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みゅうローマ発信 現地情報

プロフィール
ニックネーム:
みゅうローマ
居住地:
ヨーロッパ>イタリア>ローマ
会社名:
みゅうローマ
会社英字名:
Myu Rome
会社所在地:
ヨーロッパ>イタリア>ローマ
会社電話番号:
+39-335-750-1984
業種:
旅行業
自己紹介:
イタリア国内の旅行関連手配をしています。オリジナル定期観光バス・みゅうバス、レストラン、通訳、ガイド、アシスタント、送迎サービスなどを手配しています。何なりとご相談下さい。

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マルシアス
フィレンツェ観光・Uffizi美術館 「彫刻 マルシアス」
エリア:
  • ヨーロッパ>イタリア>フィレンツェ
テーマ:観光地 留学・長期滞在 歴史・文化・芸術 
投稿日:2020/11/19 00:00
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Uffizi美術館には、絵だけではなく多くの古代彫刻があります。

 

通路の左右にはローマ時代の彫刻が沢山飾ってあります。

メディチ家は古代作品にも興味を持ち、ローマで発掘されると、それを買い取ってローマのヴィラメディチなどに集めていました。

 

メディチ家が終わり、あとを継いだロレーヌ家の時代になると、これらの作品がフィレンツェに沢山運ばれてきます。Uffizi美術館の他にはPitti宮殿、ボーボリ庭園でも見ることができます。



その中でもちょっと目を引くのがこの2体のマルシアスです。

 

ちょうどヴェッキオ橋が良く見える大きな窓の近くに通路を挟んで1体づつあるのですが、特に左側のマルシアスの顔が生々しくて、ぎょっとしてしまいます。



マルシアスとはギリシャ神話に出てくる自然の精霊サティロスの一人で、アウロスと言う2つの管のあるフルートのような楽器の名手でした。

 

元々これを発明したのはアテネの女神でしたが、彼女が吹いてみると、頬っぺたが膨らみすぎて変な顔になってしまい、友人からからかわれてしまった為に、この楽器を捨ててしまいます。

それをマルシアスが見つけて、この楽器のエキスパートになります。

 

あまりにも自信がついた為に、大胆にも芸術、音楽の神様であるアポロンに挑戦してしまいます。

アポロンは竪琴で、マルシアスはこのアウロスと言う楽器で勝負をします。

 

最終的にアポロンが勝つのですが、この音楽合戦では勝者は敗者に何をしても良いことになっていたそうで、「神に挑戦するとは思いあがった奴だ」と、生きたまま皮を剥がれることになってしまったのです。



ここには2体のマルシアスがありますが、2体とも紀元前3世紀頃のギリシャ時代の彫刻をローマ時代にコピーした物で、紀元後2世記の物とされています。

両方とも木に縛り付けられて、丁度その拷問が始まる瞬間が表現されています。

 

1枚目のマルシアスは白い大理石でできているため白いマルシアスと呼ばれており、頭を胸の方に傾けています。足と腕の部分は欠けていたため、1500年代の彫刻家(名前は不明)によって修復されました。

 

拷問の用意をしているのを待っている所で、痛みと恐怖が顔によく出ていますが、手は完全に固定されており、自分の運命を受け止めているのがわかります。



2枚目のマルシアスはちょっと赤みのある大理石でできているため、赤いマルシアスと呼ばれています。

 

よく見ると全体的に、本当の筋肉の色のように赤っぽくなっているのがわかります。

 

こちらは顔を真っ直ぐ上げていますが、胸の筋肉が緊張していて、同時に処刑に反抗する怒り、痛み、挑戦の混じった表情をしています。

 

しかしこちらの赤いマルシアスの頭、胸、両腕は、ルネッサンス時代の彫刻家ミーノ・ダ・フィエゾレ(Mino da Fiesole)によってほとんど作り直されているので、このマルシアスの表情などは古代彫刻とは全く違うものなのですが、歯を食いしばって処刑の瞬間を待っている、不安げな顔に迫力がありますね。

 

神話とは言え、なんと残酷な拷問だったのでしょう!


