京福電鉄(嵐電)の御室仁和寺駅のほど近くに建つ仁和寺は、888(仁和4)年、宇多天皇が創建した門跡寺院。明治維新の頃までは、皇族が歴代住職を務めた格式高い寺院です。
境内には、御所の紫宸殿を移
京福電鉄(嵐電)の御室仁和寺駅のほど近くに建つ仁和寺は、888(仁和4)年、宇多天皇が創建した門跡寺院。明治維新の頃までは、皇族が歴代住職を務めた格式高い寺院です。
境内には、御所の紫宸殿を移築した国宝である金堂や、清涼殿の一部を使った御影堂など、皇族とのゆかりを表す建築が今も残ります。
899(昌泰2)年、宇多天皇は出家して法皇となり、仁和寺内に僧坊を建てます。ちなみに、僧侶が住む建物を「室」といい、仁和寺は法皇が住んだことから「御室(おむろ)」と称され、後にこの辺り一帯は御室と呼ばれるようになりました。
仁和寺の正面にどっしりと建つ二王門は、
知恩院三門、
南禅寺三門と並んで京都三大門のひとつとされています。他の二つの門が禅宗様であるのに対し、仁和寺の二王門は平安の面影を残す和様であることが特徴です。
二王門の北西側には、宸殿や黒書院、白書院などが建つ「御殿群」があります。また、宸殿を挟んで広がる二つの庭、南庭と北庭は、その対照的な面持ちが印象的です。
南側には白砂が敷かれた粋な風情の南庭が広がり、御所紫宸殿同様に左近の桜、右近の橘が植えられています。
北側には江戸時代に造営、後に七代目小川治兵衛によって整備されたという池泉式庭園の北庭が広がります。
雅な写真を撮りたいならこの北庭がおすすめ。四季折々の自然の表情とともに、堂々とそびえる五重塔を眺めることができます。なお、2021(令和3)年3月に、この二つの庭を含め御殿全域が国の名勝に指定されました。
また、仁和寺といえば、絶対に目にしておきたいのが桜景色です。
仁和寺の桜は「御室桜」と呼ばれ、遅咲きの桜として知られています。特に「御殿」の北側には一面御室桜が咲き誇り、その美しさは国の名勝にも指定されているほど。
御室桜は背が低いのも特徴で、目線に近い高さで咲く桜の花越しに五重塔を眺めると、やや濃い桜色の世界に包み込まれているようで春らしさをより一層感じられます。
拝観料は御所庭園800円(高校生以下無料)、御室花まつりは特別入山料として500円(高校生以下無料)が必要です。
他にも季節によって仁和寺の名宝が拝観できる霊宝館は、意外にも毎回テーマを替えて公開されているので、こちらもおすすめです。霊宝館の拝観料は500円(高校生以下無料)。