金沢城公園に隣接する玉泉院丸庭園(ぎょくせんいんまるていえん)は、その名の通り江戸時代に金沢城内の玉泉院丸にあった庭園。織田信長の娘で加賀藩2代藩主・前田利長の正室・玉泉院(永姫)の屋敷跡にあたり、1634
金沢城公園に隣接する玉泉院丸庭園(ぎょくせんいんまるていえん)は、その名の通り江戸時代に金沢城内の玉泉院丸にあった庭園。織田信長の娘で加賀藩2代藩主・前田利長の正室・玉泉院(永姫)の屋敷跡にあたり、1634(寛永11)年に3代・利常が庭をつくらせたことに始まります。その後、5代・綱紀や13代・斉泰らがさらに手を加え、明治の廃藩時まで存在していました。
広大な敷地の兼六園と比べると、コンパクトな中に豪快な意匠が施され、どちらかといえば藩主のプライベートガーデン的な役割が強かったのではないかと考えられています。平成に入ってから他の建物と同様に復元が始まり、絵図などをもとに2015年に復元作業が完成し、お披露目されることになりました。
園内は、池を中心とした池泉回遊式の大名庭園で、池には、一の島、二の島、三の島という3つの浮島があり、5つの橋で結ばれています。見どころは池の底から石垣の最上段まで22mもの高低差があるダイナミックな構造。往時もあった落差7mの滝との一体感もあり、独創的な空間をみせています。
庭園内には散策路が設けられ、歩き疲れたら庭園全体を一望できる休憩所「玉泉庵」に立ち寄り、オリジナル生菓子と抹茶のセットなどでひと息入れましょう。
玉泉院丸庭園は、金沢城公園とともに毎週金曜と土曜、祝前日の夜などに園内を夜間開園し、ライトアップしています。日没から21時まで行っており、無料で楽しめるため昼と夜の両方を見ておきたいものです。日程はHPでご確認を。