ニューヨーク大好き

2018年3月1日より、メトロポリタン美術館の入場料規定が変わりました。

以前入場料として支払われていたのは、実は寄付金としての料金だったんですが、今後は一部の人を除いて正規の入場料が徴収されるようになります。
メトロポリタン美術館への入場が寄付金だったと知らない人もたくさんいると思います。
かつて入場口で提示されていた料金は、入場料としてふさわしい料金を提示していただけで、実際は寄付金ということで幾らでも、1ドルでも入場できたのです。
メトロポリタン美術館の設立時の精神と、またニューヨーク市所有のセントラル・パークの一部を無料で借りているということで、市との約束で入場は無料でした。
その後、1970年の市との取り決めで寄付金ということになり、入場者は1セントでも払わなくてはいけないことになりました。
さらに美術館の運営には膨大なお金が掛かり(理事など幹部の給料がかなり高いという批判もありますが・・・)、近年資金が不足してきたので、観光客のような事情を知らない入場者には幾らでも入場できるということを隠しだし、大きな看板に入場料として見られるように料金を提示していたのです。
といっても、正規には寄付金でしたので、知っている人は適当な金額で堂々と入っていました。

メトロポリタン美術館の運営資金は個人、企業などの寄付でほとんど成り立っていて、入場料は歳入の14%にしかなっていないそうです。さらに過去13年間に入場料としてふさわしいという正規金額で入場する人が73%も減少(幾らでも入れるということが広まってきていたのですね。)。
もう耐えられないということで、市に許可をもらい、入場料規定が変更となりました。

2018年3月1日より、入場料は、大人$25、シニア$17、学生$12、12歳未満無料となりました。
しかしいやなことばかりではない。
連続3日間入場可能となったのです。
メトロポリタン美術館はセントラル・パークの本館の他に、マンハッタン北部にクロイスターズという中世の美術館があり、また本館の徒歩圏にはメット・ブロイヤーという元ホイットニー美術館が併合されて、20世紀と21世紀の美術を展示しています。
正規入場料でこれら3つの美術館に継続した3日間入場できるのです。
本館だけでもゆっくり見たい人には1日では足りないところ、またクロイスターズまで行くとなると1日では駆け足というスケジュールが緩和されます。
時間に余裕のある人は、これで走り回ることなく、ゆっくり鑑賞できますね。
ニューヨーク州に税金を払っている住民の為には、自分の払いたい金額で入館できる方法が残りました。
またニューヨーク州、ニュージャージー州かコネチカット州の学生も同様です。
入館時に身分証明書を提示する必要があります。
但し、自分の払いたい金額で入館した人は、1回の支払いで連続3日間有効でなく、当日のみとなります。

ニューヨークを訪れる目的の一つにミュージカルをあげる人は多いですが、作品ばかりに目がいって、劇場自体をじっくり見たことがある人は少ないかもしれません。
また観劇など興味がないと思っている方、ニューヨークの歴史的場所を見学しても、劇場前を簡単に通り過ぎてしまう人は多いでしょう。
タイムズ・スクエアに位置する劇場のほとんどは1900年代初頭に建設されたものです。
建築的な意義は今でもとても重要です。

現在ブロードウェイで利用されている最も古い劇場ニュー・アムステルダム・シアターを紹介します。
ニュー・アムステルダム・シアターは、世界中で人気のミュージカル「ライオンキング」が初演された、現在ミュージカル「アラジン」が公演されている劇場で、フォーティセカンド・ストリート(42ストリート)の7と8アベニューの間で幕を開けたのは、1903年10月26日のことです。
建築家のヘンリー・ハーツとヒュー・トーレントが設計したインテリアは、初演のシェイクスピア作「夏の夜の夢」に合わせたものです。
初演翌日のニューヨーク・タイムズ紙には芝居に関しての批評は少なく、劇場建築の素晴らしさが絶賛されました。
ニューヨークで最も美しい建物として名を挙げたのです。
劇場のロビーの大理石の壁の装飾となっている彫刻は、シェークスピアの戯曲やワグナーの「ニーベルングの指環」の場面からのものです。

1913年には、ミュージカル「ジークフリード・フォリーズ」がオープン。魅力的な舞台美術、豪華な衣装、当時の大スターの出演、そして何よりも美しいコーラスの女性たちがこの美しい劇場に花を添え、14年間もロングラン公演されました。

