ムーミン美術館は、ムーミンファンはもちろんですが、「ムーミンはかわいらしくて好きだけれど、詳しくは知らない。」と言う人にこそ行ってほしいスポットです。ムーミン物語に込められた作者トーベ・ヤンソンの思いと愛、ムーミンファミリーとたくさんの仲間たちが語る人生の知恵や冒険心、友情など、ムーミンの世界観をユニークな展示から感じ取ることができるとても素敵な美術館だからです。
ムーミン美術館があるのはヘルシンキから電車で1時間30分~2時間ほどの(利用する電車による)、フィンランド第2の都市タンペレで、2017年6月17日に「タンペレホール」という施設の中にオープンしました。タンペレホールはタンペレ駅の東側にあり、駅から徒歩約10分、広々とした公園に隣接して建つ近代的な大きな白い建物です。正面の入口から入ると、広い中央ホールがあり、その奥にムーミン美術館の入口があります。出迎えてくれたのはムーミンの可愛い壁画。ここから先にムーミンの世界が広がっています。
常設展示の『それからどうなるの』は、トーベ・ヤンソンが執筆そして挿絵を描いた12巻のムーミン本のストーリーに合わせて展開しています。展示されている挿絵などの原画は約400点、ムーミン物語の一場面を再現した立体模型は30点ほどあります。
なかでも見応えのある作品は、トーベ・ヤンソンと彼女のパートナーでグラフィックデザイナーのトゥーリッキ・ピエティラ、2人の友人で医師のペンッティ・エイストラによって作られたムーミン屋敷の模型です。青い外壁の5階建てで、2mにも及ぶ高さ。360度、じっくりと見て感じて楽しめる必見ポイントです。
ひとつひとつ手作りされた屋根の瓦、階段、回廊、暖炉、さまざまな家具とリネン類。部屋には電気も灯っています。テラスに立っているのはムーミントロール、ハンドバッグを持ったムーミンママは3階のドアの前に立っています。ほか、チビのミイやトゥーティッキなど、物語に登場するキャラクターがそこに暮らしているかのように配置されています。
実は、このムーミン屋敷は、物語のなかで描かれた青い塔の屋敷とは全く異なるものなのですが、見れば見るほど、彼らがとても楽しみながら丁寧に作り上げたことが伝わり、不思議な心地よい温かさが感じられます。
最後のムーミン童話『ムーミン谷の十一月』が出版されたのは1970年で、この模型の制作をしていたのは1976年から1979年のことです。3年の歳月をかけてこの模型が完成したとき、トーベ・ヤンソンのムーミントロールへの愛がさらに深みを増したと言われています。きっとその思いがムーミン屋敷の模型からあふれているのだと思います。
いつまでも眺めていたい作品です。
この美術館の特徴のひとつである体験型の展示では、謎の生物ニョロニョロは雷が鳴るとどんなふうになるのか、階段を降りると誰かが現れる!それは誰? など、見る人が何かに触れたり、体を動かすことでムーミンや仲間たちの秘密や魅力をインタラクティブに楽しむことができる工夫が凝らされています。子供はもちろんですが、大人も童心になってしまうはずです。はちなみに、ニョロニョロの原語名はハッティフナット Hattifnatt(スウェーデン語)。そんなこともムーミン美術館で知りました。
2020年1月26日まで「ムーミンアニメーション スリルとやさしさに包まれて」という企画展も開催されています。今までに制作されたムーミンアニメーションを上映しながら、製作のプロセスを紹介し、アニメーションの場面とその元になった原画を展示しています。ムーミンアニメーションがテレビに初めて放映されたのは1959年です。1990年には、日本で制作された『楽しいムーミン一家』の放映が始まり、このシリーズは120ヶ国以上で放映されて人気となりました。約60年にわたるムーミンアニメーションの歴史を興味深く楽しめそうです。
タンペレホールのショップには、本や絵葉書、ぬいぐるみなどのムーミングッズが揃っています。日本語訳の絵本もあるので記念に1冊購入するのもいいでしょう。また、ムーミン美術館に設置されているポストからハガキなどを投函するとムーミン美術館オリジナル消印が付きます。友人や自分宛に旅の便りを出すのも素敵です。
そして、ムーミン美術館を絶対に楽しめるアドバイスがあります。それは、ここを訪れる前に、ムーミンシリーズの本を1冊でも読んでおくことです。知っているお話があって、お気に入りのキャラクターがいれば、何倍も楽しむことができます。
常設展には日本語の案内もあります。
館内は撮影禁止なので、ご注意ください。
チケット料金は大人12ユーロ、子供(3-17歳)6ユーロ、ファミリーチケット30ユーロ(大人2人、子供2-4人)。
The Moomin Museum ムーミン美術館
ムーミンとトーベ・ヤンソンが大好きになる美術館
- 投稿日2019/07/31
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離れたところからもよく見えるタンペレホールの外観
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ムーミントロールが出迎えるムーミン美術館の入口
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中央ホールにあるショップとチケット売り場と案内所
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館内は撮影禁止ですが、美術館の外側には撮影ポイントや子供の遊び場が設けされている
