのビューが高めの設定です。
モーレア島では1泊して少しだけのんびりしました。最後にヒナノビール&バナナの葉包み蒸し魚で無事タヒチの旅は終了です。
ヒナノビール
白身魚蒸し
南太平洋はポリネシアンの緩やかな雰囲気が居心地よく、非日常を味わうには最高の国々です。クック諸島もタヒチもハネムーナーだけでなく、ちょっと特別な旅行を考える時、また、ちょっと時間が出来てどこか行こうかと思った時、是非候補に入れて頂けると嬉しいです。
【今回の旅 国際線フライト所要時間】
成田→オークランド 10時間
オークランド→ラロトンガ 3時間半
ラロトンガ→パペーテ 2時間半
パペーテ→オークランド 5時間半
オークランド→成田 10時間半
【スタッフオスメス度】
●ラロトンガ(クック諸島)・・・★★★★★
まだまだ素朴さ満載のうちに訪れて欲しい!
●アイツタキ(クック諸島)・・・★★★★★L
行くべき絶景!
●ボラボラ(タヒチ)・・・★★★★★L
行くべき絶景!
●モーレア島(タヒチ)・・・★★★★★
手軽に島を味わうならここ!
(2016年11月 能祖文子)
- ギリシャの白は資本家の罠?「二つの白」の秘密をたどる遺跡&リゾート浪漫紀行
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エリア:
- ヨーロッパ>ギリシャ>アテネ
- ヨーロッパ>ギリシャ>サントリーニ島
- テーマ:ビーチ・島 世界遺産 歴史・文化・芸術
- 投稿日:2017/01/13 10:16
青く澄み切った地中海、リゾート地サントリーニ島のラグジュアリーな白、白亜のパルテノン神殿・・・
ギリシャと言われて思いつくのがそんなイメージなら、貴方は歴史上多く語られない大スキャンダルに騙されている可能性がある。
上で挙げたどちらかの白は後世の資本家によってつくられた「偽りの白」であることを、誰がどう予想できただろう。
●○●サントリーニ島●○●
“GREEK LOVE(ギリシャの愛)” という熟語が「男性同士の同性愛」を意味することはさておき、サントリーニ島はギリシャでNo.1のハネムーンの聖地。
サントリーニ島には二つの大きな町、フィラとイアがある。どちらも白で統一された建物が軒を連ねている。その美しさに引き込まれるように町並みをたどると、入り組んだ路地に迷い込んでしまう。にぎやかなフィラの町並みは、ギリシャのセンスが光るお土産物屋やタベルナ(伝統的なギリシャ料理店)がひしめき合っている。どの店もカラフルでおしゃれ。そのセンスがうらやましい。
断崖へ下るケーブルカーに乗って、クルーズ船の玄関口オールドポートへ向かう。フィラの向かいにある火山島、ネア・カメニやパレア・カメニへ向かうツアーもこの港から出発する。
奥に見えるのが火山島
オールドポート
ここから見上げるフィラの町は、まるで雪山のようだ。帰りは伝統のロバタクシーに乗って崖を登る。のんびりまったり揺られよう、という気でいたのだが、ロバは急に走ったり、急に立ち止まったり・・・ハラハラして意外と楽しい。笑顔でフィラに降り立った後、服から漂う獣の香りで我に返った。
町角にあるささやかな博物館には、サントリーニ島の出土品が展示されていた。土器のひとつひとつ、古代彫刻のひとつひとつが己の見てきた歴史を語りたがっているよう。展示室でじっと耳を澄ませ、ファンタジーの世界のような白い町並みが紀元前に育んだ知恵や文化、その繁栄のひみつを尋ねてみる。
フィラはサントリーニ島の中心となる町のため、主要交通機関のバス路線もこの町が基点。流しのタクシーはほとんどいない。
サントリーニ島もう一つの町、イアはフィラからバスで20分ほど。車窓からはどこか哀愁あるだだっ広い緑地や、きらきらと微笑むエーゲ海、荒々しい断崖や見事な地層を見ることができる。どうしてもリゾートのイメージが強いサントリーニ島だが、火山噴火によって生まれたため島全体が特徴的な地形を持っているらしい。ギリシャ各地の無骨な大地や穏やかな海のどこか神聖なコントラストが、喜怒哀楽にあふれた神々の物語を生み出したのも不思議じゃないように思えた。
夕刻が迫ると、島を訪れた旅人たちは皆イアの展望台を目指す。サンセットを見届けるためだ。ここでは夕陽が、白い町にゆっくりとオレンジの魔法をかけていく。それは世界一の美しさだと言う。この日はあいにく少し曇っていて、その様子は伺えなかった。
船も続々と集まってくる
なぜこの島の建物は白いのかガイドに尋ねると「昔は白いペンキが一番安かったから、みんな家を白で塗ったんだ。」とのこと。狙って白い色にしたわけではなく、何とも偶然に白い建物がそろってしまったらしい。安いのが白でよかったなあと笑いながら、ロマンチックにライトアップされたイアの町を後にした。
この島に滞在するなら、それが特別な旅行なら、断崖沿いのホテル宿泊はマストだろう。お部屋の真っ白なテラスからゆっくり海を眺める時間は、誰もが憧れる人生の贅沢。イアのラグジュアリーな断崖ホテルに宿泊すれば、世界一の夕陽をプレイベートな空間で楽しめるかもしれない。
カティキエスのテラス
カナヴェスイア&スイート
カナヴェスイア&スイート
