古くは『ナイルの宝石』、最近では『グラディエーター』『キングダムオブヘブン』『プリンスオブペルシア』といった映画のロケ地としても大活躍した、世界遺産のアイト・ベン・ハッドゥ。
岩山にへばりつくように立ち上がる村の独特の風貌は、まさに見るものを、現代において、現代ではないどこかに誘うようです。
現存する家の最も古い部分は、約500年前の建物であると言われ、マラケシュから、黄金の都トンブクトゥを目指す隊商路において、サハラと山間部を切り分ける最後の要衝として古くから栄えた村であると言われています。
世界遺産登録にあたっては、さらに150kmほど南の街、アグデス近郊のタムヌガルトと最後まで競ったと言われていますが、規模ではタムヌガルトに劣るものの、南部の土作りの建物を象徴する美しい外観が評価され、最終的にこちらが登録されるに至ったのだとか。
冬から春、背景に白い雪を抱いたアトラスの前にそびえる姿は圧巻でフォトジェニック。
村の入り口では、「アイト・ベン・ハドゥ」の名前を引き継ぐおじいちゃんが、自宅を美術館として申請して、修復のための入場料10DHを集めながら今も村で暮らしています。
なんでも、「父さんに、”お前がこの家を守れ”と言われたからじゃよ」という事で、今でもここに暮らす事にこだわっているという、潔いまでのガンコさと正直さに、思わず惚れてしまいます♪
村内でも最も古い部分であり、今も高くそびえるカスバ(城塞)の内部構造を見学できる珍しい機会なので、入場してみると良いでしょう。
Ksar of Ait-Ben-Haddou アイット・ベン・ハドゥの集落
和田 麻弥
(トラベルデザイナー)
数々の映画のロケ地ともなった、美しい土作りのベルベル人の村
- 投稿日2015/08/07
- 更新日2015/11/30
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ジャンル史跡・遺跡 世界遺産
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エリアワルザザート
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住所
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アクセスワルザザート空港から車で約35分
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公式サイト
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