天台宗総本山・延暦寺が鎮座する比叡山の麓に広がるのが、京の里山・大原です。
古くから天台宗の寺院が多く建ち、中でも天台宗三門跡のひとつに数えられ、格式の高い三千院は、この地のシンボルともいえる存在です。
天台宗総本山・延暦寺が鎮座する比叡山の麓に広がるのが、京の里山・大原です。
古くから天台宗の寺院が多く建ち、中でも天台宗三門跡のひとつに数えられ、格式の高い三千院は、この地のシンボルともいえる存在です。
大原へは、京都駅からバスで約1時間、バス停「大原」で下車。昔ながらの茅葺の家や田園風景が広がるどこか懐かしい景色に心が弾みます。この地には呂川(りょせん)と津川(りっせん)の二つの川が流れており、「呂律」の語源にもなったのだとか。
三千院への参道は、呂川沿いに徒歩10分ほどの道のり。川のせせらぎや時折頬をなでるように通り抜ける川風に包まれれば、山道を登る疲れも吹き飛びます。
途中には大原の野菜を使った漬物屋やジャム屋が点在。立ち寄りながら歩くのも楽しみのひとつです。
三千院は、延暦年間(782~806年)に天台宗祖・最澄が建てた比叡山の草庵が前身。その後移転を繰り返し、現在の地に移ったのは明治維新の後だと言われています。
見どころは、緑に包まれる二つの庭園です。客殿の庭園・聚碧園は池泉観賞式。江戸時代の茶人である金森宗和が修築したとされ、さらさらと流れる津川や季節によって表情を変える木々など自然の持つ美しさをそのまま生かした造りに魅了されます。
一方、一面に広がる苔の絨毯が印象的な有清園には、往生極楽院の荘厳なお堂が建ち、国宝・阿弥陀三尊を祀っています。
特に新緑の季節の美しさは圧巻で、木々のすき間から差し込む光と影が苔の上を仲良く追いかけっこ。光と影の粋な遊びは、艶やかな緑のグラデーションを披露してくれます。
また、穏やかな表情で出迎えてくれるわらべ地蔵にも注目。仲良く寄り添っていたり寝転んでいたり…。微笑ましい姿に癒やされますよ。
街の喧騒から離れた大原をのんびりと散策し、三千院を訪れてみましょう。境内に咲くアジサイが満開になる6月下旬や、美しい紅葉の秋もおすすめです。