信貴山大橋のバス停から徒歩約5分、境内参道にある大きな張り子の寅「世界一大福寅」で、関西ではすっかりおなじみの信貴山 朝護孫子寺(しぎさん ちょうごそんしじ)。
生駒山地の南部に位置する標高4
信貴山大橋のバス停から徒歩約5分、境内参道にある大きな張り子の寅「世界一大福寅」で、関西ではすっかりおなじみの信貴山 朝護孫子寺(しぎさん ちょうごそんしじ)。
生駒山地の南部に位置する標高437mのこの山を信貴山と名付けたのは、聖徳太子です。排仏派の物部氏との戦いの途上、この山で戦勝祈願したところ、寅の年、寅の日、寅の刻に毘沙門天が現れ、その加護によって587年に勝利をおさめたとか。そこで太子は「信ずべし、貴ぶべき山」として信貴山と名付け、毘沙門天を本尊とした寺を創建したと伝わります。また、日本で最初に毘沙門天がこの世に現れた聖地として、毘沙門天王の総本山となっています。
寺号は、10世紀の初めに醍醐天皇から賜りました。寺の中興の祖である命蓮上人の祈願によって、醍醐天皇の病が平癒したからです。こうした話が伝わるように、ご本尊の毘沙門天は、心願成就、開運招福、商売繁盛、金運如意のご利益があると、信仰を集めています。
大きな福寅が見上げる本堂は、舞台造りで眺望も抜群。大和平野を望むことができます。この本堂でお参りした後、ぜひ体験したいのが戒壇巡り(100円/受付9:00〜17:00)。約800年前に納められたという如意宝珠が祀られている本堂階下の回廊を巡るのですが、そこはまったくの闇の世界。手で触れる壁だけを頼りに足を進め、仏像にお祈りした後、如意宝珠が納められた部屋の錠前を手探りで触れられれば、心願成就できるとか。光が一切ない、闇の世界を体験するだけでも価値ありです。
また、霊宝館(大人300円、小人200円)に展示されている国宝「信貴山縁起絵巻」も必見。この絵巻の「飛倉の巻」に描かれているのが命蓮上人の奇譚。上人が法力で空鉢をふもとの民家に飛ばしては托鉢していたところ、ある強欲な長者はこの鉢を倉に投げ込んで捨て置くと、鉢が倉を乗せて信貴山に飛び帰ったとか。その説話ゆかりの場所が空鉢護法堂です。本堂脇の水屋から30分ほど、山道を上った山頂にあります。かなりの急勾配ですが、心願成就のご利益を願う人が息を上げながら次から次へ山頂を目指す、穴場スポットです。