京福電鉄(嵐電)の嵐山駅からもほど近く、世界遺産にも登録されている天龍寺は、
嵐山を代表する寺院です。
その始まりは、足利尊氏が後醍醐天皇を弔うため1339(暦応2)年に創建したこととされ、開山は朝
京福電鉄(嵐電)の嵐山駅からもほど近く、世界遺産にも登録されている天龍寺は、
嵐山を代表する寺院です。
その始まりは、足利尊氏が後醍醐天皇を弔うため1339(暦応2)年に創建したこととされ、開山は朝廷からも武家からも厚い崇敬を集めた禅僧・夢窓疎石(むそうそせき)です。
造営にかかる莫大な費用を元(当時の中国)との貿易で得た利益で補ったというエピソードから、元との貿易船は「天龍寺船」と呼ばれました。
貿易によって莫大な造営費用が捻出された天龍寺は次第に繁栄しますが、その後、幾度となく火災に見舞われながらも、その都度、復興を遂げてきました。
法堂、大方丈、庫裏など、現在の伽藍の多くは明治以降に建てられたものですが、創建当時に夢窓疎石が手がけた曹源池庭園は今なお残り、国の史跡・特別名勝にも選ばれています。
曹源池を中心に据え、
嵐山と亀山を借景にしたダイナミックな庭園は、春には桜、秋には紅葉が彩りを添えます。
特に春にはしだれ桜やソメイヨシノなど、境内はさまざまな桜にを包まれます。これは、後醍醐天皇が南朝を築いた奈良・吉野の桜をこよなく愛したことから、創建の際に吉野から多くの桜を移したことに由来するのだとか。
庭園は歩いても巡れますが、一層雅な気分を味わいたいなら、大方丈からゆったりと眺めるのもおすすめ。曹源池に映り込む四季折々の自然の美しさをじっくりと堪能できますよ。
そして池の中央奥には、滝を登る鯉が龍に変身する姿を表した鯉魚石(りぎょせき)にも注目してみてください。中国の故事「登龍門」にならって石が組まれたものと伝わっています。
また法堂の天井画『雲龍図』は、1997年に日本画家・加山又造によって描かれたもので、躍動感のある見事な龍が印象的。土・日曜、祝日もしくは春・夏・秋の特別参拝時だけの公開ですが、どの方向から見ても睨まれているかのような「八方睨みの龍」の大迫力をぜひ体感してください。
北門からは竹林の道に繋がっていますので、
嵐山エリア散策の帰りに立ち寄るのもおすすめですよ。