1. 旅行比較サイト トラベルコ
  2. 海外旅行
  3. 海外現地クチコミ
  4. 台南(台湾)グルメ
  5. 街役場古蹟餐坊の現地クチコミ
オリコン顧客満足度®2年連続1位に続き、マイベストアワード2025で最優秀賞を受賞 [プレスリリース]
台南 (台湾) グルメの現地クチコミ

現地のプロ(10人)詳細

Historical Township Office Restaurant 街役場古蹟餐坊 チエイェチャングージーツァンファン

トルヨコ (ガイドブック編集人)

昔の町役場がそのままレストランに

  • 台湾料理がおいしい
  • 穴場
  • 地元っ子に人気

他の写真も見る(全7枚)

この小さな劇場のような建物は、1934年(昭和9)、日本統治時代に成立したばかりの台南州新化郡の役場(新化街役場)として建てられた建物です。新化は台南市街から10kmほど離れた郊外の小さな町です。建物正面の円弧状のエントランスや円盤を重ねたようなデザインの円柱は、他には見られないユニークなデザインですが、当時ヨーロッパやアメリカで流行したアールデコの影響を受けているといわれます。建材として使われている溝の入ったタイルは台北の台湾大学校舎の建築で使われたものと同一のもので、屋根瓦も当時の最新技術で焼かれたものでした。

昭和初期の田舎町だったところにこの建物が建った時には、さぞかし珍しがられたことと思います。小さいながらも堅牢で風格のある建物で、1946年、この地で発生したM6.1の新化大地震のときも無傷で残り、台湾南部に残る唯一の役場建築となっています。

戦後は、新化鎮公所(役場)として使われてきましたが、1996年に新庁舎が完成すると、60余年の役場としての役目を終えました。1999年には建物を取り壊して駐車場にする計画が持ち上がりました。しかし、地元から貴重な歴史的建造物を壊さずに保存しようという声が上がり、各界を巻き込んだ市民運動が展開されました。その結果、計画は変更され、駐車場は地下駐車場とすることになりました。

しかし建築からすでに65年を過ぎた建物を残したまま工事をすることはできません。そこで、工事の期間中、建物を約200m先の青果市場前の広場に移すことになりました。建物は解体せず「曳家工法」で、建物の下にコロを入れて、そのままゆっくり引っ張って移動します。このときに活躍したのが、建物保存に奔走した住民たちでした。重量を少しでも軽くするために、屋根瓦はすべて取り外して下ろしました。瓦運びを手伝ったのは地元の小学生でした。下ろした屋根瓦に「新案特許」の文字が刻印されていることがわかり、建設当時の最新技術で製造された瓦であることもわかりました。
 
2000年5月21日、「乾坤大挪移(天下の大移転)」と名付けられた曳家工法による引っ越し作業が始まりましたが、初日には大勢の市民が参加して人力で綱を引きました。このときの様子は、隣の建物の壁に壁画として描かれています。200m先の青果市場広場に移された建物は、地下駐車場完成後の2002年3月、再び元の場所に戻ってきました。

2005年、全ての修復工事が完了して、外部委託の形式により「水灣餐廳」という高級レストランとしての営業が始まりました。しかしこの店はちょっと高級すぎたようで、客足が伸びず、4年間の賃貸契約終了と同時に営業を終了。2009年から代わって営業することになったのが、現在の「1934古蹟餐坊」です。

1934古蹟餐坊の経営者はもともと建築家、奥さんは実家が飲食業という夫婦で、ビジネス目的ではなく、この建物を生かし地元に人々が使い続けることができることを目的に経営に乗り出しました。人々がこの建物に持っている記憶を大切にし、「乾坤大挪移」に参加した人々の思いを忘れない、と語っています。そのために、建物を傷つけないように釘は使わない、定期的にシロアリ駆除の消毒をする、厨房の油で建物が汚れないように万全の排煙設備を設けるなど、さまざまな配慮をしています。

建物全体は横長い直方体で、屋根までは2階建ぐらいの高さがあります。内部は全体で一つの広い吹き抜け空間になっていて、とても解放感があります。要所要所は鉄骨などで補強されたり、一部に中二階が増設されていますが、見上げる高い屋根の梁などは建築当時のままで、美しい木組が残っています。壁には「乾坤大挪移」のときに使われた太いロープが、この建物の象徴として飾られていました。

メニューは台湾風にアレンジされた西洋料理や鍋料理で、この空間の中で食事ができると考えればリーズナブルな料金設定だと思います。厳選大丁骨牛排(T-bone Steak)550元、厳選沙朗牛排(Sirloin Steak)430元、迷迭香雞排(Chicken Steak with Rosemary)350元のほか、ラム、ホタテやイカ、サーモンなどのステーキ類、橄欖鍋(Chinese Olive Pot)豚350元/牛370元、黒豆素食鍋(Blackbeans Vege Pot)350元のほか、すき焼き風鍋やキムチ鍋などの火鍋類が代表的食事メニューです。食事メニューにはドリンクとデザートが付いています。

写真は橄欖鍋のセットメニュー。橄欖(かんらん)はオリーブと訳されることもありますが、西洋オリーブよりふた回りぐらい大きい楕円形をしています。生でも食べますが、蜜漬けにしたものも見かけます。スープはこの橄欖や枸杞、棗なども入った薬膳スープで、体によさそうな薄い醤油系の味。肉は国産の豚肉で野菜類はたっぷりです。鍋に生卵が付いているのは台湾では珍しいですが、和風のアレンジだと思います。これに、ドリンクとデザートが付くので、お腹いっぱいになりました。

カフェメニューでは、コーヒー100元、カフェラテ130元、紅茶80元、フルーツティー180元、おもしろいところでは、アップルビネガー130元などの酢飲料もあります。台南という場所がら、夏にはマンゴーかき氷などのデザートメニューも登場します。

アクセスは台南市街からタクシーで20分ぐらいです。
メニューは英語併記、クレジットカードが使えます。

2018/06訪問
  • 上記の記事は、訪問時点の情報を元に作成しています。訪問先の都合や現地事情により、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご了承ください。