明日香村の北部に、こんもりとした姿を見せる甘樫丘(あまかしのおか)。
標高148mの頂上にある甘樫丘展望台からは、田園の中に集落や史跡が点在する明日香村や、橿原市の大和三山、さらに天気がよければ、生駒
明日香村の北部に、こんもりとした姿を見せる甘樫丘(あまかしのおか)。
標高148mの頂上にある甘樫丘展望台からは、田園の中に集落や史跡が点在する明日香村や、橿原市の大和三山、さらに天気がよければ、生駒山や二上山、葛城山、金剛山系まで眺められます。春には、眺望とともに桜も楽しめる人気スポットです。
丘陵一帯は、国営飛鳥歴史公園甘樫丘地区として整備され、甘樫丘展望台のほか、周囲の山や史跡の場所がわかる銅板が設置された川原展望台や、万葉集などの古典にうたわれている植物40種類が植えられた全長2.3kmの散策路もあります。植物のそばには質問プレートがあり、クイズに答えながら植物名を学べるので、近隣の小学校の遠足や野外学習にも利用されています。
万葉集にも登場している甘樫丘ですが、日本書紀では、644(皇極天皇3)年の冬11月に、蘇我蝦夷・入鹿父子が家を甘樫丘に並べ建つという記述もあります。この蝦夷の家を上宮門(うえのみかど)、入鹿の家を谷宮門(はざまみかど)と呼んだとか。実際に甘樫丘東麓遺跡の発掘調査で、7世紀半ばの焼土層から大量の土器片や焼けた壁土、7世紀代の掘立柱建物の遺構などが見つかり、蘇我氏の邸宅の可能性が高いといわれています。