カナヴェスイア&スイート
時間が許すのなら、ぜひ郊外の自然を訪ねて欲しい。赤い岩肌に囲まれたレッドビーチはまさに絶景。広いビーチではないが、いつまでものんびりできる。
300年の歴史をもつ家族経営のワイナリー、GAVALAS WINERYを訪れた。火山性の土壌が良質の葡萄を育てるそうで、この島でしか採れない品種もあるらしい。ひとやすみして、テイスティングを楽しむ。品がよくて飲みやすく、まろやかなサントリーニワイン。すっかり虜となってしまった。日本のワインコンテスト受賞歴もあるらしい。
サントリーニ島を訪れるまでは、東京ディズニーランドのような作為的に作られたリゾートのイメージがあった。しかし実際は、どことなく生活感も感じられる優しい自然にあふれた島だった。柄でもなく再訪の日を夢見ている自分がいる。
●○●アテネ●○●
アクロポリスの展望台より
今回の旅では、「ギリシャで最も美しい島」のひとつとも言われるコルフ島を訪れる予定だったのだが、管制塔のストライキを重なってしまい断念。ギリシャの国内線オペレーションはいつも不安定だ。まさか自分が巻き込まれるとは思っていなかったので大変残念だったが、アテネでの滞在時間が増えたのは嬉しい誤算だった。崇高で静謐、単純美であふれたギリシャ文明の世界をゆっくり満喫することができた。
パルテノン神殿
アテネで一番楽しみにしていたのは、やはりアクロポリス遺跡。アテネの中心部にありながら、この荒涼とした聖域だけ天界からひょいっと持ち上げられたような、不思議な場所だった。中でも一番見どころのパルテノン神殿は紀元前447年に建築が始まり、15年の歳月をかけて完成した。(現在は残念ながら補修中)
アクロポリス遺跡 プロピレア(全門)
アクロポリス遺跡 エレクティオン神殿
遺跡のねこ
パルテノン神殿に代表されるギリシャ建築は、白い大理石の円柱と水平に架け渡した梁が特徴。この様式は民主主義の象徴として、アメリカの大統領府や図書館、博物館、オーストリアの国会議事堂などに採用されている。
もうひとつ特徴として挙げられているのが「黄金比」。人体の寸法比を参考に考えられた美しく調和のある比率で、安定感や重厚さを生み、人間を意識的に惹きつける。1:1.618で表され、クフ王のピラミッドやパリの凱旋門などにもそれを見つけることができる。
近代建築の祖ル・コルビュジエもパルテノン神殿の黄金比に魅せられた一人。彼の提唱する現代建築の5要素のひとつ「ピロティ」はここから生まれた。彼の手掛けた建築群が世界遺産に登録されたことは記憶に新しい。
パルテノン神殿上部のレリーフ
エレクティオン神殿の彫刻オリジナル
こうしてみると、この遺跡はギリシャの起源だけではなく人間そのものの起源に近いような気がする。
とはいっても今この場所で眺めているパルテノン神殿は、古代の姿そのままというわけではない。もともと神像を奉納するための神室だったが、中世にはキリスト教の教会として利用されていた。その後イスラム教のモスクを経て、17世紀は爆薬の貯蔵庫となった。「まさかヨーロッパ建築の起源と言っても過言ではないパルテノン神殿を、敵国も爆破はできないだろう・・・」と高を括って爆薬の貯蔵庫にしたそうだが、予想は大きく外れベネチア軍に爆破された。
そしてオスマン帝国の支配下にあった18世紀、スルタンから許可を得たイギリスがパルテノン神殿の調査にかかり、多くの彫刻を切り取りイギリスへ持ち帰った。このコレクションは現在、大英博物館の至宝として長年愛されている。コレクションがイギリスからいつか返還されることを信じ、アクロポリス遺跡のすぐ横にある博物館には持ち去られたレリーフを飾るための、どこか悲しい展示室が用意されている。
パルテノン神殿のレリーフの展望室からは神殿が見える
イギリスにある部分はレプリカ
時は流れて21世紀、大英博物館の収蔵品調査により大スキャンダルが発覚した。パルテノン神殿や持ち去られた彫刻は当時の研究チームによって、もとの色がわからないよう金たわしでゴシゴシ削られていたことがわかったのだ。パルテノン神殿だけではなく、ギリシャ各地にあるいくつかの遺跡の色も削ったことがわかっている。
そもそも、古代ギリシャ文明が一気に開花したのは紀元前7世紀のこと。当時先進国だったエジプトへ傭兵として派遣されていたギリシャ人たちが一斉に帰国し、エジプトやアジアの色彩豊かな文化を広めたのがはじまりと言われている。もちろんパルテノン神殿もその影響を受けており、それ本来の姿は「どぎつい極彩色の神殿」だった。
当時の研究チームがパルテノン神殿の極彩色を削り取ったのは「その方が大衆にウケる」という恐ろしい理由。ロマン主義の時代から古代ギリシャ文明へ憧れがあったヨーロッパ人は「古代ギリシャ文明こそが我々の起源」と考えていた。崇高で静謐、単純美、そして白人文明の起源たる古代ギリシャには白がふさわしい、そう考えた大英博物館のパトロンにより計画は催行され、パルテノン神殿は現在私たちの知る姿に変貌を遂げた。なぜ今までこのことを自分は知らなかったのか、歴史の教科書で語られていないのか不思議なほどの大事件だ。
