JR上野駅の公園口から
上野恩賜公園内に足を踏み入れると、すぐさま目に飛び込んでくるシックなたたずまい。正面の本館は、立方体の箱を細い円柱が支えているようなフォルム。
首都圏の美術館としてはこぢんまりとした低層の建
JR上野駅の公園口から
上野恩賜公園内に足を踏み入れると、すぐさま目に飛び込んでくるシックなたたずまい。正面の本館は、立方体の箱を細い円柱が支えているようなフォルム。
首都圏の美術館としてはこぢんまりとした低層の建築物ですが、それがかえって奥ゆかしさを感じさせます。
日本に6つしかない国立の美術館のうちのひとつで、本館の外壁は玉石が敷き詰められたパネルで覆われています。
晴れた日と、雨の日で印象が変わる外観。
最小限の植栽に彩られた前庭には、いくつかの彫刻作品が展示されています。
あごを手の甲で支え、右ひじを膝の上において考え込むロダンの『考える人(拡大作)』は教科書でおなじみ。出会った瞬間にうれしくなります。
国立西洋美術館は知る人ぞ知る、世界文化遺産。2016年7月に登録されています。
名目は「ル・コルビュジエの建築作品ー近代建築運動への顕著な貢献ー」です。
20世紀を代表する建築家ル・コルビュジエが手がけた、7カ国17の建築資産のうちのひとつという位置づけ。建築物でありながら、芸術作品としても世界的に評価されているのです。
常設展示は、20世紀初めに実業家の松方幸次郎(1866-1950年)が収集した、いわゆる松方コレクションと呼ばれる近代フランスの美術品375点と、ルネサンス期より20世紀初頭までの西洋絵画や彫刻作品などがメイン。
18世紀以前のヨーロッパの画家たち、いわゆるオールド・マスターの作品や、ルーベンスやミレーなどのほか、モネやルノワールといった19世紀の印象派の画家たちの作品は見応え充分です。
本館に入ると、予想外の高い天井。「19世紀ホール」と呼ばれるホールからゆるやかなスロープを伝って2階展示室へ。
天窓から自然光が19世紀ホールへと降り注ぎ、空間自体もまた作品のようです。
ミュージアムショップでは収蔵品をモチーフにしたグッズを販売。
明るい雰囲気の「CAFÉ すいれん」では中庭の緑を眺めながら気軽にランチが楽しめます。