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エリア:
- アジア > スリランカ > コロンボ
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テーマ:
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夫、1981年スリランカ コロンボ郊外自宅前で
自社ホームページのリニューアルに伴い、過去のブログやリンク先を整理していたらトラベルコさんの特派員ブログのアカウントが何と生きていて、最後の投稿が2009年でした。
古いアルバムを見直すような懐かしい気持ちで過去の自分が書いた文章を読んでいて、初々しいというか、スリランカで見るものすべてがまだ新鮮だったんだなと。
こちらのブログはビジネスのプロモーションは制限があるので、折角だから全然仕事に関係ないスリランカ生活の色々な事を書いていければいいなと思った次第です。
スリランカで結婚後、ブログ更新の止まった2009年には長年にわたりスリランカを苦しめた内戦がついに終結し、国内経済が怒涛の如く発展、翌年2010年には最初の子どもが生まれ、そこからは子育てと仕事の両立で右往左往しながら十数年もの時が流れていった気がします。
スリランカ人の夫の父が小さなタクシー会社を興したのが1987年で、今とは比べ物にならないほど開けていなかったであろうコロンボで、夫が言うには五指に入るほど古いタクシーチャーター会社なのだとか。
電話で予約を受け付け、身綺麗にした運転手が時間厳守で指定の場所まで向かうという民間のサービスが当時は珍しかったそうなのです。
起業精神に富んでいた義父はエルピティヤのジャングルを切り開いて広大な茶園を造ったり、まだスリランカでカトラリーの大量生産が無かった頃に自宅の敷地の一角にスプーン工場を造りアーピコというスーパーに卸したりと様々な事を行っていたようです。夫も一人息子としてそれらを小学生くらいの頃から半ば強制的に手伝わされていたとのこと。
スプーンのほうは始めの頃は作れば作るだけ売れたという状況だったのが、数年でインドからの大量生産品が安価で押し寄せるようになりあっという間に消滅したそうですが、紅茶園は息子の運営で今も続き、タクシー会社は日本から来た嫁がインターネットなるもので宣伝して(最初、そんなものはたいして効果が無いよと義父に言われましたが)外国からのお客様から利用して頂けるようになるなど、次世代に引き継がれているのでした。

私のスリランカの義理の父と母
また彼は公務員であった時期もあり、スリランカの土地を管理する政府の役職についていたことも。これは彼の近い親戚に、いろいろ言われることの多い元大統領のマヒンダ・ラジャパクシャがいるためで、彼の兄弟のチャマル・ラジャパクシャの紹介でその役職を得ています。
しかし義父は「公僕たるもの金の事は考えず国に仕えよ」という厳格で時に激しい性格の為、仕事のノルマ&時間厳守、公用車では一切自分の用事を行わないなど前任者とは異なる規律を周囲にも強いたので、スリランカに住んでいると容易に想像できますが今まで上手くやっていた人達から疎まれてしまい、身に覚えのない噂を流されて職を辞めることになったとの事です。
1937年生まれの義父は、英国の植民地時代から英連邦の自治領セイロンとして独立(1948年2月4日)、近代化からIT化された観光国への道を歩むスリランカ変遷の生き証人です。
近年では、女性大統領チャンドリカ・バンダラナイケ・クマーラトゥンガ(任期:1994年-2005年)が大統領就任後すぐに始めた、国内農家の保護と活性化を目的とした輸入食品へ高関税をかける政策によって、1995年頃には関税引き上げの影響と輸入食品全体の減少の影響で深刻な食品インフレが起こり、都市圏では市場でも買えない状態が続いたり、購入制限が行われたりという事が起き、夫もその頃20歳で実家に居たので家族5人の食べ物が足りず食べられる野草などをみんなで摘みに行ったりしたことを覚えているそうです。
食糧難というきつい経験が刷り込まれたのか、つい数年前に起きたテロとコロナ禍の連続攻撃からの国の外貨準備がもう無い!という絶望的状況での全国規模の深刻な食品インフレと食糧不足が襲ったあの時期に、既に齢80代半ばになっていた義父が "食料が無くなるかもしれない" という世間の噂の時点で率先して動き、茶園と問屋に人を送りお米や豆を百キロ単位で購入して備蓄するという対策に出たため、実際に事が起きてから食料調達に困ることは殆どなかったのでした。

夫の姉妹たちと。1991年コロンボ
個人の心がけだけではどうにもならない数えきれないほどの問題に何十年とうんざりさせられてきたのか、義父は自分の息子はじめ子ども達には「出来れば海外に行って住めるような仕事につきなさい。この国はダメだ」と事あるごとに言い続けて、実際、夫はコロンボの日系企業に勤めて海外への道を模索することになり、次女はスリランカ系イギリス人男性と結婚し、今もロンドンで会計士として働いています。
その2に続く
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