ワンランク上を行くユースホステル
- ライター栗原 薫さん
- 投稿日2015年03月23日
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4番トラムの乗り場から50メートル
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24時間対応のレセプション
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客室は最低限の設備だが
かつては長期旅行者の定番だったユースホステル(YH)も、その利用者数は世界的に減少傾向にある。門限があったり、立地条件が悪い、大部屋での他人の干渉がわずらわしい、などがその主な理由だ。そうした中、このユーロホステルには1990年の開業時から人気を博し、現在に至るまで利用者の途絶えることがない。
その最大の特徴は開設当初からシングルルームを提供したことにある。ユースといえば大部屋に二段ベッドが詰め込まれているのが常識だったころに、ユースを超えたユースとしてデビュー。加えて毎日24時間オープンの受付、アルコールも飲めるレストラン、明るく広い客室など、ホテル並み水準のサービス・設備で迎えたことが支持された。同時に自炊用キッチン、コインランドリーは基本装備として、他の宿泊客との交流を図れるロビーも広々としており、ユース本来の魅力も併せもつ。
もちろん宿泊料金も格安。シングルルームが約40ユーロ。3人部屋なら一人20ユーロ弱から。国際学生証(ISIC)もしくはユースホステル会員証提示で10%引きになる。相部屋でも、鍵付きのロッカーがあるので安心だ。液晶TVつきの個室もある。ブフェスタイルの朝食は8.8ユーロ。朝の出発が早い場合には、前夜に朝食パックにしてくれる。Wi-fiは有料だが、1日2ユーロ。
立地条件の良さも見逃せない。ヘルシンキ市東部の出島、カタヤノッカ(Katajanokka)の真ん中にあり、中央駅から歩いても約20分。4番トラムに乗れば10分弱でホステルに隣接した停留所(Vyökatu)に着く。最寄りのスーパーマーケットは300メートルほどなのも自炊派にはうれしい。
若者が集って騒々しいときがあったり、トイレ・シャワーが共同など、ユースの特徴が気になることもあるだろうが、それもまた楽しめる人にお勧めしたい。