アクロポリスの博物館には本来の色を伝える展示がなかったのが残念だった。資料は全てイギリス側になるのだろうか。興味のある方はインターネット等で検索してみて欲しい。
展望台から見たアクロポリス遺跡
アクロポリス神殿に匹敵するほど興味深い場所があった。国立考古学博物館だ。中心部から少し離れた立地にあるが、アテネ近郊だけでなくギリシャ中から出土された品々が見学者を魅了する。世界史の教科書で見たことのあるようなものも多い。
ケーネ遺跡で出土された黄金のマスク
馬に乗る少年
トロイア戦争の一場面
ヘラクレスがアジプト王ブシリスを殺すシーン
古代ギリシャと一言で言っても、その期間は約2,000年、展示品の変遷は実に興味深い。神々の威厳ある彫刻や指輪、細密な装飾を施された壺など、もちろん全てが紀元前に制作されたもの。どれもデザインがとても洗練されていて、現代のデザインとしても通用するレベルに思う。言語の発達により人間の想像力は退化してしまったのでは・・・と疑いを持ってしまうほどのものだった。ただただ眺めているだけでも楽しい博物館巡りだが、ワンランク上の楽しみを知りたいなら、やはりギリシャ神話への知識を深めることがてっとり早いだろう。喜怒哀楽に溢れ、破天荒な神々の物語を知ることで、展示品にも愛着が湧いてくるはずだ。そして、その神々が愛した地方の遺跡へも足を運びたくなってしまう。気づけばギリシャの虜だ。
ポセイドンのブロンズ像
ディオニソスのテーブル台
アフロディテとパンとエロスの像
先進国の手に渡ることによって研究が進んだり、政治不安による暴動を免れたりしていることは事実だが、美術館が盗品倉庫になってはいけない。ましてや、姿かたちを変えられるようなことはあってはいけないと思う。過去の遺産はあるべき場所にあるのが一番だ。
大英博物館のレリーフがアクロポリス遺跡へ戻れば、古代ギリシャの神々の力でかつての彩色を取り戻すのではないか・・・そんな夢見がちなことを想像してしまうほど、古代浪漫あふれる旅だった。
メテオラの奇岩群にて
【スタッフおすすめ度】
●サントリーニ島 ★★★★★
白い町並みだけじゃない!火山爆発が作った不思議な大自然を満喫しよう。
●アクロポリス遺跡 ★★★★★
荒涼とした大地に建つ美しき神殿。隠された本当の歴史にも触れてみよう。
●国立考古学博物館 ★★★★★
古代の遺産に驚きの連続。ギリシャ神話の知識があればもっと楽しめる。
(2016年10月 仙波佐和子)
- 砂漠の流れ星に願いを★女子旅inモロッコ
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エリア:
- アフリカ>モロッコ>マラケシュ
- アフリカ>モロッコ>フェズ
- アフリカ>モロッコ>エッサウィラ
- テーマ:観光地 世界遺産 歴史・文化・芸術
- 投稿日:2017/01/12 15:40
仕事帰りに出発できる便利な夜便を使い、途中乗り継ぎ、計24時間かけてカサブランカに到着。かれこれ2時間近くパスポートコントロールに並ぶ。同じ時間帯にいくつものフライトが到着するらしく、長蛇の列だった。
空港から鉄道駅まで40分ほど、そこから列車でマラケシュへ向かう。定刻から20分程遅れて列車がやってきた。まぁそんなものだろう。1等車は6人掛けのコンパートメント。スナックやお水の車内販売のカートも時々やってくる。
車内のアナウンスはアラビア語だが、マラケシュは終点なので、乗り過ごす心配はない。マラケシュに着いた頃にはもう夜になっていて、さすがにくたくただった。
小腹がすいている程度だったので、ホテルの近くでナッツを買ってきて食べた。お店のおじさんには英語はほとんど通じなかった。
翌朝、早朝からアザーンが鳴り響き、疲れでぐっすり眠っていたのに目が覚めてしまう、というのはよく聞く話だけれど、熟睡していてまったく聞いていなかった。
ジャマエルフナ広場
大道芸人や水売り、ヘビ使いなど様々な人たちが観光客の気をひく。夕方頃からは屋台が立ち並び、激しい客引き合戦がはじまる。大道芸人は見物する観光客を捕まえてはチップを手に入れる。チップは20〜50DHくらい、サービスしてくれたら多めに渡すのが良い。毎晩がお祭り騒ぎで、モロッコ中のエネルギッシュな人をみんな集めたような場所だ。もし疲れたら、周囲のカフェから広場を眺めるのも楽しい。2階や3階のテラス席に上がればフナ広場が一望できる。ジューススタンドやジェラートも美味しい。
スーク
たくさんのお店がひしめき合っていて、一度路地に入ったらきっと迷ってしまう。好みの一品を探し歩いたり、値切り交渉を楽しめる。できればいくつかお店をまわって、相場を確認してから買いたいところだ。クトゥビアの方にある伝統工芸館に行けば、値札が付いていて、質の良いものが多い。
お土産にはこんなものを買った。
マジョレル庭園
フランスの画家ジャック・マジョレルが造園し、後にイヴ・サンローランが買い取った庭園。ヤシやサボテンと、カラフルな鉢植え、そしてマジョレル・ブルーと呼ばれる綺麗な青色の建物が素敵で、落ち着ける場所。庭園内にカフェやブティックもある。フナ広場近くから1番のバスで約40分、片道4DH。徒歩だと30分くらい。バスは新市街の中心部を経由するので遠回りだった。料金は上がっても、タクシーの方が効率的だったと思う。
