マルサシュロックは、南東に位置するマルタ最大の漁村です。湾岸に出てまず目を引くのは、赤、青、緑、黄色で塗装された鮮やかなボート。マルタ島の象徴とも言われる漁船「ルッツ」の伝統は、フェニキア時代にまで溯ります。漁の安全を祈願するため、ルッツの船首には魔除けとして「オシリスの目」が描かれています。
マルタで消費される大半の魚介類はマルサシュロック湾から上がってきたものです。ソードフィッシュ(カジキ)、シーブリーム(鯛の一種)、ランプキ(シイラ)などがポピュラー。シーフードを専門にしたレストランはマルタにたくさんありますが、マルサシュロックの店の魚は特に新鮮です。
湾自体はそれほど大きくないので、1時間もあれば端から端までゆっくり散策できると思います。網の修理をしている漁師さんを見かけたら、ぜひ声をかけてみてください。マルタの漁業事情について親切に詳しく教えてくれますよ。
ここのもう一つの見どころは、湾沿いに軒を構えるマーケットです。毎週日曜日に開催されるサンデーマケットでは、新鮮な魚介類をはじめ、あらゆる食材、衣料品、マルタの工芸品、日用品等が販売されています。マルタ人もマルサシュロックのサンデーマケットが大好きです。マルタ人は日曜日に家族が集まって食事をするのが習慣なので、海沿いのレストランは和気あいあいとした雰囲気になります。
私がマルタに住み始めた5年前と比べても、マルサシュロックはだいぶ観光地化されました。特に日曜日は年中混雑しますので、ゆっくり散策されたい方は平日をおすすめします。バスで行く際は、バレッタより81番か85番バスに乗ってください。所要時間は約40分です。
Marsaxlokk マルサシュロック
後藤 知子
(写真家、ライター、日英通訳・翻訳者)
漁獲量トップのマルサシュロックでシーフードとマーケット巡りを満喫
- 投稿日2016/10/19
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