ヘルシンキから電車で2時間♪ ムーミン公式美術館
- 投稿日2018/10/31
- 更新日2019/04/22
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ここだけにしかないオリジナル画が揃う(画像提供:タンペレ市/Jari Kuusenaho)
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館内の様子。ムーミンの本の世界に引き込まれる(画像提供:タンペレ市/Jari Kuusenaho)
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人気のムーミンの模型を使った人形ハウス(画像提供:タンペレ市/Jari Kuusenaho)
ヘルシンキ中央駅から電車でたった2時間で行くことの出来る、大人も子供も楽しめるミュージアムがこちら。
2017年に元々あったムーミン谷博物館が移転し、リニューアルオープンしたのがこのムーミン美術館。
今や世界の子供達にも大人気のキャラクター・ムーミントロールですが、
ヘルシンキ出身の女性アーティスト、トーヴェ・ヤンソン氏の作品であることを知る日本人は多くはいません。
この美術館では、フィギアやトーヴェ自筆のイラストでムーミンの世界観を再現しています。
同じくアーティストだった父の影響を受け、ヘルシンキのウスペンスキー寺院に近いマンションに住んでいたトーヴェがムーミンを生んだのは1945年のこと。
トーヴェ・ヤンソンの私生活は同性のパートナーに恵まれ、ムーミン以外にも当時のファシズムを風刺したイラストなどを
新聞などにも掲載していた勇気あるアーティスト、ジャーナリストの1人だったのは地元フィンランドではとても有名な話です。
ムーミンのキャラクターに登場するトゥーティッキ(Tuutikki)はトーヴェの生涯のパートナーをモデルにしたとも言われ、
ミュージアムの目玉でもあるトゥーティッキの等身大模型は、博物館でも人気のある模型の一つでもあります。
このような背景を踏まえてこの美術館を訪れると、ムーミン谷のお話が実はとてもシニカルで哲学的。
ユーモアに満ちていて、大人になってからも人生の教訓ともなり得る深みのある数々の言葉たちは、
もしかしたら彼女自身の当時の経験を元に生まれた、未来の私たちへのアドバイスなのかな、と想像するに難くありません。
アジア、特に日本からの観光客も多く訪れることから、日本語を話すガイドも在中し、
日本語での案内も常備されているので、フィンランド語や英語が分からなくても臆することなく楽しむことができます。
ムーミン谷博物館時代からの目玉でもあったリアルムーミンハウス(ドールハウス)は新しいムーミン美術館でも健在。
フィンランドではドールハウスが人気なので、地元の女の子たちにも人気の作品となっています。
更に嬉しいことに、ムーミン谷博物館時代に比べてバリアフリー度が増したタンペレホールは
移動の際もスムーズで、ベビーカーや車椅子の方でもお気軽にご利用出来ます。
ミュージアムに併設されているショップは美術館のショップなので、おみやげ屋さんのように品揃えに力を入れているわけではありません。
そのため、お買い物に期待をすると少しがっかりされる方もいらっしゃるかもしれません。
こちらではむしろ、トーヴェ自身も制作に関わった展示物などをミュージアム内でじっくり観察し、ムーミンの世界観をご家族で堪能していただければと思います。
なお、2018年現在ミュージアムショップでは免税(タックスフリー)手続きは行っていないとのことです。
入場料は大人12ユーロ、子供(3〜17歳)6ユーロ、ファミリーチケット(大人2人、子供2〜4人)30ユーロ。
ヘルシンキからの行き方はヘルシンキ中央駅より特急電車で2時間。タンペレ(Tampere)駅下車、徒歩10分です。
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ジャンル美術館・ギャラリー
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エリアタンペレ
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住所
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アクセスタンペレ駅から徒歩約10分
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電話番号+358-3-2434111
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営業時間[火-金]10:00-18:00 [土・日]10:00-17:00
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定休日月曜日 (詳細は公式サイトをご参照ください。)
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予算入館料(大人) 14.5ユーロ
(7歳-17歳) 7ユーロ -
公式サイト
- 上記の記事は、訪問時点の情報を元に作成しています。訪問先の都合や現地事情により、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご了承ください。









