どう回る？　各地に見どころがある山口観光

北部に萩、東部に錦帯橋、西部に下関、そして中央部に県庁所在地・山口市と、大きく4つの観光エリアに分けられる山口県。限られた時間で観光するなら、広域を周遊するよりもいくつかスポットを絞って回るのが上手に楽しむコツです◎

主要都市からのアクセスは飛行機または新幹線で。県内には山口宇部空港と岩国錦帯橋空港があり、どちらも羽田空港から約1時間30分とあっという間の空旅ですよ！　県内の移動は自由自在に動ける車がベター。公共交通機関を利用する場合は、電車とバスをうまく組み合わせて回りましょう。

県内屈指の絶景名所を訪れるなら、ぜひとも角島大橋と元乃隅神社へ！　どちらも空港や駅から少し離れた日本海沿いにあるので、車でのアクセスがおすすめです。

■角島（つのしま）大橋

2000年に開通した角島大橋は、離島にかかる通行料無料の橋としては日本屈指の長さ（1,780ｍ）を誇ります。この地特有のコバルトブルーの海と、小島、橋が調和した景観は、CMや映画のロケ地に選ばれるほどの美しさ！　爽快ドライブを楽しみましょう。昼間はもちろん、夜のライトに照らされた光の道も絶景です◎

■元乃隅（もとのすみ）神社

青い海と123基の赤い鳥居のコントラストが写真映えすると人気の元乃隅神社。アメリカのテレビ局、CNNの「日本の最も美しい場所31選」に選ばれたことがあり、海外からも注目を集めています。また、鳥居の先にある「龍宮の潮吹」は、北寄りの風が吹くとき、最大30ｍの高さまで海水が吹き上がります。飛び散るしぶきが光を反射して、銀の砂をまくような光景が見られますよ！

山口県の大自然を満喫したい方におすすめなのが、県西部の秋吉台エリア。長い年月をかけて地球が造り出した、まさに神秘と呼ぶにふさわしい絶景をご覧あれ。

■秋吉台（あきよしだい）

日本最大級のカルスト台地、秋吉台。3億年前、海の中でサンゴ礁として生まれた石灰岩が長い年月をかけて現在のカルスト台地を形成しました。気の遠くなるような歳月が造り上げた絶景に目も心も奪われます…。特に無料展望台からの眺めは必見！　草花が生い茂る大草原ではトレッキングやセグウェイも楽しめますよ♪

■秋芳洞（あきよしどう）

秋吉台の地下空間に広がる大鍾乳洞、秋芳洞もまた日本最大の規模を誇り、国の特別天然記念物に指定されています。洞内約1kmの観光コースには、観音様やライオンに似た不思議な形の鍾乳石や、大迫力の黄金柱に百枚皿など見どころが満載！　地下水によって造り出された神秘的な空間を堪能しましょう。見学の所要時間は1時間ほど。足元が滑りやすいのでスニーカーで行くのがおすすめです◎

■別府弁天池

秋吉台、秋芳洞と併せてぜひ訪れてほしいのが、別府厳島神社の境内にある別府弁天池。透き通った神秘の湧水池は“日本名水百選”に選ばれており、見る角度や太陽光によって青の深みが変わって見えます。それはもう、思わず引き込まれそうな美しさ！　隣接する養鱒場ではニジマス釣りも楽しめますよ。

旅好きなら一度は訪れてみたい、“日本三○○”と名の付くスポット。山口県にある3つの名所をご紹介しましょう。

■錦帯橋（きんたいきょう）

岩国市を代表する観光名所、錦帯橋。世界でも珍しい5連の木造橋で、日本三名橋のひとつに数えられています。技巧が凝らされた構造美を橋のたもとから眺めるもよし、実際に渡って体感するもよし！　春は桜、夏は鵜飼や花火、秋は紅葉、冬は雪景色など季節の移ろいを感じられ、どの時期に行っても素敵な写真が撮れますよ♪

■瑠璃光寺（るりこうじ）五重塔

国宝に指定されている瑠璃光寺五重塔は、奈良の法隆寺、京都の醍醐寺にある五重塔と並び、日本三名塔のひとつに挙げられています。山口の基礎を築いた大内一族ゆかりの名建築で、檜皮（ひわだ）ぶき屋根の優美な姿が印象的！　時間が合えば日没後のライトアップ姿もぜひ◎

■防府（ほうふ）天満宮

学問の神様、菅原道真公を祀（まつ）る天満宮といえば、京都の北野天満宮や福岡の太宰府天満宮が広く知られていますよね。でも、実は日本でいちばん初めに造られたのは、防府市にある防府天満宮！　日本三天神のひとつに数えられています。約1,100本の梅が境内を美しく彩る2月中旬～3月上旬がベストシーズンです。

誰もが知る幕末の志士たちを生んだ萩や、白壁の町並みが美しい柳井など、今でも往時の様子が感じられるような風景が多く残る山口県。歴史に思いを馳せながら、ゆっくりまち歩きを楽しんでみませんか？

