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  • 本堂正面に向かって右手に講堂、左手に金堂が立つ
  • 鎌倉時代に再建された入母屋造の金堂(重文)
  • 阿弥陀如来と妙幢菩薩を安置する講堂(重文)も鎌倉時代再建
  • 手前の西塔は平安時代初期、奥の東塔は天平時代に建てられ、ともに国宝
  • 仁王様こと金剛力士像がにらみをきかせている東大門
  • 現在は敷地外にある薬師堂(重文)だが、かつてはこのあたりも境内だった
  • 白鳳時代に作られ、現存する石燈籠としては日本最古級(重文)

當麻寺

概要

681(白鳳9)年、當麻寺は、弥勒仏を本尊として現在の地に創建されました。その後、823(弘仁14)年に空海がここで参籠したことから真言宗となり、さらに浄土信仰の霊場にもなったことから浄土宗も併立する寺院と
681(白鳳9)年、當麻寺は、弥勒仏を本尊として現在の地に創建されました。その後、823(弘仁14)年に空海がここで参籠したことから真言宗となり、さらに浄土信仰の霊場にもなったことから浄土宗も併立する寺院となっています。

當麻寺といえば、中将姫(ちゅうじょうひめ)の伝説で知られています。もともとは名家藤原家の姫君だった中将姫ですが、幼いころに母を亡くし、不遇の時期を過ごした後、763(天平宝字7)年にこの寺で出家しました。その際、一晩で縦横一丈五尺(約4.5m)の蓮糸曼荼羅を織り上げたという伝説が広く伝わり、多くの参詣者を集めたのです。それが現在、本堂(曼荼羅堂)に本尊としてまつられている當麻曼荼羅(国宝)です。後に當麻寺が浄土信仰の霊場となったのは、まさにその伝説によるものだったのです。

なお、かつての本尊であった弥勒仏(白鳳時代・国宝)は、四天王像とともに金堂に安置されています。四天王像のうち多聞天のみ鎌倉時代作で、持国天、増長天、広目天は白鳳時代に作られ、いずれも重要文化財です。金堂の北にある講堂には阿弥陀如来像(藤原時代・重要文化財)が安置されています。

内陣が天平時代、外陣が平安時代末期築で国宝の本堂をはじめ、建物も貴重な文化財ぞろい。本堂、金堂、講堂の伽藍三堂は、内部拝観が可能で、拝観料は大人500円、小学生250円です(変更期間あり)。

境内には、三堂のほか、塔頭も点在し、西南院、護念院、中之坊、奥院の四院では、四季の草花も楽しめる名園や各院所蔵の貴重な文化財などを拝観(別途有料)することもできるので、見どころはいっぱい。とくに、4月中旬〜5月初め頃のボタンや11月の紅葉などの時期は、国宝の東塔、西塔の姿とともに美しい風景に心が洗われるようです。

そんな當麻寺の境内を多くの人で埋め尽くすのが、練供養が行われる4月14日。中将姫の供養のために11世紀に始まったと伝えられ、中将姫を迎えるためにやってきた二十五菩薩が西方浄土へと帰っていく行列は圧巻です。

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