熊本県は日本有数の“石橋王国”で、県内には数多くの石橋が点在しています。現存する石橋の数は約320基。その代表格ともいえるのが、山都町にある国の重要文化財に指定された通潤橋(つうじゅんきょう)です。
熊本県は日本有数の“石橋王国”で、県内には数多くの石橋が点在しています。現存する石橋の数は約320基。その代表格ともいえるのが、山都町にある国の重要文化財に指定された通潤橋(つうじゅんきょう)です。
通潤橋は、江戸時代に造られた国内最大級のアーチ式水路橋。橋の長さが75.6m、高さが20.2m、幅が6.3mあります。下から見上げたり、橋の上に立ってみたりすると、スケールの大きさを体感できます。柵がないので、橋を渡る際はあまり端に寄りすぎないように。
通潤橋といえば、橋から水が豪快に吹き出す光景で有名。橋の中に通水管があり、「通潤用水」と呼ばれる水路の一部になっているのですが、この放水には大事な役割があります。
通潤橋ができたのは江戸時代末の1854(嘉永7)年。深い谷に囲まれ、水不足に悩まされていた白糸台地の農民たちを救うために、地元、矢部の惣庄屋である布田保之助(ふたやすのすけ)が通潤橋の架設を計画。水が勢いよく流れる水圧で通水管が壊れないよう試行錯誤を重ね、約1年8カ月かけて造られました。
通潤橋から6km離れた笹原川の上流から引いた水は、通潤橋を通って白糸台地に届けられます。放水は、通水管のゴミなどを取り除くために行われるのです。水路は今もなお現役で、約100haの水田を潤しています。放水日時の予定は、通潤橋Webサイトの放水カレンダーでチェックできます。