ホメロスの長大な叙事詩「オデュッセウス」に出てくるシレーンたちの住処であったと云われる島、カプリ島。ローマ皇帝アウグストゥス、ティベリウス、カリグラらも住まった島で、その後も現在に至るまで、多くの著名人・文化人らに愛されている、風光明媚な島です。
島の名前「カプリ」は、ギリシャ語「カプロス Kàpros(イノシシの意)」もしくはラテン語「カプレー Capreae(ヤギの意)」から由来するそうです。
ナポリから海上約30キロ南に位置するカプリ島は、カルスト地形で、海岸線は洞窟や入江でギザギザ。数ある洞窟は、ローマ帝国時代に造られたヴィッラの庭園などの噴水に利用されたりしたそうです。中でも「青の洞窟」※ は、その美しさで世界的に有名ですね。カプリに滞在したローマ皇帝ティベリウスは、私的プールにしていたともいわれています。
※ 青の洞窟見学は、天候に、それも分単位で左右されます。
島は東側が「カプリ Capri」、西側は「アナカプリ Anacapri」と呼ばれる2つの街からなり、面積約10kmの小さな島ですが、驚く程の見所が詰まっています。
波や風で出来た自然のアーチ「アルコ ナトゥラーレ(ピッツォルンゴ)」、3つの巨岩、シレーンの岩礁などを見渡せる展望台「ベルヴェデーレ カンノーネ」、詩人リルケも愛でた「フォルティーニの小径」、ジェノヴァの次に大きな灯台がある岬「プンタ ディ カレーナ エ ファーロ」。また、訪問可能な教会が12もあり、その中でも聖ミケーレ教会 Chiesa di S.Micheleはアダムとエバの地上の楽園をマヨリカ焼きで描いた床面で有名。また、ヴィラ・ジョヴィスの廃墟の上に建立されたサンタ・マリア・デル・ソッコルソ教会 Chiesa di Santa Maria del Soccorsoから臨む海は正しく絶景で、是非とも訪れたいものです。
その他、サン・ジャコモ僧院 Certosa di S.Giacomo や、カーザ・ロッサなども必見でしょう。
食べ物はもちろん海の幸。そしてレモンの産地としても有名なカプリ島は、レモンリキュール「リモンチェッロ」の製造でも名が通っています。キンと冷えたリモンチェッロを、食事の最後にグッと飲み干すのは堪りません(かなり甘いので、良く冷えていないと美味しくありませんので要注意)。
島へは、ナポリのベヴェレッロ港、メルジェッリーナ港から高速船で約40分、フェリーで1時間半で、島の北側「マリーナ・グランデ Marina Grande」に到着します。ソレント、イスキア島からの往復船もこちらから発着します。
島内の移動はバスやタクシーが便利でしょう。
バスは、カプリーアナカプリ、カプリーマリーナ・ピッコラ、カプリーマリーナ・グランデ(フニコラーレ)間のそれぞれの往復ラインが、ほぼ15分毎にあります。
Isola di Capri カプリ島
優・トロペーア
(現地在住ブロガー、フリー音楽家)
シレーンたちの島
- 投稿日2015/10/05
- 更新日2024/02/08
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ジャンル島
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エリアカプリその他
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住所
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アクセスナポリのベヴェレッロ港、メルジェッリーナ港から高速船(水中翼船)で約40分、フェリーで約1時間半
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電話番号+39-081-8382067
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