エッサウィラ
マラケシュから日帰りで行かれる港町。市場で採れたての魚を買って、焼いてもらって食べることができるのが魅力。エビを買って半分は焼いて、もう半分は生で頂いた。日本では高級魚のはずののどぐろが安い。この日は霧に包まれていて、神秘的に見えた。
展望台は改修工事中だが、スークがあって、おしゃれなセレクトショップもあって、イタリアンジェラート屋さんもある。時計塔のある港町って、いいなぁ。
マラケシュからの道中で、ワイナリーやアルガンオイルの工房を見学できる。モロッコはイスラムの国だけど、実はワインがおいしい。
マラケシュの次は、アトラス山脈を越えてワルザザートを目指す。アトラスの向こう側は、乾いた山の岩肌の間に細く川が流れていて、マラケシュとはまた違った景色だ。アトラス越えには時間がかかるが、道中で世界遺産のアイト・ベン・ハッドゥに立ち寄ることができる。
小川の向こうに、突如現れる存在感あるカスバがアイト・ベン・ハッドゥだ。カスバというのは砦になっている町のこと。複数の家族が住むこの村は正確にはカスバではなく、クサルと呼ばれる。とは言っても、今はたった4家族しかこの村には残っていないそうだ。赤茶色の日干しレンガで造られ、城壁の中からいくつも塔がのびている。まさに要塞といった雰囲気で、保存状態も良いため、『アラビアのロレンス』をはじめ、数々の映画のロケ地として使われた。迷路のような道、坂、そして階段。頂上まで登るのはちょっと大変だったが、塔に刻まれた模様がよくみえ、対岸の村や辺り一帯を見渡すことができる。
ワルザザートの町に一泊し、今回の旅のハイライトである砂漠へ向かうべくカスバ街道を進む。カスバ街道とは、ワルザザートからエルラシディアまでの、一千近いカスバが残る街道だ。車窓を流れていくレンガのカスバや、ダデス川沿いの渓谷の景色が美しい。
中でもトドラ渓谷はとても印象的だった。左右から迫り来るような岩の壁の迫力。その間に透き通った川が流れている。対岸の岩壁に押しつぶされそうな場所にホテルが建っている。
ようやく砂漠の入り口に到着。日焼け止めを塗って、スカーフを頭に巻いてもらい、ラクダの背中へ。サングラスも準備万端。ここから1時間半のキャメルライドだ。
一面の砂漠を見まわしたり、砂漠にのびるラクダの影に見入ったり、両手を離してみたり、写真撮影をしたり。そんなこんなで案外すぐ着いた。
キャンプにはいくつかテントが張ってあり、絨毯にベッドと電気がついている。中は割と暖かかった。
風が強いので、夕食は大きなテントで食べることに。野菜がごろごろ入ったタジンが美味しい。モロッコではタジンにたくさん野菜が入っているので、海外旅行中でも野菜を摂れるのが嬉しい。
食後はベルベル音楽を聴いて、みんなで楽器を演奏して、楽しいひと時を過ごす。ふと見上げると満天の星空が!キャンプのすぐ外の砂漠にでると、空いっぱいに溢れんばかりの星が輝いている。こんなに広い空とたくさんの星は今まで見たことがなかった。残念ながら、写真には写せなかったけれど。何度か流れ星がみえた。願い叶うかな。
翌朝、日の出を見にまた砂漠へ。とても幻想的な色合いだった。以前、チュニジアの砂漠にも行ったが、チュニジアでは砂漠と言っても色々な景色があった。モロッコのサハラ砂漠は、オレンジ色の砂丘の陰影、ラクダの列、ベルベル民族。こちらの方が、日本人のイメージに近い気がした。
砂漠から一気にフェズまで移動。道中、砂漠とはかけ離れた緑豊かな町や、湖があり、そのギャップに驚かされる。
イフラーンの町
そして青い町シャウエンへ。とても楽しみにしていた町で、でも半信半疑だったのだが、本当に青かった。壁、扉、窓までもが青く塗られている。ハッとするような目を引く青や、落ち着いたトーンの青、涼しい水色、サイダーのような淡い青などたくさんの青色に、カラフルなお土産が並んだり、黒猫が際立っていたり。町並みに夢中で、ひたすら路地を行ったり来たりしていた。
フェズでは半日しかなかったので、ガイドさんを頼んで観光した。メディナの入り組んだスークや、革に染色するタンネリが面白い。おすすめはブー・イナニア・マドラサだ。14世紀に建てられた神学校だが、壁に施された非常に繊細な彫刻に驚かされる。幾何学模様のモザイクタイルも美しく、あまりの繊細さについつい見入ってしまう。当時は2階に学生が住んでいたそうで、こんな綺麗な建物をいつも拝めるなんてうらやましい。
計11日間でモロッコの見どころを一気にまわったが、思っていた以上に色々な側面があり、エリアが変わると町の雰囲気もガラリと変わり、全く飽きることのない国だった。まだたくさんあるのであろうモロッコの知らない部分への興味もあり、そうでなくてもなんとなくまた行きたいと思わせるような、中毒性のある国だと感じた。この魅力を多くの人に味わってもらいたい。
オススメ度
マラケシュ・・・★★★★★エネルギッシュの凝縮された町
エッサウィラ・・・★★★★★とれたて魚の美味しい港町
サハラ砂漠・・・★★★★★まさにイメージ通りの砂漠、満天の星空が最高
