フィレンツェは革製品の町としても有名で、町を歩けばそこかしこに革製品のお店が目につきます。
なぜフィレンツェは革製品で有名なのかといえば、それはフィレンツェの皮なめしの技術の高さにあります。
フィレンツェからピサにかけてのアルノ川周辺は、
皮なめしに使う「タンニン」が採れる栗や樺の木の生育に適した気候で、
昔から皮なめし技術が発達していました。
現在でもこの地域には、皮なめし業者がたくさんあります。
伝統的な技術で丁寧になめされた皮は、革製品特有のにおいが少なく、
まるで布のように手触りも柔らか。日本の革製品メーカーの中には、
わざわざこの地域の皮なめし業者から皮を仕入れているところもあるぐらいです。
町なかにたくさんある革製品店の中でもお勧めなのが、
サンタ・クローチェ教会の修道院内にあるこのお店です。
1200年代にこの教会が建てられて以来、
修道士たちがここで聖書の革表紙を作っていたのが始まりで、
修道士の寝室だったところにこのお店はあります。
このお店のお勧めの理由は、職人さんの作業が実際に見学できることに加え、
教会や革製品の歴史をも感じられるというところです。
またこの店には、イギリスのロイヤル・ファミリー、日本の皇室、イタリアの大統領、
レーガンなどのアメリカの大統領やファースト・レディなども訪れたことがあることから、
製品の確かさも折り紙付。
中国製の皮を使った、メイド・イン・イタリーもどきの革製品を売る店もある中で、
ここは信頼できる店であると言えるでしょう。
ところで、お店なのになぜ「学校(スクール)」と名付けられているのでしょうか。
それは第二次大戦後、戦争で両親を亡くした孤児たちが手に職をつけて自立した生活ができるよう、
サンタ・クローチェ教会の修道士たちが彼らに革製品の技術を教えたのをきっかけに、
現在でも、革製品の販売のみならず、半日や1日の体験コースから、
本格的に学べる3ヶ月や6ヶ月のコースを開講しているからです。
店内には、お財布、キーホールダー等の小物から、ケリータイプなどの定番デザインや
オリジナルデザインのバッグ、ジャケット、ベルト、旅行用バッグ、ビジネス用バッグ、
靴(店内には見本のみで、靴の販売店は別店舗)等が売られています。
写真の刺繍が施されたバッグは、1点しかないこの店のオリジナル。
刺繍部分は、現在のショップ・オーナーの奥様の手作業なのですが、
ひとつとして同じ刺繍はないとのことです。
他にもお勧めは、編みこみのバッグ。
革を細長く切って手作業で交互に編み込んだ、手間ひまかけて作られたものです。
約800年も前から、この教会内で脈々と引き継がれた革製品の歴史を感じながら、
ショッピングを楽しんでみてはいかがでしょうか。
時間に余裕のある方は、体験コースで自分で革製品を作ってみては。
きっと旅のいい思い出になるはずです。
Leather School スクオラ デル クオイオ
山岸 玲子
(トラベルコンシェルジュ)
フィレンツェで最高級の革製品をゲット&革製品制作体験もできる店。
- 投稿日2014/09/30
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エリアサンタ クローチェ
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住所
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アクセスサンタ・クローチェ教会の向かって左側の道沿い
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電話番号+39-55-244533
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営業時間夏期 [月-日]10:00-18:00、 冬期 [月-金] 10:00- 18:00 [土] 10:30-18:00
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定休日秋冬の日祝祭日
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公式サイト
- 上記の記事は、訪問時点の情報を元に作成しています。訪問先の都合や現地事情により、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご了承ください。
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