今でこそベトナムはひとつの国家だが、19世紀前半までは大きく2つの国に分かれていた。
ベトナムの中部から南部までを支配していた国が、「チャンパ王国」。
実はこの王国は、1832年に現在のベトナムの前身であるグエン王朝に吸収されるまで、
192年から16世紀もの長きに渡って存在していた。
世界でも最も長く続いている国は実は日本であり、二位はデンマークなのだが、
チャンパ王国がまだもし存在していればダントツの二位だったのだ。
ミーソン聖域は、そんなチャンパ王国において大切に守られつづけてきた聖域なのである。
アンコールワットを訪れたことがある人は、ミーソン聖域の遺跡を見ると、
非常に似通ったデザインに驚くかもしれない。
それもそのはず、チャンパ王国はヒンドゥー文明の流れを汲んでおり、
遺跡の至るところにシヴァ神などのヒンドゥー教の神々のレリーフを見ることが出来る。
アンコールワットほどこそ大規模ではないが、こうして離れた場所に同様の文化があるということに、
ヒンドゥー文明の影響の大きさを感じることが出来るだろう。
敷地内には屋根付きの舞台があり、定期的にチャム族の伝統舞踊が披露される。
こちらのチャム族、チャンパ王国の血筋を引き継ぐひとびとで、
現代ではベトナムの少数民族として暮らしている。
ミーソン聖域の訪問をきっかけに、ベトナムとチャンパ王国の歴史を紐解いてみてほしい。
また、ダナン市内にある「チャム彫刻博物館」には、ミーソン聖域から出土した多くの彫刻が展示されている。
訪問前に調べるとより楽しめるだろう。
ミーソン聖域は、ダナン市街地から車で一時間ほど。入場料は15万ドン(執筆時点で780円程度)。
My Son Sanctuary ミーソン遺跡(ミーソン聖域)
チャンパ王国の隆盛を今に伝える聖地であり世界遺産
- 投稿日2015/11/05
- 更新日2015/12/01
失われた王国の聖域へ時空を超えた旅
- 投稿日2015/09/24
- 更新日2015/11/30
ホイアンから車で約1時間、密林に囲まれた聖なる山のふもとにヒンドゥー教のシヴァ神を祭った、
チャンパー王国の聖地「ミーソン聖域」には、70を超える煉瓦造りの塔が静かにたたずんでいます。
ここは2〜17世紀頃まで海上交易で栄えた、今も謎が多く残るチャンパ王国の聖地。
ヒンドゥー教のシヴァ神を主神とするインドとクメールの影響を受けた、
7世紀から13世紀に建てられたレンガ造りの祠堂が残されています。
祠堂は焼成レンガを接着剤を使わずに積み上げ、屋根はレンガを少しずつずらしながらアーチ状に積んでいます。
壁面にはアプサラ(天女)が施され、建築技術からも、当時のチャンパ王国の発達した文化が見て取れます。
また、祠堂内にはヒンドゥー教で見られる男性の性器を象るリンガと女性の性器を象るヨニが祀られています。
遺跡群は、ベトナム戦争時代に民家の集合と間違えられて爆撃され、多くが破壊されてしまいます。
それでも、石像や壁に施されたアプサラの彫刻は今も残っています。
そんなミーソンは、1999年世界遺産に登録されました。
海のシルクロードで隆盛を極めたチャンパ王国の言語はオーストロネシア系言語。
(主に南洋の島々、マダガスカル、南はニュージーランドまで広がった語族)
聖域内には、古代チャム文字の碑文が残されていますが、今のところ確実に読める人がなく、解読できなそうです。
遺跡内の特設ステージでは、一日3回ちょっぴり妖艶なチャム舞踊ショーが開催されます。
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ジャンル史跡・遺跡 世界遺産
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エリアズイ スエン
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住所
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アクセスホイアン市場から車で約60分
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電話番号+84-235-3731309
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営業時間6:00-17:00
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定休日無休
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予算入場料(一般) 150,000ドン
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公式サイト
- 上記の記事は、訪問時点の情報を元に作成しています。訪問先の都合や現地事情により、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご了承ください。








