元刑務所に泊まる特別なホテル体験
ライター 松本 由美さん
投稿日 2015年02月18日
左右の独房が客室に
スタッフのユニフォームも囚人風
シンプルで快適な客室
ちょっと変わったホテルに泊まってみたいと思っているなら、おススメのホテル。 2007年にオープンしたホテル カタヤノッカは、もともと刑務所だった場所なのです。 カタヤノッカ・クラウン・プリズン(刑務所)の歴史は、1749年までさかのぼります。 そのころの建物はとても小規模でしたが、その後増築され現在ホテルとして使われている建物の規模になりました。 この建物が刑務所だった頃の様子は、ホテル内のあちこちで見られます。 当時の内装をできるだけ残して、ホテルとして、滞在客が快適に過ごせるように改築してあるのです。 例えば、客室には、刑務所時代の窓が残っています。 しかし、それだけでは暗いので、さらに新しい窓を加えているといった具合です。 刑務所内の2階に造られたチャペルは、現在もホテルの会議室、ウェディングホールなどに使われています。 ホテルの入り口を入ってすぐ、レセプションの手前のショーウィンドーに展示してある、 おみやげの、番号が入った囚人服も、このホテルならではという感じがします。 また、刑務所時代には、普通の囚人に加え、政治的な罪に問われて収容されていた政治家も多く、 フィンランド第5代大統領、リスト・リュティもその一人。 彼が収容されていた部屋は、現在プレミアルームになっています。 ところで、2002年に新しい刑務所が、ヘルシンキ空港のあるヴァンター市に建設され、 カタヤノッカの囚人たちは、そちらに移送されることになったのですが、 なんと囚人たちがそれに反対したというエピソードがあります。 カタヤノッカという独特で素敵な雰囲気が、囚人たちもお気に入りだったようです。 そんなカタヤノッカ地区は閑静な場所です。 さらに、ホテルの敷地の周りを囲っているレンガの壁のおかげで、静かな環境が楽しめます。 ホテルの目の前に、トラムの4番も止まりますし、歩いて15分ほどで、シティーセンターに行くこともできます。 お隣の国スウェーデンのストックホルムやエストニアのタリンに行くフェリー乗り場も、すぐ近くです。
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