21歳の時にスペインからキューバへ移住して、後に大統領の法律顧問を務めた、トマス・フェリベ・カマチョが、蘭が好きで早逝した娘を偲んで、1943年に造園を開始したのが、ソロア欄園です。
ハバナから西に約90km、車で約1時間のシエン・デル・ロサリオ生物保護区内にあり、広さは約3万5000平方m。海抜約250mの、雨の多い谷間に展開しています。
園内には約700種類の蘭が1年中、咲き誇っており、その内の約130種類がキューバ固有の種。中には世界最小の蘭をはじめ、虎柄模様やチョコレートの香りを放つ品種等、珍しい花も含まれています。
この蘭園には、一人の日本人が深くかかわっています。1931年に留学のために渡米する途中、キューバで病に倒れ、この国で一生を終えることになる竹内憲治です。
もともと園芸・農業に素養があった彼は、アメリカの大財閥、イレーネ・デュポンに庭師として雇われ、バラデラにあるデュポンの別荘の庭園を手掛けました。1950年には、キューバ独立革命の英雄、ホセ・マルティと命名した百合の花を栽培して名声を博します。竹内はソロアでも辣腕を発揮して、蘭の育成はもちろん、害虫や病気の研究、そして予防法を考案して、偉大な業績を上げたのです。
現在でも、園内の一画にその研究施設が残っています。また、後輩達によって、様々な蘭研究が継承されています。
彼は1977年にキューバで76年間の生涯を閉じましたが、フィデル・カストロは彼を亡き友と慕い、日本人としての美徳の全てをキューバへの奉仕に捧げたと追悼しました。
Carretera a Pinar del Rio Cuba
☎ +53・48・522848
営業時間 8:00〜17:00 無休 入園料は3CUC(約350円)
Orchideen Garten ソロア蘭園
池上和徳
(DTACキューバ観光情報局代表)
キューバに移住した2人の男の人生が、花を咲かせた!
- 投稿日2016/03/24
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ジャンル植物園・庭園
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エリアソロア
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住所
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アクセスホセ・マルティ国際空港から車で約75分
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電話番号+53-48-522848
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営業時間8:30-16:30
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定休日無休
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