シャウエン・・・★★★★★本当に青かった、かわいらしい町
フェズ・・・★★★★★メディナの迷路で迷い歩きが楽しい
(2016年10月 増田里紗)
- ハネムーンの聖地カンクン×エンターテイメントの聖地ニューヨーク
-
エリア:
- 中南米>メキシコ>カンクン
- 北米>アメリカ東部>ニューヨーク
- テーマ:ビーチ・島 世界遺産 歴史・文化・芸術
- 投稿日:2017/01/12 15:36
カンクンの海
カンクン ビーチ
エメラルドグリーンに輝く海、どこまでも高い空。ここは天国かと言わんばかりの場所、メキシコのカンクン。まず結論から言うとハネムーンはここに行きたいです。
とにかく海がきれいで、ここまでクリアな海は見たことがありませんでした。
ただ今回はカンクンはただのリゾートではないと実感しました。
まずはメキシコと言えばマヤ文明。古典期後半に栄えたマヤ北部最大の都市遺跡チチェン・イツァー。世界遺産、新世界七大不思議にも登録され、マヤ文明の遺跡でも最も見応えのあるものの1つです。
エスカルティージョ
エスカルティージョ
千本柱の間
また今回は1泊2日を利用してチチェン・イツァーに行きましたが、それは光と音のショーを見るため。最新技術のプロジェクションマッピングと迫力ある音響システムが創り出す幻想的な光と音のショーが30分程度行われます。
光と音のショー
※人数限定なので必ず見られるとは限りません。ただ意外に空いていました。
夜はホテル横の入り口は閉鎖しており、自分でタクシーを利用してチチェン・イツァー、メインの入り口へ。
帰りも利用するので待たせて置くのは忘れないようにしないとだめです。
マヤ文明と同じくらいユカタン半島ではメジャーなのがセノーテ。
「聖なる泉」を意味するセノーテは水面がエメラルドグリーンに輝いており、潜ればその透明度の高さに驚愕です。
ユカタン半島には大小合わせると何千ものセノーテがあり、すべて繋がっています。
水の質は海とは違い地下水なので海水のようにべたべたすることもありません。今回行ったのは入り口まで近く利用しやすいのがグランセノーテ。
遺跡と言えばチチェン・イツァーですがトゥルム遺跡にも行ってきました。
マヤ文明末期、スペイン人の占領によってマヤ文明に終わりを告げた終焉地とされているトゥルム遺跡。トゥルムとは城壁を指し、降臨する神の神殿、カスティージョ を中心に約10基の遺跡が海に面してズラリと建てられています。
保存状態はとてもよく、当時のフレスコ画レリーフははっきりとその跡を残していて分かりやすかったです。
遺跡脇にはビーチも
トゥルム遺跡のビーチ
そして最後にイスラムヘーレスです。ここはカンクンからフェリーで30分程。
オールインクルーシブのプランで行けば、現地での飲み食いやアトラクションもやり放題。
海はカンクンから見るよりも更に綺麗でした。ダイビングはもちろんイルカと一緒に遊べるプログラムやシューノーケル、カヤック、サイクリング、ジップライン等アクティビティはとても充実しています。
ここを別の名前で呼ぶとするなら、天国です。
カンクンはリゾートとして海とホテルだけではなく周辺の観光スポットがとても充実していました。自分のハネムーンはここにしたいと思いながら次の地へ。
タコス&コロナ
陽気な街中の食堂
リゾートを満喫したらエンターテイメントの聖地ニューヨークへ
ブロードウェイ
ニューヨークに来て夜景を見るなら名所エンパイアステートビルでしたが今回はロックフェラーセンター最上階、地上260mのトップオブザロックにてマンハッタンの夜景を臨みました。
マンハッタンの夜景
エンパイアステートビルが含まれた夜景はここから見るべし。
今マンハッタンで最もホットなのが、チェルシーマーケットとハイライン。
もともとビスケット・メーカーの工場だった建物が大規模なリノベーションを経て、生まれ変わった完全室内型マーケット"チェルシーマーケット"です。中にはマーケット型フードコートや30店ものおみやげ屋がたくさんあります。
チェルシーマーケット
おすすめは鮮度抜群のロブスターを1匹丸ごと食べられロブスタープレイス。
ロブスタープレイス
そしてチェルシーマーケット脇にある階段を上ると、地上9メートルの高さを南北に延びるNY最新スポット、ハイラインパーク。長い間放置された高架貨物線が取り壊される前に公園として再利用したもので、ウッドデッキや植物、彫刻、噴水などが配置されています。
ハイライン
エンターテイメントと言えばニューヨーク。
公開されているショーはどれも人気があります。その中でも20年以上のロングランは【オペラ座の怪人】、【シカゴ】、【ライオンキング】だそうです。
またブロードウェイの少し規模が縮小したオフブロードウェイがおすすめです。
規模を縮小したと言っても日本でも有名なブルーマンショーなどの公演もこれに属します。運が良ければ当日券を格安で売っているTKTSで手にはいるかも。
TKTS
無事、見たかったSTOMPのチケットを購入できました。
無声の劇で、物が発する音だけで構成されています。このクオリティーを日本で見たら、
結構な額になると思います。
STOMP
