イタリアにはピンクやクリーム色などきれいな色合いの家々が並ぶ街や村がいくつかあります。
どこも小さな島、あるいは海と崖によってまるで島のように閉ざされた狭い地域で、
建物をカラフルに塗り分ける理由は、漁師たちが海上から我が家を見つけるためだとか。
プロチダ島にもそんな集落があります。
プロチダ島がおすすめなのは、世界遺産のチンクエテッレやヴェネツィアのブラーノ島と違って、
いわゆる観光地ではないことです。
夏は海水浴客でにぎわいますが、少しシーズンをはずせば訪れる人も少なく、
歩くにもほどよい広さで、しかも治安が良い。
ナポリから日帰りで足を延ばし、のんびり散策するのにぴったりなのです。
それなのに、チンクエテッレやムラーノ島に勝るとも劣らないかわいらしい家々と、素晴らしい景観が楽しめるのです。
そんなプロチダ島が、日本でもしばらく前から人びとに知られるようになってきました。
「イル・ポスティーノ」という映画の舞台となったからで、
今では島の名前と共に必ずこの映画の名前が出てきます。
映画の背景となる時代は敗戦直後。
けれども主人公が口にする島の「うつくしいもの」たちは、当時と少しも変わっていない、
映画が捉えた「詩」がそのまま目の前にある、これが映画ともどもプロチダ島が皆に愛されるゆえんでしょう。
ナポリから到着した港は少しさびれた感じがするかもしれません。
東に回り込むようにして、「イル・ポスティーノ」の舞台ともなった浜辺、コッリチェッラ地区を目指しましょう。
きっとどの道にも、どの界隈にも、地元の人たちの暮らしが溢れていると思います。
南に抜けると、目のなかに飛び込んでくるのは明るい光に満ちた海と家々のパステルカラー、
ペンキで模様を描かれた小舟、網をつくろう漁師の姿もあるかもしれません。
この地区では絶対にお昼を食べましょう。
安くて、美味しくて、ボリュームたっぷりの魚料理の店が軒を連ねています。
次に目指すのはサン・ミケーレ教会。
家々を背に左手の高台へと上って行きます。
しばらく行くと開けた展望台があります。
ここまで地面だけを見て登ってきて最後に振り替えるのがお勧めですが、
そんなことができる人はいないでしょう。
私が行った時は、一組のカップルが、見下ろす絶景と一体化していました。
★アクセス:ナポリ・ベヴェレッロ港より高速船で40分、フェリー約一時間。時刻表は以下から確認してください。
http://www.capritourism.com/en/ship-timetable
島内の移動にはバスや三輪タクシーも便利です。
Isola di Procida プローチダ島
おめあては島の「うつくしいもの」と魚料理
- 投稿日2015/10/23
- 更新日2015/11/30
- 上記の記事は、訪問時点の情報を元に作成しています。訪問先の都合や現地事情により、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご了承ください。