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ナポリ (イタリア) 観光の現地クチコミ

現地のプロ(5人)詳細

Villa Jovis ヴィラ ヨヴィス

竹川 佳須美 (現地専門旅行会社代表)

皇帝が愛した島 -- カプリ島/ティベリウス帝の別荘

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カプリ島の魅力が青の洞窟だけでないことは、一部の人々にはよく知られています。
観光で訪れるだけでは飽き足らず、住みついてしまう人もいます。
そんな一人が、19世紀のスウェーデン人医師・作家であるアクセル・ムントです。
ムントが改築したアナ・カプリのヴィラ・サン・ミケーレは、
元は古代ローマ時代にティベリウス帝が建てた別荘でした。

なんと二千年前から、カプリ島は人気の別荘地だったのです。
先駆けとなったのは初代皇帝アウグストゥス。
カプリ島が気に入り、隣のより大きな島イスキアとカプリ島を交換し、皇帝所有地とします。

二代目皇帝となったティベリウスは島の西のはずれに広大な邸宅を設けます。
日本のガイドブックではこのヴィラを「ティベリウス帝の別荘」と記載していますが、
厳密にはティベリウス帝が建てた12のヴィラのうちの「Villa Jovis」(Jovis=ジュピター)です。

7000平方メートルにも及ぶヴィラに「別荘」という呼び名は似合いません。
ヴィラは邸宅という意味ですが、Villa Jovisはむしろ宮殿と呼ぶ方がふさわしいでしょう。
実際ティベリウスは皇帝の任にあった紀元14年から37年のうち後半生の10年ほどをカプリ島に暮らし、
この「別荘」から広大なローマ帝国を統治したのです。

もちろん、政治の中心は元老院のあるローマです。
にもかかわらずティベリウスは、インターネットも電話もテレビもない時代に、
帝国統治の数々の指令をこんな小さな島から発信していたのです。

崩れた石積みが残るだけの遺跡に華やかな宮殿の面影をたどるには、少しばかり想像力が必要かもしれません。
それでも、「別荘」に至る花々が咲き乱れる小道や、眼下に眺める白い波が泡だつ海や、
頭上を我が物顔に飛び回っているカモメたちは、2000年前と同じです。
今も徒歩でしかアクセスできないのですが、Villa Jovisへ至る道は溜息が出るほど美しい。
イタリアで一番美しい散歩道だと、ひそかに思っています。

★アクセス:ナポリ・ベヴェレッロ港より高速船やフェリーでカプリ島マリーナグランデまで40分~一時間。時刻表は以下から確認してください。
http://www.capritourism.com/en/ship-timetable
到着後、正面にあるケーブルカー(フニコラーレ)でウンベルト1世広場へ。ヴィラヨヴィスまで徒歩45分。

  • 上記の記事は、訪問時点の情報を元に作成しています。訪問先の都合や現地事情により、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご了承ください。