ボッティチェッリ・もう1枚の東方三博士の
ウッフィツィ美術館でイタリア芸術の秋を感じる「ボッティチェッリ・もう1枚の東方三博士の礼拝」
エリア:
  • ヨーロッパ>イタリア>フィレンツェ
テーマ:鑑賞・観戦 留学・長期滞在 歴史・文化・芸術 
投稿日:2020/11/12 00:00
コメント(0)

ボンジョルノ!フィレンツェのガイドの伊藤裕紀子です。

10月終わりにウッフィツィ美術館に行ってみたところ、いつもボッティチェッリの「東方三博士の礼拝」が展示されている場所に見慣れぬ作品がありました。



係員に聞いてみたところ、元の作品は香港での特別展のため貸し出し中とのこと。

代わりに置かれている作品も、ボッティチェッリの同タイトルの作品でした。
こちらは見たことがないのでかえって新鮮。

【東方三博士の礼拝】
「東方三賢王の礼拝」「マギの礼拝」とも呼ばれる新約聖書の場面です。
ユダヤの王を捜して東方から星に導かれてやって来た三博士(マギ)は、ペルシア宮廷に仕える占星術師たちでした。
彼らはヘロデ王の配下からベツヘレムに向かうようの指示を受け、彼の土地で誕生した救世主の御子に出会います。そして黄金、乳香、没薬の3つの贈り物を捧げました。

普段ウッフィツィ美術館でみることができるボッティチェッリの「東方三博士の礼拝」は1475年ごろの作品で、メディチ家のメンバー(コジモ、ロレンツォ、ジュリアーノ)がイエスを取り巻く人々のなかに書き込まれています。

そして現在展示されている作品は1490〜1500年ごろの作品ということで、もっと後年の絵画です。ドメニコ修道会のサヴォナローラの説教の影響から、神秘主義へと傾向していったボッティチェッリ。
制作活動の最終フェーズの作風へと移行しているのがわかります。

多くの人々を引き連れた三博士は聖母マリアに抱かれたキリストに出会い、その前に跪いています。



この作品はボッティチェッリが完成できなかったらしく、マリア様の部分には17世紀ごろに筆が付け加えられています。





背景の人間や岩には色が塗り重ねられていないことがわかりますね。





同じ芸術家でも初期、盛期、晩年と作風が変化していく様子が見受けられることが多いのです。


ドナテッロやミケランジェロ同様、ボッティチェッリも後年にキリスト教の精神へ帰依していく、その経過を見るのはとても興味深いですね。


トッリジャーニ庭園
トッリジャーニ庭園
エリア:
  • ヨーロッパ>イタリア>フィレンツェ
テーマ:観光地 世界遺産 歴史・文化・芸術 
投稿日:2020/11/06 00:00
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ボンジョルノ!フィレンツェのガイドの伊藤裕紀子です。

 

イタリアではA.D.S.I(Associazione Dimore Storiche Italiane)という組織が、歴史的建造物(現在は個人の邸宅や庭園)の無料見学デーを設けており、今年は10月4日でした。

 

このプログラムに参加して、フィレンツェのトッリジャーニ庭園を見学してきましたので、今日はその様子をお伝えします。

 

この庭園はフィレンツェの市壁の南側に接する、19世紀に造られたロマン主義スタイルの庭です。

 

ルドヴィーコ・マリア・トッリジャーニ枢機卿がひ孫のピエトロ・トッリジャーニ侯爵に遺産として渡した土地に造成されました。

プロジェクトはフィレンツェ生まれの建築家Luigi de Cambray Dignyによります。ルイージの後を継いだ若きGaetano Baccaniによって完成されました。

 

 

フィレンツェの代表的なイタリア式庭園(テラスや人工物を使った幾何学式庭園)ではなく、自然な景観美を追求したイギリス式庭園となっています。

またピエトロ・トッリジャーニがフリーメーソンのメンバーであったため、そのシンボルも挿入されています。

10ヘクタールもある広大な土地は昼のゾーン(広く明るい草原)と夜のゾーン(人工的な丘の上の森)に分かれています。

 

 

