日没とともにライトアップされ、その美しさが乗降客の癒やしにもなっている赤レンガの東京駅舎。
東京駅の丸の内側。今でこそ、ロマンチックな観光スポットとして人気を誇っていますが、その存続が危うくなったこと
日没とともにライトアップされ、その美しさが乗降客の癒やしにもなっている赤レンガの東京駅舎。
東京駅の丸の内側。今でこそ、ロマンチックな観光スポットとして人気を誇っていますが、その存続が危うくなったことはたびたびです。
まず、第二次世界大戦の戦時における空襲からは逃れられるはずもなく、一部炎上、一部焼失の憂き目に遭い、戦後になってGHQの指示の下、修復されました。
修復が応急的であったため、赤レンガ駅舎の価値は常に低く見積もられ、丸の内界隈の再開発が進んだ70年代には、建て替え案や駅舎まるごとの移転案まで飛び出しました。
80年代のバブルの際には、JRの民営化に伴う赤字補てんを理由に建て替え案が再浮上。結局、紆余曲折を経て1999年、本来の姿に復原することとなり、2003年に国の重要文化財に指定されました。
その後、JR東日本は2007年から復元工事を開始。2012年に復原が完了し、全面的に再開業を果たしました。
ちなみに復元工事の費用約500億円は、駅舎の空中権を近隣のビルに売却することで捻出。結果、空中権を得た周辺ビルが再開発され、丸の内界隈の高層化が進みました。
当時生じた、ターミナル駅の利便性と都市の美観のどちらを優先するかの意見の相違。空中権を手放すことで、東京駅は低層ながら歴史のある古い駅舎を次代に残す道を選んだのです。
美しく素敵な存在となった丸の内駅舎。現在は内部のかなりの部分が「東京ステーションホテル」となっており、3階の大部分と2階、4階の一部が客室、1階と地下は宴会場。客室数150室から漏れる暖かい明かりはライトアップの一助になっています。
駅構内の地下にはショッピングモールやユニークな店が配されています。
レストランやセレクトショップの16店からなるGRANSTA DINING(グランスタダイニング)、デパ地下のようなエキュート東京、鉄道関連グッズショップのTRAINIART TOKYO(トレニアート トウキョウ)など。
早朝7時から営業している東京駅ならではの店もあり、終日、通勤客や出張客、そして観光客で賑わっています。