また日本進出で話題沸騰中のニューヨーク発のハンバーガーショップ、SHAKE SHACKは現地でも人気でした。ただ日本のように何時間も並ぶってことはありませんのでご安心を。
SHAKE SHACK
マンハッタンを離れブルックリンへ。ブルックリンまではメトロで20〜30分程。
近年、マンハッタンでの地価の高騰により、トレンドの発信地は橋を渡った対岸ブルックリンに移っているようです。ここは本当に探索し甲斐のあるところでした。特に橋のたもとを中心に発展していて、人気をけん引するのは北側に位置するブルックリン橋近辺のダンボ地区と、ベッドフォードアベニューを中心としたウィリアムズバーグ地区。工業地帯跡の居ぬき物件を利用したお店は古いけれどそれを活かしてお店作りをしていました。
現在マンハッタンで起きているコーヒーやチョコレートのサードウェーブはブルックリンが火付役となっているみたいです。
ブルックリンロースティングカンパニー
ブルーボトルコーヒー
ニューヨークの面積は広くないけれども、見所が多すぎで、全部見るなら3泊どころでは周りきれません。発掘し甲斐のある都市であると共に、どの店が良い店なのか情報がないともったいないと感じました。
★おすすめ度★
・チチェン・イツァー【★★★★★】
マヤの秘密を解き明かせ!!!
・セノーテ【★★★★★】
冒険心をくすぐる。得も言えぬ昂揚感。
・トゥルム遺跡【★★★★】
遺跡好きにはたまらない。
・イスラムへーレス【★★★★★】
TVでも話題!天国を見ることができます。
・トップオブザロック【★★★★★】
エンパイアステートの夜景と比べてみては!?
・チェルシーマーケット&ハイライン【★★★★★】
マーケットで買ったものをハイラインで食べる。定番です。
・ブロードウェイ【★★★★★】
さすが、本場。オフブロードウェイはお手軽です。
・ブルックリン【★★★★★】
新しい古さ。すべてが新鮮で洗練されてます。
(2016年10月 小澤駿)
- ハイジの世界だけじゃないスイス! 〜トラベルパスをフル活用してディープにめぐるスイスの旅〜
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エリア:
- ヨーロッパ>スイス>ローザンヌ
- ヨーロッパ>スイス>ベルン
- ヨーロッパ>スイス>ロカルノ
- テーマ:ハイキング・登山 世界遺産 グルメ
- 投稿日:2017/01/12 15:29
評判通りやっぱりイケメンなマッターホルン様。朝焼けは必見!
ベルン郊外、エメンタール地方のチーズ工場で大人の社会見学
のあとはやっぱりスイス名物チーズフォンデュ!
今回、レイルヨーロッパ様のご招待でスイスへのファムツアーに参加させていただくことになった。訪問地はベルン、ティチーノ州(ベリンツォーナとロカルノ)、ツェルマット、モントルー、ローザンヌ。ドイツ語圏、フランス語圏、イタリア語圏すべてを訪れるまさに大周遊の旅。
スイスといえばやっぱりアルプスの少女ハイジ。スイス旅行の目的も、アルプスの山々を眺めて、「口笛はなぜ〜」と口ずさみながらハイジの世界に出てくるような草原と村をハイキング、、、という方が大多数(のはず)。けれど、今回スイスを大周遊したことでスイス旅の新たな魅力・可能性を見つけてきました。そんなディープなエリアにスポットを当ててみたいと思う。
<歩くもよし眺めるもよし!旧市街全体が世界遺産の首都ベルン>
スイスの首都は最大の都市チューリッヒではなく、人口10万人台のベルン。私たちがイメージする「首都=大都市」のイメージと全く違う、静かで落ち着いた街だ。日本からの直行便があるチューリッヒ空港からは列車で約1時間20分、成田空港からバスで東京駅までの時間とほぼ同じ。
この街の特徴はなんといっても旧市街全体が世界遺産に登録されていること。他のヨーロッパの街が度重なる戦火の被害に遭ってきたのに対し、永世中立国のスイスは大きな戦争を経験したことがない。それゆえベルンの街は中世の姿がそのまま残っている。
街歩きの際に見逃せないベルンならではの風景が、ヨーロッパ最長の全長6kmに及ぶアーケードと約100か所の交差点や広場にある泉、そして街の中心にそびえる時計塔。旧市街のサイズは街歩きにぴったりの広さなので、これらのポイントを見て回ってもそれほど時間がかからない。
アーケード内の時計屋さん
シムソン泉。水はそのまま飲むことができるのだとか
1時間に一回からくり仕掛けが動く、ベルン一のランドマーク時計塔
また朝にはスイスらしくチーズや肉が並ぶマーケットも開かれるので、こちらもぜひチェック。
よほど私が物欲しそうな目をしていたのか、売り物のソーセージを一切れくれたイケてるおにいさん
そんなベルン旧市街の全体を眺めるなら、歩いて気軽に行けるバラ園へ。ベルンの街は三方をアーレ川に囲まれ、崖の上に広がるような地形になっているので、立体感があり家々がぎゅっと詰まったような美しい街並みが手に取るように見える。
チューリッヒ空港とグリンデルワルトやツェルマットの間にあり、アクセスもいいベルン。アルプス観光のついでに街歩きを楽しんでみては?おっと、ついでというには失礼なほどいい街ですよ!
