パステルカラーのコロニアルな建物の前を、クラッシックカーが颯爽と走り去る。葉巻の煙とジャズが漂う街で、20世紀初頭という時代に飲み込まれるように散策する・・・
キューバの首都ハバナにあるのは、整備された美しさではなく、使い込まれた美しさ。生活感のある街の色は、旅人の心を震わせることでしょう。
旧市街のオビスポ通りは、観光客と地元っ子が行き交う中心部。ヘミングウェイがよく通ったバーもこの通りにあります。一歩脇道へ入ると、活気溢れる生活エリア。大声で果物を売る屋台があったり、道端で車を修理する人がいたり…観光地だけでなく、たくましい人々の生活も、ハバナを訪れたなら観ておきたい風景です。
但し、親切な人々にまぎれて、外国人を騙そうとする人がいるのも事実。「奥さんがサルサの先生なんだ、今日は大きなパーティーがあるからチケットを買わないか?」「君が予約しているカサは今日オーバーブックだから、俺の友達のカサを紹介するよ」手口は様々です。気を抜かない事も旅には必要です。
また、青い海には少し不似合いですが、ハバナにはフェルサ要塞、モロ要塞、カバーニャ要塞などのいくつかの要塞が残っています。その様子から、カリブ海の島々の中でもここハバナは長い歴史の中で欧州諸国にとっていかに重要だったかが伺えます。今では町が一望でき、景色も楽しめるスポットとして人気です。
Old Havana オールド ハバナとその要塞群
古き良き時代に迷い込む 世界遺産ハバナを散策
- 投稿日2016/03/24
強固な要塞に守られて、様々な様式の建造物が煌めき合う!
- 投稿日2016/03/24
ハバナの創建は、1519年。都市名はこの地を支配していたタイノ人首長、ハバナグアネスから命名されました。スペインと中南米の国々の貿易中継地として栄え、1553年にはスペインの総統府が、東部のサンティアゴ・デ・クーバから移され、現在に至るまで首都となっています。
カリブの富が集積するハバナは、イギリスやフランスの海軍のみならず、カリブの海賊たちの格好の標的となり、襲撃が繰り返されました。そこで、スペインはハバナの守りを強固にするため、湾の両岸にプンタ、フエルサ、モロ、カバーニャの要塞を次々に設け、カリブ海最強の防衛線を築いたのです。
こうした要塞群に守られて、ハバナ旧市街は繁栄を極めます。
欧州の影響を受けたバロックやネオクラシック、コロニアル、アールデコ様式、米国から伝わったモダニズムと、時代時代が生んだ数々の建築物が、煌びやかさを競っています。まさにスペインやアメリカを後ろ盾にして繁栄した、ハバナの豊かさが息づいているのです。
こうした建物が立ち並ぶ路地を、馬車や輪タク、1940〜50年代のアメ車が走り回り、時代感覚を失いそうな錯覚に陥ります。
代表的な建物としては、1555年の創建で、1704年に再建されたバロック建築のカテドラル、同じバロック様式で、1838年に創建されたガルシア・ロルカ劇場、1776年に建てられたと伝わる、スパニッシュ・コロニアル様式の旧総督官邸(現市立博物館)、同様な様式の旧大統領官邸(現革命博物館)、米国の国会議事堂を真似て建造したカピトリオ(旧国会議事堂)等々と、枚挙に暇がありません。
ハバナ旧市街とその要塞群は、1982年に、世界文化遺産に登録されました。
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ジャンル世界遺産
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エリアハバナ
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住所
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公式サイト
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