新潟県南魚沼市にあり、古風なたたずまいの建物が並ぶ道、牧之通り(ぼくしどおり)。
この地はかつて、越後と江戸を結ぶ三国街道の宿場町として栄えた場所。重要無形文化財の越後上布や伝統工芸品の塩沢紬など、織
新潟県南魚沼市にあり、古風なたたずまいの建物が並ぶ道、牧之通り(ぼくしどおり)。
この地はかつて、越後と江戸を結ぶ三国街道の宿場町として栄えた場所。重要無形文化財の越後上布や伝統工芸品の塩沢紬など、織物の産地としても全国にその名が知られていました。その後、伝統的な街並みは姿を徐々に姿を消していきましたが、当時の歴史的な街並みを平成になって再現。レトロな街歩きが楽しめるとあって、多くの観光客が訪れるようになりました。
その最大の特徴が、雁木(がんぎ)と呼ばれる雪国特有の建築様式。通り沿いに続く建物前の歩道を木造の屋根で覆うことで、降雪時も楽に行き来ができる、いわゆる伝統的な日本のアーケード。日本有数の豪雪地帯の街で見られる、先人の知恵から生まれた伝統的な街並みです。
雁木通りを歩いていると、「北越雪譜いろはかるた」と書かれた木の板を目にします。これは、塩沢の商人・鈴木牧之が越後地方の生活を記した江戸後期発刊の書物『北越雪譜』の一説を記したもの。発刊されると江戸でベストセラーとなったことから、地元の偉人を讃える意味を込めて「牧之通り」と呼ばれています。