<所変われば言葉も変わる、言葉変われば雰囲気も変わる ベリンツォーナとロカルノ>
スイスがドイツ語圏とフランス語圏、イタリア語圏、ロマンシュ語圏の4つのエリアに分かれるのは有名な話。でもドイツ語圏の人口が6割以上と大多数なのに対し、イタリア語圏の人口は1割にも満たない。さらに州でいえば南部のティチーノ州だけで、ここがスイス旅行のメインになることも滅多にない。
そんなわけで、今回訪れたベリンツォーナとロカルノも他の都市に比べると圧倒的に観光客は少なかったが、もったいないほどのいい街だった。
まずはベリンツォーナ。街に立派な城が3つもデンと鎮座しており、すべて世界遺産に登録されている。
今回は街の中心部にあるカステルグランデに入場。
街のどこからでも目に入るカステルグランデ
なんと城内にブドウ畑が。そしてここで採れたブドウでつくられたワインを、城内のレストランでちゃっかり味わうことができる。ブドウ畑にレストランにと、ちょっと破天荒な城なのだ。
ワインの名前はそのまま「カステルグランデ」。ラベルもかわいい!
さらにスイス秋の味覚ジビエ料理も!いただいたのは鹿肉ステーキ
そのベリンツォーナから電車で30分、ロカルノへ。マッジョーレ湖の湖畔にある明るいリゾート地とのことだが今は秋、そしてあいにく雨模様だったので街歩き中心の観光。その街並みが色鮮やかで、ベルンなどとは全く違う完全に南欧な雰囲気が漂っていた。
内装が美しいキエーザ・ノーヴァ教会
またカフェが多く、どこも地元の人でにぎわっているのもイタリアを思わせる。
そしてなんといってもイタリア語。ベリンツォーナもロカルノも、イタリア語の響きが聞こえるだけで街全体がどこか陽気で楽しそうに思えてしまう。言葉だけでここまで街の印象が変わってしまうとは・・・。改めてスイスという国の多様性に魅了される。
今年ティチーノ州へとつながる新トンネル、ゴッタルドベーストンネルが開通しアクセスがさらに良くなることが期待される。このゴッタルドベーストンネル、なんと全長57kmと世界最長のトンネル。国じゅうを走るアルプス山脈をものともせず古くから多くのトンネルや登山鉄道をつくりまくってきた鉄道大国スイスでもこのトンネル工事には相当気合いが入っていたようで、定期運行が始まるまでの期間限定で「ゴッタルディーノツアー」を企画し、トンネル内を観光客に公開している。今回、幸いなことにそのツアーに参加させていただくこととなった。
ツアー参加者限定パスポート。やっぱり気合い入ってる!
パネルに「Seikan Tunnel」の文字。そう、ここの前は青函トンネルが世界最長だったのだ
トンネル工事のドキュメンタリー映像。プロジェクトXのようで感動的!
17年の歳月と1兆円の費用を費やしたこのトンネル開通によりチューリッヒからイタリアのミラノまでの所要時間は今までより1時間も短縮され、スイス内のみならず周辺の国々への移動も一気に便利になるとのこと。鉄道大国スイスの集大成といっても過言ではないこのトンネル、通過する際はその気合いに思いをはせてみては?
<ブドウ畑+レマン湖+アルプス=大絶景!ラヴォー地区でほろよい散策>
数ある世界遺産のなかで、唯一その対象がブドウ畑になっている場所が実はスイスにある。フランス国境近く、レマン湖沿いのラヴォー地区がそこで、知る人ぞ知る質の高いワインの生産地。とはいってもこちらはワインのワの字も知らないど素人、行って楽しめるのだろうか・・・。
ラヴォー地区はブドウ畑のまっただ中を歩くハイキングコースが整備されており、まずヴヴェイから「ワイン列車」に乗って斜面の中腹の駅で下車してレマン湖沿いの村まで歩いて行くのが一般的。ワイン列車といっても普通のローカル列車と変わりはないのだけど、そのネーミングを聞くだけでなんとなくテンションが上がってしまう。
車窓にはさっそくブドウ畑。こんな中を歩けるなんて!
シェーブル駅で降り、ハイキングコースをどんどん下っていく。期待通り目の前にはブドウ畑とレマン湖、そして遠くアルプスが織りなす大絶景が広がった。
湖畔の小さい村が見えるのもまた美しい!