■萩の城下町

高杉晋作や木戸孝允など、名だたる志士たちを輩出した萩の町。彼らが過ごした旧宅や武家屋敷、町家、そして萩城跡などが今も残り、江戸時代に作られた地図が今でも使えるほど当時の町割りがよく保存されています。当時の賑わいを感じながら巡ってみましょう♪

■松陰神社

萩観光に欠かせない名所のひとつ、松陰神社。維新の先覚者である吉田松陰を祭神とする神社で、境内には世界遺産にも登録されている松下村塾が当時のままに残されています。そのほか、松陰の遺品などが保存されている宝物殿の至誠館や、松陰の人生を辿れる吉田松陰歴史館も必見です！

■柳井白壁の町並み

県南東部に位置する柳井は、江戸時代に商都として栄えた町。白壁の美しい古い商家が今なお残っており、重要伝統的建築物群保存地区に指定されています。郷土民芸品「金魚ちょうちん」が有名で、おどけた顔の愛らしいちょうちんが町を彩り写真映えも◎。　金魚ちょうちんをモチーフにした雑貨やお菓子も要チェックです！

およそ50の温泉地、400本以上もの源泉を有する山口県。海や山など豊かな自然環境に恵まれ、美肌効果◎の“美人湯”と呼ばれる泉質を持つ湯処が多いのが特長です。山口の名湯に浸かって、肌の汚れも日頃の疲れもスルッと落としませんか？

■長門湯本温泉【美人湯】

2020年春にリニューアルされた話題沸騰中の長門湯本温泉。人気の星野リゾートが手がける「界 長門」が開業し、川床テラス、おしゃれなギャラリー、カフェなども次々と登場！　夜間にはライトアップも実施されるなど、昔ながらの温泉街が新たな癒やし空間となっています。効能豊かな泉質はもちろんそのまま。中でも、化粧水のようなすべすべのお湯が楽しめる立ち寄り湯、恩湯（おんとう）はぜひ訪れたいところ！　美人湯と最新スポットの両方を楽しみたい方におすすめです♪

■萩温泉郷

数々の歴史的名所が残る萩の町にあり、日本海に面する絶好のロケーションの萩温泉郷。市内中心部にステキな温泉宿が複数あり、山あいにある温泉施設でも異なる泉質を楽しめるのが大きな魅力です♪　日帰りで利用できる温泉もあるので、世界遺産や史跡など見どころ満載な萩観光の合間に訪れてみては？

県中央部に位置し、山口市内や秋吉台などへアクセス抜群の湯田温泉。山口宇部空港からも車で約40分の距離なので“旅の拠点”としてうってつけです◎

湯田温泉の歴史は室町時代からと古く、激動の時代を生きた幕末の志士たちも入浴したといいます。アルカリ性の高い泉質で“美人湯”としても知られ、温泉街では全6カ所の足湯巡りも楽しめますよ♪

なお、湯田温泉駅前の大きな白狐「ゆう太」をはじめ、街の至るところには狐の像が。これはその昔、傷を癒やすために白狐が足を浸していた池から温泉が湧き出たという話に由来したものなんだとか。オリジナルの白狐グッズはお土産にもぴったりです◎

山口グルメの代表格といえば、ふぐ！　ふぐの取扱量日本一を誇る下関をはじめ、県内のさまざまな地域でふぐ料理を堪能できます。ふぐ刺し、ふぐちり（ふぐ鍋）、から揚げや薫製など、バラエティ豊かな品々を味わえるのは本場山口ならでは！

中でも気軽に新鮮魚介を楽しめると人気なのが、下関唐戸市場で毎週金曜から日曜、祝日に開催されている「活きいき馬関街（ばかんがい）」。ふぐをはじめ、市場の鮮魚を使ったどんぶりや握り寿司がズラリと並び、お寿司は1貫から購入可能。市場の活気と彩り鮮やかな海鮮グルメで気分も高まります♪

そのほか、日本海と瀬戸内海に挟まれた“海の幸の宝庫”である山口県には押さえておきたい魚介がたくさん！　春から夏にかけて瀬付きアジ、夏から秋にかけてハモ、剣先イカ、車海老、寒くなると甘鯛やアンコウなど、一年を通して県内各地で旬真っ盛りの海鮮グルメが味わえますよ。

山口自慢のグルメは海の幸だけではありません！　地元の方々に愛される名物料理にも注目です。

中でも珍しいのは、山口県のみかん生産量の8割を占める周防大島（すおうおおしま）で11～3月に味わえる「みかん鍋」！　地元産の焼きみかんと地魚のつみれ、みかん胡椒が味の決め手で、締めはふわふわのメレンゲを入れて雑炊にするのだそう。どんな味かは食べてみてのお楽しみです…♪

そのほか、熱々の瓦に盛られた麺を錦糸卵や牛肉とともに味わう「瓦そば」や、ガーリックパウダーや七味唐辛子をかけて自分好みに楽しむ「長門焼き鳥」、学校給食から生まれた人気メニュー「チキンチキンごぼう」、わらび粉を主原料とした山口銘菓「外郎（ういろう）」など、数々の“愛されグルメ”が。街の飲食店で見かけた際はぜひ食べてみてくださいね。

