13世紀頃から宮廷につかえる狩人や、高貴な一族が住みついたというサブロン地区。ステンドグラスが外からでも美しく見えるサブロン教会は、そんな人々が加護を求めて聖母マリアを祀った教会だ。時代を経て、今日では教会の上手には、プチサブロンと呼ばれる美しい庭園、ブリュッセル王立音楽院や王立美術館がある。教会より下のグランサブロンと呼ばれる側には、ベルギーを代表する数々のチョコ店と、アンティークや絵画・彫塑などを扱うギャラリーが並ぶ、文化的でおしゃれな界隈となっている。
週末にはサブロン教会の脇に、アンティークを扱うテント小屋の市場が立つ。マロール地区の蚤の市では玉石混交で何が何だかわからないという方には、こちらがお奨め。すでに目利きが選んでくれた、ある程度価値のありそうなアイテムたちが、それなりに整理されて小奇麗に売られている。「古い」だけでなく、本当の「骨董価値」のあるものを探すなら、サブロン地区には、立派な店構えの純然たる骨董店もたくさんある。
もともとサブロンで始まったヴィタメールに加えて、ピエール・マルコリーニがシックな本店を出店すると、サブロン地区はたちまち有名チョコレート店のメッカとなり、最近ではパリからもラデュレ、パトリック・ロジェなどが進出。パリの店と違って、ベルギーでは、だ~れも並んだりしていないから観光客にも心地よい。
週末には、文化や歴史が大好きなブリュッセルっ子が家族や友達同士で大勢繰り出し、蚤の市やアンティーク市を覗いた後で、コンサートや美術館のついでにカフェやレストランで美味しい物とともに語らいを楽しむ。ブリュッセルっ子気分になって、ゆとりあるひと時を過ごそう。
Place du Grand Sablon サブロン地区
栗田 路子
(コンサルタント、コーディネーター、通訳、ジャーナリスト)
ブリュッセルっ子に交じって芸術とアンティークに浸る
- 投稿日2016/03/14
- 上記の記事は、訪問時点の情報を元に作成しています。訪問先の都合や現地事情により、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご了承ください。