1929年、ウォール街の株暴落による世界恐慌は劇場界にも大きな影響を及ぼし、ニュー・アムステルダム・シアターは1936年に閉館してしまいました。

1980年代半ばからのアイ・ラブ・ニューヨーク・キャンペーンにより、ニューヨークは犯罪の街から魅力的な街に変わりつつあった1993年、映画やテレビ、またアミューズメント・パークとして絶頂の人気を持っていたウォルト・ディズニー・カンパニーがブロードウェイ・ミュージカルに進出する為に、ニュー・アムステルダム・シアターを99年リースで借りたのです。
2年間を掛けての修復の後、1997年のオープニングはディズニーのアニメ映画「ヘラクレス」のプレミア上演会でしたが、同年後半、ミュージカル「ライオンキング」がオープンし、ニュー・アムステルダム・シアターの名をまた輝かせたのです。
2006年、「ライオンキング」は、別の劇場に移動し、「メリー・ポピンズ」に劇場を受け渡しました。現在は、ディズニーのミュージカル劇場としての名のごとく、「アラジン」が2014年よりロングランを続けています。

昨年10月に閉館となったホイットニー美術館が、ミート・パッキング地区に新しい建物を完成させました。
アメリカ人芸術家の作品を展示する現代美術館のホイットニー美術館の新館が、5月1日に一般公開となります。

新館の設計者は、関西国際空港、ポンピドゥー・センターやモルガン・ライブラリーなどの設計者レンゾ・ピアノです。

オープン翌日の5月2日は入場無料です。
また金曜日7pm以降は、入場料は自分で決めることができる(Pay-What-You-Wish)となります。


ホイットニー美術館
住所：
99 ガンズボート・ストリート
(99 Gansevoort Street, New York)
入場料：
大人$22、シニア＆学生$18、18歳以下無料
開館時間：
月曜日：10:30am - 6pm
火曜日：閉館
水曜日：10:30am - 6pm
木曜日：10:30am - 10pm
金曜日：10:30am - 10pm
土曜日：10:30am - 10pm
日曜日：10:30am - 6pm
whitney.org

ニューヨーク観光の目玉としてブロードウェイ・ミュージカルの観劇を楽しみにしている人はたくさんいますよね。
公演開始や終了時間にはタイムズ・スクエア地区は人と車であふれて歩くのも大変なほどです。

かつて治安が悪かったニューヨークは、80年代後半から観光客が押し寄せるようになり、ブロードウェイを訪れる人も増えました。
その流れのなかで、ディズニーがブロードウェイに進出したのでした。

今から20年前、ディズニー・ミュージカル、「美女と野獣」が、パレス劇場でオープン。
「美女と野獣」の大成功により、引き続きディズニー制作の「ライオンキング」が公開。現在も公演している超ロングラン作品となっています。

ブロードウェイでディズニー製作ミュージカルを観劇した人は2800万人以上となりました。
ブロードウェイでの興行的成功確率は通常20%といいますが、ディズニー制作はなんと71%が成功しているのです。

先週オープンしたディズニー制作のミュージカル、「アラジン」の成功はいかに・・・。



ディズニー・ミュージカル、「アラジン」
ニュー・アムステルダム劇場
214 West 42nd Streeet

ニューヨーク・ファッション・ウィークが2月6日から13日まで開催されます。
会場はリンカーン・センターの内の特設テントです。

この催しはファッション業界の人のものなので、一般の人が会場に行ってファッション・ショウを自由に見られるというものではありません。
しかし開催中はテレビでニュースとして放映されたり、新聞雑誌でも写真入りで情報が掲載されます。

ファッション・ショウを見学、買い付けにきているファッション業界の人たちが、トレンディ系のホテルに宿泊し、人気のレストランやバーではパーティが繰り広げられます。
ソーホー地区、ミート・パッキング地区、チェルシー地区など夜は騒がしいですよ。

裁縫工場、布地やボタン・ショップなどがファッション産業が集まる7アベニューの30ストリート代の西)を歩くのも楽しいですよ。

インターネットが発達した現在、ファンション・ショウをストリーミングで生中継で見学できます。


ニューヨーク・ファッション・ウィーク：2014年秋冬物
日時：2014年2月6日から13日
http://www.mbfashionweek.com
生中継：
http://newyorkfashionweeklive.com/LIVE