茨城県水戸市にある弘道館(こうどうかん)は、水戸藩第9代藩主徳川斉昭(とくがわなりあき)により1841(天保12)年に創設された水戸藩の藩校。儒学や国学、武術、医学、天文学、蘭学など幅広い学問が取り入れられ
茨城県水戸市にある弘道館(こうどうかん)は、水戸藩第9代藩主徳川斉昭(とくがわなりあき)により1841(天保12)年に創設された水戸藩の藩校。儒学や国学、武術、医学、天文学、蘭学など幅広い学問が取り入れられ、当時の藩校としては日本最大規模を誇りました。第15代将軍の徳川慶喜(とくがわよしのぶ)も、5歳の頃からここで英才教育を受けたことが知られています。
1872(明治5)年の学制発布による閉鎖後は、県庁舎や学校の仮校舎として使用されました。現在、旧弘道館の区域は国の特別史跡となっています。1868(明治元)年の「弘道館の戦い」で生じた弾痕が残る正門、弘道館の中心的な建物である正庁、1867(慶応3)年の大政奉還の後に慶喜公が謹慎した至善堂(しぜんどう)の3つは、幾度の戦火をくぐり抜け、重要文化財に指定されています。
2019(令和元)年には土塁や北柵御門(きたさくごもん)の復元的整備が完了し、当時の趣をより深く味わえるようになりました。敷地内には約60種800本の梅が植えられており、偕楽園とともに梅の名所となっています。