観光、温泉、グルメ…と山口の魅力を存分に堪能したら、旅の思い出に“その土地ならでは”のアクティビティに参加してみませんか？

人気観光地、萩に行ったらぜひとも挑戦したいのが、伝統の萩焼体験。萩焼は、古くから茶人が好む茶碗の順番として「一楽、ニ萩、三唐津」とうたわれるほどに名高く、温かみのあるデザインと優しい色味が特徴です。普段使いだけでなくインテリア雑貨としても人気なんだとか♪

窯元での萩焼体験は、絵付けやろくろ回しなど多彩なメニューから選択可能。所要時間は1時間からとお手軽で、もちろん丁寧なレクチャー付きなので初心者も安心です◎　思い出と愛着がたっぷり詰まった、お気に入りの器が完成すること間違いなし！　後日自宅に届くまでワクワクしますね。

山口県東南部、瀬戸内海に面した周南市で近年人気なのが工場夜景鑑賞！　全国有数のコンビナート群が臨海部に広がる周南市は、北九州市（福岡）や川崎市（神奈川）などと並んで“全国工場夜景都市”のひとつととして知られています。

駅から徒歩で行ける鑑賞スポットもありますが、おすすめは一度に複数のスポットを巡れる工場夜景ツアー。大迫力の工場夜景を海上から楽しめるクルーズツアーや、夜景鑑定士の資格を持つドライバーが案内してくれるタクシーツアーなど、いずれも現地を知り尽くした案内人ならではの満足度◎の内容です！　ぜひカメラを片手に参加してみましょう。さまざまな表情を見せる工場夜景に思わずハマってしまうかも…!?

新下関駅から車で県北西部を巡り新山口駅へと抜ける、盛りだくさんのモデルコース。絶景スポットも山口グルメも余すところなく楽しみたい方は車移動がベストです！

【1日目】

旅の始まりは下関。美味しい海鮮グルメを堪能したら、車で北上し角島へ。角島大橋で海の上を走り抜けるような爽快ドライブを楽しみ、気分は最高潮に！　そのまま日本海沿いを進んで元乃隅神社に立ち寄り、宿泊は今ホットな長門湯本温泉にて。ライトアップされた温泉街は写真映え抜群◎　思わずSNSにアップしたくなること間違いなし！

【2日目】

車を走らせ約15分、小さな港町、仙崎へ。人気の道の駅センザキッチンで地元グルメに舌鼓♪　施設内ではBBQも楽しめます。お土産も忘れずにGETしてくださいね。その後はまたも絶景を目指し仙崎から南下。別府弁天池から秋吉台＆秋芳洞を巡り、大自然にたくさんのパワーをもらって満喫旅を締めくくりましょう。

電車やバスを活用すれば、車がなくても大丈夫！　ひとり旅にもぴったりの史跡巡りコースをご紹介。この旅の玄関口は、山口宇部空港または新山口駅がおすすめです。

【1日目】

萩に着いたらまずは松陰神社にお参りを。松下村塾や展示品の数々を見学したら、点在する幕末志士ゆかりのスポットを順に巡っていきましょう♪　効率よく回るなら、レンタサイクルまたは循環バス「まぁーるバス」の利用がおすすめです。史跡を存分に堪能したら、萩市内の温泉でゆっくり休息を！

【2日目】

翌日は防府・山口エリアの観光名所へ。まずは瑠璃光寺五重塔をはじめ、風情ある建築が多く残る山口市内を散策。時間が許せば湯田温泉で日帰り入浴を楽しむのもいいですね。その後は学問の神様、菅原道真公を祀る防府天満宮へ。限定の御朱印帳などもお見逃しなく！

みかんの町、周防大島町に滞在するちょっと毛色の異なる女子旅モデルコース。新たな発見や感動にきっと出合えますよ♪　県東部＆周防大島町を巡るなら移動はレンタカー、発着は岩国錦帯橋空港または新岩国駅が便利です。

【1日目】

日本三名橋、錦帯橋へ。四季折々に美しく彩られる錦帯橋は、何度行っても違う表情で出迎えてくれます。城山へと続くロープウェーに乗れば、岩国城見学もセットで楽しめます♪　その後は柳井の町に移動して、江戸時代へのタイムスリップ気分を味わって。かわいい金魚ちょうちんの制作体験もできますよ！　柳井から大島大橋でつながる周防大島町に渡って、1日目は終了です。

【2日目】

翌日は広い周防大島町を観光して回りましょう。景勝地が多くドライブにはぴったりです♪　干潮前後の3時間だけ現れ、本島と真宮島（しんぐうじま）とを結ぶ海の中道は、恋愛成就のパワースポットとしても人気なんだとか。そのほか、オーシャンビューのカフェ巡り、みかん・イチゴなど旬の果物狩りなど、島内の楽しみ方は実に多彩！　時間ギリギリまで遊び尽くして帰りましょう。