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ナポリ (イタリア) 観光の現地クチコミ

現地のプロ(5人)詳細

National Archaeological Museum of Naples ナポリ国立考古学博物館

竹川 佳須美 (現地専門旅行会社代表)

アレクサンダー大王と古代の彫刻たちに会いに...

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ポンペイを歩いた後、是非訪れたいのがナポリ国立考古学博物館です。

ポンペイには、当時のままの色鮮やかなフレスコ画やモザイク画がそのまま残されていました。
とはいえ、二千年前の貴重な絵画や彫刻を、
強い南イタリアの日差しに曝したままにするわけにはいきません。
主だったものは大抵、この博物館に運ばれているのです。

なかでも絶対はずせないのは、ポンペイで訪れたファウヌス(ファウノ)の家の応接間の床で、
当時は客人がその上を歩き回っていたモザイクです。
大きさ1317×555㎝、戦闘シーン左手の馬上に、
(教科書などで)見覚えのあるハンサムな若者の顔を見つけることができます。
紀元前334年のイッソス(現トルコ)で、ペルシア軍と対戦するアレクサンダー大王です。
躍動感と描写力に優れた、当時の高い芸術性と技術力を伝える傑作です。

この他にも、ポンペイの人たちの魚好きがうかがえる、
タコやスズキやウナギやイセエビなどが描かれた「魚のいる海景」や演劇のワンシーンなど、
興味深いモザイク画が多数あります。
フレスコ画もまた同様で、若い夫婦の生き生きとした肖像画や、
花咲き乱れる庭園や色彩豊かな神話画など、当時の風俗や習慣を伝えてくれる、
見ごたえのある素晴らい作品ばかりです。

これらの「ポンペイコレクション」だけでもすごいのですが、
博物館が誇るもう一つの収蔵品に、数々の古代彫刻があります。

元は16世紀のファルネーゼ枢機卿(後の教皇パウルス三世)のコレクションで、
当初はローマの邸宅(ミケランジェロ設計のファルネーゼ宮)を飾るのが目的でした。
なかでも最も重要なのが、ギリシャ古典期とヘレニズム期の原作をローマ時代に模刻した彫刻群です。

代表的なものには、「ファルネーゼのヘラクレス」「ファルネーゼの雄牛」(ローマのカラカラ浴場の発掘品)や、
「ファルネーゼのフローラ」などがあります。
これらの彫刻群を当時の芸術家たちがどれほどの興味と驚きで眺めたことか、
古代作品の発掘とコレクションがルネッサンス以降のイタリア芸術に与えた影響には
計り知れないものがあります。

カメオと貴石彫刻コレクションやエジプトコレクションも充実していますので、
たっぷり時間をとってお出かけください。
またファルネーゼコレクションのうち絵画作品や陶磁器は国立カポデモンテ美術館に収蔵されていますので、
イタリア美術がお好きな方はそちらも必見です。



★アクセス:地下鉄1線のムゼオ駅からは通路で直結、2線のカヴール駅(Piazza Cavour)からは下車徒歩約7分。

★開館時間:9:00~19:30(入場は閉館の1時間前まで)

★休館日:火曜日、1月1日、5月1日、12月25日

※公式サイト参考

優・トロペーア (現地在住ブロガー、フリー音楽家)

イタリア随一の数と質を誇る古代コレクションの館!

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1600年代の建物に居を構える国立ナポリ考古学博物館は、1700年代後半から1800年代初頭に掛けてと、その成立はヨーロッパでもかなり最初の方でした。

この博物館には、とにかく膨大な数の、非常に価値の高い考古学的遺物が展示されていて、ギリシャ、ローマなどが好きな人には堪らないコレクションで溢れています。
それは、旧石器時代に始まり、ポンペイ、エルコラーノ遺跡からの発掘物、ギリシャ・ローマ時代のものなどが殆どです。
それぞれテーマ別に29ものセクションに分かれており、その1つ1つは本当に興味深く、「よくもこんなに集めたな」と感嘆させられてしまいます。

中でも私が個人的に興味を惹かれたのは、ポンペイの壁画セクションです。この博物館でも特に名高いコレクションで、ポンペイの地域のローマ人達の邸宅に描かれていたものです。アレクサンダー大王の「イッソスの戦い」は、教科書にも載っていたのではなかったかしら? これを目の前に観るのは圧巻です。

また、ポンペイのモザイクをコレクションした「牧神ファウヌスの家」は、当館でも格別に貴重なもので、そのクオリティと緻密さは、私たちを捉えて離しません。
同じくポンペイの、とある種類の彫刻、絵画などを集めた「秘密の小部屋」は、公開されたのが約10数年前だったでしょうか?人間のエロスに対する興味は、何千年も昔から変わらない事実を見せられ、微笑ましい思いもさせられる、しかしその芸術的価値は第一級のコレクションのコーナーです。

ナポリ国立考古学博物館には、古代エジプトに関するコレクションコーナーもあり、実はこれは、イタリア随一のトリノ・エジプト博物館に次ぐ、選りすぐりのコレクションです。

地下1階、地上に3階の、計4階建ての考古学博物館は、広大で、じっくり鑑賞したいのなら、3時間はかかると思います。
朝からゆっくり博物館を廻ると、出る頃にはお昼。博物館を背にして左から海側に出ているサンタ・マリア・ディ・コスタンティノーポリ通りを少し下ると、左手に「ピッツェリア・アイエッロ」があります。ここで昼食を摂り、疲れをとるというコースは中々良いですよ。

地下鉄第2線「カヴール駅」下車。「ムゼオ・ナツィオナーレ広場」方面に向かい、徒歩約7分。
もしくは、地下鉄第1線「ムゼオ駅」下車。徒歩1分。
第2線を使う場合は、「ガリバルディ広場」駅から一駅目ですが、少し歩きます。
第1線の場合は、6駅目ですが、下車して目の前に博物館が。第1線は別名「地下鉄アート線」ですので、それぞれの駅のプラットホームの様子を車内から楽しむのも手ではあります。
バスも出ていますが、ナポリッ子でも油断出来ないので(スリが多い)、お勧めしません。

※5月25日は午後2時閉館
入場料: 通常料金8€、on-line価格2€, 毎月最初の日曜日は18歳以下は無料。
閉館1時間前に切符売り場は閉まります。
閉館時刻にきっちり閉館するので、時間に余裕をもって見学に行かれることをお勧めします。

  • 上記の記事は、訪問時点の情報を元に作成しています。訪問先の都合や現地事情により、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご了承ください。