ここで美味しいワインが生まれるのもこの絶景があるからこそ。ラヴォー地区は本物の太陽、湖の反射光、石垣が蓄える熱の「3つの太陽」に恵まれているといわれ、ここのブドウでつくられるワインはそれはそれは絶品なのだそうだ。
途中の村では、観光客がカヴォー(ワイナリー)に寄って農家の方と談笑している。ここでカヴォーをはしごしながらテイスティングさせてもらい、ほろよい気分で散策を楽しむのがおすすめとのこと。
それはちょっとハードルが高い・・・、そんな方におすすめなのがレマン湖畔のリヴァ村にあるビジターセンター、「ヴィノラマ」。ここではラヴォーじゅうのワインが集まり、専門家のアドバイスを聞きながらテイスティングや購入が可能ということで人気の施設。ワイン生産の過程を撮った日本語のドキュメンタリー映像も見れる。
ワインのプロが注ぐ一杯
スイスのワインはほぼ国内で消費されるため国外輸出量が少なく、しかもここラヴォー地区のブドウ畑は斜面に沿っているため手入れの手間がかかり、これから生産量が減ってしまうかも。。。とのこと。日本の棚田と同じく、美しい景観は関わっている人々の苦労のたまものなのだ。
そういうわけで、この貴重なラヴォー産ワインをぜひスイス土産に!ボトル2000円程度のものもあり、値段もお手頃ですよ。
ワインど素人でもこんなに楽しめるラヴォー地区、もっと多くの人に来て欲しいような、でもまだまだ穴場でいて欲しいような・・・。とにかく今までのスイスのイメージを覆されるような、100%オススメできる場所に間違いありません。
<スイスの鉄道を使いこなしてストレスフリーな旅行を!>
今回こんなにスイスの国じゅうを周遊できたのは、弊社ツアーでも使っているスイストラベルパスがあってこそ。このパスがあるとスイス全土でほとんどの鉄道、バス、湖船、路面電車などの都市交通が「乗り放題」。スイス自慢の登山鉄道やロープウェイなども割引になり、しかも490以上の美術館、展覧会の入場も無料となる優れもので、これを旅行に使わない手はない。スイスと聞くととにかく物価が高い!というイメージがあるけれどこのパスを使えばおトクに旅行でき、いちいち駅で切符を買う手間が省けるのも嬉しいところ。今回の旅程ではほぼ毎日列車に乗っていたので、このパスの圧倒的な威力と利便性を身をもって体験することになった。
一回乗ると軽く400円ほど飛んでしまう路面電車もスイストラベルパスなら乗り放題
レマン湖では船の旅も楽しめる!
そしてスイスを旅して感じるのが鉄道システムの優秀さ。駅構内にはいくつもモニターがあり自分が乗る列車のホームや乗車位置などを一目で確認できる。日本では当たり前のように思えるけれど、実はこんなに列車案内が充実している国はなかなか数少ない。つまり優秀な鉄道システムのおかげで日本と同じ感覚で旅行できるのはスイスぐらいなのだ。
ベルン駅構内にて
チューリッヒ空港は地下へ降りるとすぐに駅があり、入国してすぐ列車移動も可能!
それどころかラゲージサービスという日本のはるか上を行くようなシステムもある。出発駅で荷物を預け到着駅で受け取るという、旅行しながら宅配便を利用しているような新感覚。これを使えば列車に乗るたびにスーツケースの置き場所に悩んだり、コインロッカーを探してうろうろしたり・・・という海外鉄道旅行あるあるともおさらば!
しかも預けたその日のうちに目的地で受け取れてしまうエクスプレスラゲージサービスもあり、かなり利用価値は高い。
ラゲージサービスカウンター
カウンターにあった小学校の歴史教科書レベルの落書き
そのほか列車の遅延はほぼないし、国土が小さいうえ国じゅうで路線網が充実しているので移動時間が少ないし、、、とスイスの鉄道に感心しているときりがないほど。ストレスを感じることなく移動でき、気軽にあちこち旅できるのがスイスの最大の魅力なのかも。
スイスという国は他のヨーロッパ諸国に比べ、リピーターの方や特別な思い入れを持っている方が多いある意味特殊な国。今回訪れたところは、私のような初スイスの方も、何度も旅行経験があるスイスマスターな方も思いっきり楽しめるはず。ハイジには申し訳ないけれど、いかにもスイスな定番観光地だけでなくそんな穴場スポットをこれからも掘り起こしていけたら・・・と思う。
【スタッフおススメ度】
●ベルン ★★★★★
よくあるヨーロッパの古都かと思いきや実は他のどんな街にも似ていない不思議な都市。いい意味で首都らしくない、落ち着いた時間がゆっくり流れる。
●ベリンツォーナとロカルノ ★★★★
日本人がほぼ行かないイタリア語圏。ベリンツォーナの世界遺産の3つの城とロカルノのカラフルな街並みは見ごたえあり!夏はイタリアから避暑に行くのもおすすめ。
●ラヴォー地区 ★★★★★
ブドウ畑、レマン湖、アルプスが織りなす世界でもここだけの絶景は、どこを撮っても絵になる。空港があるジュネーブや人気の観光都市ローザンヌから近く、思い立ったらすぐ行けるのも嬉しい。
(2016年10月 伊藤卓巳)
21 - 25件目まで(30件中)