広島県福山市に位置する明王院(みょうおういん)は、真言宗大覚寺派の由緒ある寺院。本堂は和様で、細部に唐様を用いた折衷様式となっており、この様式としては現存する最古の建物です。鎌倉時代に建立された本堂と室町時
広島県福山市に位置する明王院(みょうおういん)は、真言宗大覚寺派の由緒ある寺院。本堂は和様で、細部に唐様を用いた折衷様式となっており、この様式としては現存する最古の建物です。鎌倉時代に建立された本堂と室町時代に建てられた五重塔は、いずれも国宝に指定されています。
その歴史は平安時代までさかのぼり、807(大同2)年に弘法大師によって開かれたと伝えられています。近くの草戸千軒と呼ばれる港町がにぎわった影響もあり、本堂の再建や五重塔が建立されるなど西国屈指の寺院になりました。福山藩主の祈願寺としても重要な役割を果たしてきたこの寺は、歴史の重みを感じる場所です。
四季折々の美しい自然にも恵まれており、春の桜や秋の紅葉が境内を彩る風景は特に見応えがあります。