ビランは、1つのことを除けば、キューバの単なる片田舎の町に過ぎません。サンティアゴ・デ・クーバの西方、車なら約1時間半のところにある、この町を有名にしたのは、ラモン(長男、農民)、フィデル(次男、前国家評議会議長)、ラウル(三男、現国家評議会議長)のカストロ3兄弟(その他4姉妹)の生家があるからです。
父親、アンヘル・カストロは、スペインのガリシア人で、1895年にキューバへ移民。鉄道工夫やサトウキビ農夫をやりながら、次第に頭角を現して、1万ヘクタールという大農園、マナカス農場主にまで伸し上がった立志伝中の人物。同じガリシア人を先祖とするキューバ人の母親、リナ・ルス・ゴンザレスの間に、マナカス農場で3兄弟を授かったのでした。
大農場だけに、カストロ兄弟の生家は、屋敷というより、むしろ町。従業員とその家族のために、郵便局に幼稚園、小学校、病院、バー、映画館、闘鶏場。はたまた客用のホテル(現在はカフェテラス)までが、敷地内に設けられています。
現在は記念施設として、一般公開されており、見どころは母屋に残るフィデルが生まれたベッドや産湯を浴びたバスタブ、母親が愛用した1918年製のフォード、そして屋敷の随所に飾ってあるカストロ一族の家族写真でしょう。
フィデルとラウルはこの家を出て、ハバナ大学在学中から革命運動に身を投じることになります。2人の革命家と大農園である生家、そのアンバランスの中に、キューバ革命が問いかける、もう一つの意味が見えてくるかも知れません。
Finca Las Manacas, Birán, Holguin
Biran ビラン
2人の革命家を生んだ、大農園のカストロ・タウン!?
- 投稿日2016/03/24
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ジャンル博物館・ミュージアム
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エリアビラン
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住所
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営業時間[火-土]9:00-15:30, [日]9:00-noon
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定休日月曜日
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