京都の中心部にあり東西700m、南北1,300mにわたって広がる巨大な緑地は、歴代天皇の邸宅であった
京都御所の外苑にあたります。
江戸時代にはこの一帯に宮家や公家の邸宅が140以上も建ち並び、公家町という町だ
京都の中心部にあり東西700m、南北1,300mにわたって広がる巨大な緑地は、歴代天皇の邸宅であった
京都御所の外苑にあたります。
江戸時代にはこの一帯に宮家や公家の邸宅が140以上も建ち並び、公家町という町だったそうです。
明治になって天皇が東京へ移ったことで、宮家や公家の邸宅は取り除かれましたが、その後明治天皇の命によって苑地として整備されました。
現在では、
京都御所や仙洞御所などを除く約65haが国民公園として一般開放されています。
その見どころは、歴史的な遺構の数々。中でも京都御苑の西側にある蛤御門(はまぐりごもん)は、1864(元治元)年に尊王攘夷を唱えて攻めてきた長州藩と、御所を護衛した幕府側の会津・薩摩藩が激戦を繰り広げた場所です。この「禁門の変」での戦いの跡が、門の柱に鉄砲の玉傷として残っています。
ほかにも、江戸時代、代々親王の称号を許された皇族、四親王家のひとつ閑院宮邸跡や、日本の公家の頂点に君臨した五摂家(ごせっけ)の筆頭・近衞家の邸宅跡など、日本の歴史と深く関わる遺構が点在しています。
跡地には案内文が書かれた駒札が立てられているので、公家町が広がっていた当時の風景を思い浮かべながら散策してみるのもいいでしょう。
また、京都御苑内にある
京都御所の北東角(鬼門)に一部凹んだ塀があるので注目してみてください。屋根の下にある金網の中に、烏帽子をかぶった猿の姿が見えますよ。
この場所は「猿が辻」と呼ばれていて、実はこの猿、
京都御所の鬼門を守る使者なのですが、夜な夜な通行人にいたずらするため、金網で封じ込めたと伝えられています。
苑内に咲く花々から季節の移ろいを感じるのも楽しみのひとつ。
早春の2月中旬頃から咲き始める約200本の梅の花や、御苑北西に位置する近衞邸跡で例年3月下旬から4月中旬頃に見ごろを迎える約60本の枝垂れ桜など、苑内には華やかな彩りが広がります。
そして秋に色づく紅葉や大銀杏の黄色い葉の美しさも格別です。
また苑内では多くの野鳥の姿を目にすることができ、市民にも動物にも憩いの場となっています。
京都御苑へのアクセスは、地下鉄烏丸線の丸太町駅または今出川駅からすぐです。