「森茂碗粿」は台南の有名観光スポット赤嵌樓から民族路を50mほど西に進んだ所にあります。周辺には観光客目当ての担仔麺の店をはじめ、牛肉湯、虱目魚湯など台南名物の小吃店が集まり、ちょっとした飲食街になっています。店頭がオープンになった小吃店とは異なり、ドアのあるレストランのような店構えなのですぐにわかります。人が群がって、わさわさした埃っぽい店は苦手、という人も安心して入れます。注文は注文票にテーブル番号と注文数を書いてスタッフに渡す方式なので、ゆっくりと選ぶことができます。代金は先払いです。
森茂碗粿は約40年前の1977年の創業で、日本人からするとおもしろい店名は陳森茂という創業者の名前からとったのだそうです。店内に入ると、赤レンガを積んだかまどや古い農具で一昔前の農家の雰囲気を出したり、かつて実際に学校で使われていた木製の机と椅子をテーブル代わりに使ったりして、昔懐かしい雰囲気を演出しています。
壁一面にはたくさんの碗粿の碗が飾ってあります。よく見ると一つ一つの碗の内側にサインが書いてあって、芸能人から政治家まで、この店を訪れた多くの有名人のサインでした。台湾人にとっては誰もが知っている有名人らしく、現地のお客さんはおもしろがって見ています。
看板料理の碗粿は台湾語でワッグイ(ワーグイとも聞こえる)と発音する台南伝統の小吃で、台南には300軒近い碗粿の店があるといわれるほどポピュラーですが、牛肉湯などと並んで他のエリアにはあまり普及していない代表的ローカルフードです。見た目は一見茶碗蒸しですが、味も食感もだいぶ違います。
主材料は米漿で、米をすり潰して水にさらし濾したもの、いわば豆漿のお米版です。磁器の小ぶりの碗にこの米漿と豚肉、シイタケ、エビ、鴨卵などの具材を入れ、蒸し上げます。その上に醤油味でちょっと甘いとろみたれをかけて出てきます。
食感はねっとりした蒸し羊羹のような感じで、フォークで刺して持ち上げられるくらいの硬さです。日本人にはなじみが薄いので好き嫌いがわりとはっきりした小吃ですが、米漿の香りと素朴な味わいには捨てがたいものがあります。テーブルの上には、特製醤油、おろしにんにく、ピリ辛ソースが置いてあります。ベースがちょっと甘いたれなので、好みでこれらの調味料を加えると締まった味になります。
森茂碗粿には、碗粿(30元)のほかにも担仔麺(タンズーミエン)(40元)、貢丸湯(ゴンワンタン、魚団子のスープスープ(30元)、豬腳(ジュージャオ、豚足の甘辛煮)(60元)、肉燥飯(ロウザオファン、ルーロウ飯のこと)(20元)、虱目魚(シームーユー、台湾南部特産の養殖魚、ミルクフィッシュ)など、台南ならではのメニューがたくさんそろっているので、食事場所としてに利用することもできます。豚足は甘しょっぱい醤油味に適度な香辛料が加わって、ビールのお供にぴったりでした。
森茂碗粿は台南に2店舗あります。紹介したのは赤嵌(チーカン)店でこちらは支店、開山路の延平郡王祠から2、3分のところにある開山(カイシャン)店が本店です。赤嵌店は国内外の観光客が多いのですが、開山店はほとんどが地元のお客さんで、地元でも人気のある店だということがよくわかります。
カードは使えません。
Senmao wan guo 森茂碗粿(赤嵌店) センマオワッグイ チーカンテン
トルヨコ
(ガイドブック編集人)
碗粿(ワッグイ)だけでなく台南の名物小吃がそろう店
- 投稿日2018/10/23
2017/10訪問
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ジャンル台湾料理
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エリア台南市中心部
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住所
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アクセス赤嵌樓から徒歩2分
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電話番号+886-6-2225575
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営業時間9:30-21:00
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定休日無休
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予算平均予算 60台湾ドル
- 上記の記事は、訪問時点の情報を元に作成しています。訪問先の都合や現地事情により、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご了承ください。