全国各地の諏訪神社の総本社である諏訪大社。日本で最も古い神社のひとつと言われ、その名前は古事記や日本書紀にも登場します。二社四宮から成り立っており、上社本宮と前宮は諏訪湖の南に、下社春宮と秋宮は北に鎮座。中
全国各地の諏訪神社の総本社である諏訪大社。日本で最も古い神社のひとつと言われ、その名前は古事記や日本書紀にも登場します。二社四宮から成り立っており、上社本宮と前宮は諏訪湖の南に、下社春宮と秋宮は北に鎮座。中でも下社秋宮は下諏訪の温泉街に近く、賑わいを見せます。
入口から進むとまず目に入る巨木は樹齢700~800年の「根入りの杉」。説明札には「子供にこの木の小枝を煎じて飲ませると夜泣きが止まる」と書かれています。
しかしこちらは御神体とは別物。秋宮の御神体はイチイの木で、社殿の裏側、最奥部に立っています。
諏訪大社の他のお社と同じで、秋宮も本殿はなく、入口正面にあるのは神楽殿です。その前面には高さ1.7mもの大きな狛犬が2匹並んでいますが、この狛犬は青銅製のものとしては日本最大を誇るそう。神楽殿の裏には同じく国の重要文化財に指定されている幣拝殿、片拝殿等があり、その四隅に立つのが御柱(おんばしら)です。
この柱は7年に一度、寅と申の年に実施される「御柱祭」で新しく切り出したモミの木の柱に取り替えられます。山から下ろし、はるばる各神社へと人力で運搬しますが、その人数は優に1000人を超えるとか。
半年ごとには遷座祭も行われ、2月1日には秋宮から春宮へ、8月1日にはその逆へと御霊代(みたましろ)が移動します。建替時に同じ図面で造られた春宮と秋宮の社殿は、構造こそほぼ同じものの、立川流と大隈流という異なる流派により競いながら建造されたもの。特に彫刻にはその違いが大きく出ており、秋宮拝殿内部の彫刻「竹に鶴」は立川和四郎初代富棟の代表作とされています。