「耳なし芳一」や「雪女」など、民間伝承を再話によってまとめた『怪談』などの著者として知られる小泉八雲。ここ「小泉八雲記念館」は、彼の遺愛品や著書などが展示されている施設で、八雲の曾孫、小泉凡氏が館長を務めて
「耳なし芳一」や「雪女」など、民間伝承を再話によってまとめた『怪談』などの著者として知られる小泉八雲。ここ「小泉八雲記念館」は、彼の遺愛品や著書などが展示されている施設で、八雲の曾孫、小泉凡氏が館長を務めています。
アイルランド人の父とギリシャ人の母を持ち、幼いころにさまざまな国へ移り住んでいた八雲は、日本文化や『古事記』に出合ったことで日本に興味を持ち、1890年に来日。
本名はパトリック・ラフカディオ・ハーンで、八雲の名は1896年に帰化する際、『古事記』に出てくる最初の和歌の枕詞に因んでつけられたものです。当時の西洋人としては珍しく、日本への偏見を持たず、好意的な視点から当時の日本を広く世界に紹介した、八雲の開かれた精神を垣間見ることができます。
館内1階には、八雲の生涯や業績、思考の特色を紹介する展示物や、本人が再話した山陰地方の怪談が聞けるコーナーがあります。東京の書斎を再現した部屋には、愛用の机と椅子を展示。16歳の時に左目を失明し、右目も強度の近視だった八雲が、どのようにして原稿を書いていたかを想像することができます。
ほかにも、八雲が愛用していた日本のきせるのコレクションから、松江の中学校の英語教師になる際に島根県知事と交わした条約書、神戸で帰化手続きをした際の戸籍謄本、妻のセツ手書きの英単語帳まで、数々の展示品が見られます。