平地の向こうに見えるのは三つ星ホテルAdAstra、ここに泊まって2階テラスから庭を見下ろすのも良さそうですね。

 

見学コースでは近寄ることができませんでしたが、この平野の中央には彫刻家ピオ・フェーディ作「セネカと若きピエトロ・トッリジャーニ」の像があります。

 

それ以外の苔むした彫刻作品もロマンチックな雰囲気を醸し出しています。

 

 

そしてこの庭園で最も有名なのがバッカーニによって造られた塔です。

三層に分かれた塔は俗世からフリーメーソンの世界への昇華を表現しているそうで、係員の方が「上の階が円筒形になっているのは、円が完璧のシンボルだから」と説明していました。

 

 

建築当初は塔の中に図書館や天文学の器具を保管する部屋があり、頂上では天体観測ができるようになっていたとか。

 

また庭の一部は植木屋として使用されていて、ヴェッキオ宮殿(フィレンツェ市庁舎)の式典などに貸し出されるそうです。

 

 

石畳の道から一歩入った場所にこのような広大な庭があることにまず驚きました。気持ち良い秋の散策もできて、まだまだフィレンツェの魅力は奥深いなと感じられた1日でした。


テーベ地方隠者達
Uffizi美術館でふと見逃してしまう作品 3
エリア:
  • ヨーロッパ>イタリア>フィレンツェ
テーマ:鑑賞・観戦 歴史・文化・芸術 
投稿日:2020/11/03 00:00
コメント(0)

今日はフラアンジェリコが描いた(テーベ地方隠者達)をご紹介したいと思います。
この絵の作者については色々な説があり、私がイタリアに来て最初に買った1500リラの(現在の8ユーロ弱)ウッフィッイ美術館のカタログでは、ゲラルド・スタルニナの作品となっていました。


1420年頃の作品で、現在はフラアンジェリコの絵として断定されています。


Uffizi美術館でこの絵だけ床から65センチの高さ、低い所に飾られています。


理由は、すごく魅力的な絵でおとぎ話のような絵の為、特に子供に人気があり、子供の目線で見れるように飾ってあるからなんです。


この作品は紀元4世紀に、聖パコミアがエジプトのテーベ地方に創立した場所で、隠居し修行を行う修道士の生活を描いたものです。


祈りと孤独、労働で一生を過ごしていました。




どこからともなく射す月の光に照らし出された夜景は、少し神秘的です。


この岩だらけの景色の中で、修道士や隠者の毎日の生活が描かれています。
当時、このテーマはよく描かれ、アカデミア美術館にもウッチェッロが描いた絵があります。


ここでは自然が食糧を与え、他の世界から隔離して平和に過ごしているという事ですが、よく見ると不思議な生活やいろいろな動物を見つけることが出来ます。


1人の修道士は、木のへこみに住んでいます。
また聖ベネディクは洞窟に住んでいますが、誰かが上から食事をかごで運んでいます。
またライオンの車に引かれた人。その右には小さな柵があって、他の人との境界が区切って在り、手前では仕事、奥では静けさにふけっている様子が描かれていますが、これは活動的な人生と、瞑想的な人生を表現していると言われています。
そのすぐ右では男が荷を載せたロバを扉の方に押していて、その上には懺悔の礼拝堂で告知を聞く修道士、その上では天使を見た恍惚状態の修道士、などなどです。


 




川にはクロコダイルもいて、カラスが口からパンを落としていて、それを聖パウロとアントニオが分けていたり、他にもヤギが乳を搾らています。


ここには日常生活が沢山描かれてる訳ですが、これはフラアンジェリコの「人間と動物の関係」についてのメッセージでもあると思われます。


孤独や祈りは必要であるけれども、お互いに助け合い、「自然をリスペクトしなさい」ということです。


船が小さかったり、建物が小さくて修道士が入れない建物もありますが、実際の景色と似ています。
作者はすべての細部までを描き、毎日の生活、木の葉、石ころ、波などリアルな景色を表現しています。


 


写真では細かい所がわからないのですが、是非Uffizi美術館に来られた時は近くで見てください!


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