超値ごろ感のある往年の豪華ホテル
- ライター奥谷 啓介さん
- 投稿日2017年10月26日
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クラッシックなバーも超豪華ホテル並み
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風格ある外観を見よ
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光輝くロビーは超一流ホテル並み
1940年代、ホテル王コンラッド・ヒルトンは、それまでのビジネスホテルのイメージを変えるべく、ニューヨークで高級ホテルを買収することを計画した。そのホテルに選ばれたのが、ザ・プラザホテル、ウオルドルフアストリア、ルーズベルトホテルだった。彼はこの3軒をほぼ同時に買収して、ヒルトンホテルズの中に入れ込んだ。
1924年に完成したルーズベルトホテルは、大統領の名を得るにふさわしい豪華ホテルとしてオープン。グランドセントラルターミナルに隣接したロケーション(45ストリートのマデイソンアベニュー)はどこへ移動するにもとても便利な上、当時、駅構内から地下道を通ってホテルのロビーまで入ることができたことで、さらに多くの人々に利用されることになった。
子供とペットの面倒を見るテディベア・ルームを最初に用意し、また、医師を常駐させた最初のホテルだった。また、1943年から1955年まで、ホテル内のスイートルームがニューヨーク州知事の暮らす場所として利用されていたことでも人々の感心を集めた。ロケーションといい、格式といい、ニューヨークを代表する揺るぎないホテルだった。
しかし、老朽化には勝てず、1995年から2年間、営業停止をして大改装にを行う。現在、ファイブスターを目指すホテルのように、建物は磨かれてはいないが、ロビーを見れば、ゆったりとしたスペースの使い方と、天井、壁、フロアータイルなどに使われている素材に往年の豪華さを垣間見ることができる。ロビーにある“マディソンスクエアラウンジ”に座れば、豪華ホテルのバーにいる気分。また、5月から10月にかけては、“マンハッタンの隠れ家”と言われるルーフトップラウンジ、“Mad46”がオープンしている。ゴージャスな雰囲気の中、摩天楼を眺めながらの落ち着いたひと時を約束してくれる。
このホテルの真の価値は、その素晴らしいロケーションと古き良き時代の豪華さを兼ね備えていながらにして、とても値ごろ感があること。ドアマンもベルマンも格式ある高級ホテルと同じ制服を着て迎えてくれる。エントランスを入れば、スペーシャスなロビーが広がる。超豪華な雰囲気のバーは2軒ある。24時間利用できるフィットネスセンターもある。
予算を押さえて、ニューヨークのホテルを探すときは、まずこのホテルの値段を見て、他と比較してみることをお勧めする。最近つくられた3スターホテルなどよりは、こちらのほうが遥かに贅沢な気分で過ごせるはずだ。
2017年10月訪問