Radisson Blu Plaza Hotel, Helsinki ラディソン ブル プラザ ホテル、ヘルシンキ

ホテル自体の開業は1999年と比較的新しいが、現在は同ホテルのレストランの入る旧棟部分は1917年に礎石が置かれた。12月5日。フィンランド独立の前日のことである。竣工は1921年。20年代の古典様式美を残すこの歴史的建造物は、フィンランド遺跡保存委員会の保護対象に指定されている。
　同所は長い間Sグループ（スーパーやデパートなどを運営。プラザもその一員）の本社として機能していたが、1999年に増改築を施し、ホテルとして生まれ変わった。ラディソングループがヘルシンキに送った３軒目のホテルである。

　ヘルシンキ中央駅から徒歩５分弱。文字通りに首都のど真ん中にありながら、バス通りからは隔たり、裏手には公園が控えるという環境から、思いのほかに静寂な佇まいだ。
2013年には館内、客室が改装された。おそらく現在のフィンランドで最も有名なインテリアデザイナーであるエエロ・アアルニオ（Eero Aarnio）の手により、清潔感にあふれた近未来的な作品が完成した。

　改装の基本理念は「あなたが作った（The made by you）」というもの。宿泊客の要望を最大限にとりあげたもので、昨今の潮流が反映されていつ。この理念はソフト面にも貫かれており、その象徴として“選べる寝具”があげられよう。枕とブランケットは、硬さ、サイズなどを好みに応じて選べるというもの。これまで、このようなサービスが他にあっただろうか。
そのほかフィットネスジムやリラックスルームは自由に利用できるし、自転車やゲーム機なども無料で借りることができる。利用者一人ひとりの好みに応じてホテルをカスタマイズしてもらおう、というのがラディソンの提供するThe made by youプロジェクトなのである。あたかも「自分が作ったホテル」と思えるような施設で、個々人の旅のスタイルに合わせたサービスを満喫できるのが魅力だ。