テンペリアウキオ教会は巨大な岩をくり抜いて作られた教会で、通称「岩の教会」と呼ばれ、年間50万人以上が訪れる人気の観光名所。一見の価値がある感動スポットです。
住宅街に囲まれたテンペリアウキオ教会は、外から見ると教会だとは思えませんし、知らなければ、通り過ぎてしまうような岩山です。
この地区に教会を作る計画は1930年代からあったのですが、第二次世界大戦によって中断されてしまいます。1961年に改めて行われたデザインコンペで、ティモとトゥオモのスオマライネン兄弟の設計が選ばれ、1969年に完成しました。天然の岩山を5~10mもくり抜いて、地下に教会を造るという発想と、その設計が選ばれたこと自体にも驚かされます。
巨大な排水溝のように味気ないセメントで囲まれた正面入口。右上にはデフォルメされた鉄の十字架が設置されています。扉を開けると薄暗いトンネルのような通路が半地下に伸びています。そして、教会内部に着いた途端、明るく広い空間が目の前に広がり、「うわぁー、すごい!」と、想像を超えた光景に、思わず感嘆の声がもれることでしょう。
岩盤がそのまま使われている壁には、地下水なのでしょうか、水が細く滴り落ち、岩肌がキラキラと輝いています。岩壁と天井の間には180枚のガラス窓がはめ込まれているために自然光が四方から差し込み、岩の中とは思えないほど内部は明るいのです。見上げると、天井には太陽を表す直径24mの銅版が大きな曲線を描き、まるで、巨大な宇宙船のなかに迷い込んだような気分になります。
教会はフィンランド福音ルター派に属しており、日曜の礼拝は10時から約1時間半、フィンランド語で行われます。教会では誰もが礼拝を歓迎してくれますが、礼拝中の移動や歩き回り、写真撮影、途中退出は禁じられています。
基本的な開館時間はあるのですが、教会内を見学できる時間は週ごとに異なります。特に夏の間、あるいは週末は、結婚式や洗礼式などの教会行事と教会活動が行われているため、一般には閉鎖されていることが多いです。教会内部を観たいのであれば、訪問する前に必ず開館時間を確認してください。冬は比較的に行事のスケジュールが穏やかです。
私自身、1週間のヘルシンキ滞在中に何度か訪れ、今回はダメかな、とあきらめた頃にやっと中に入ることができました。
入場料は3ユーロ。
場所は、ヘルシンキ中心部の北西。地下鉄Kamppi駅から徒歩10分、トラム1番もしくは2番「Sammonkatu」下車徒歩2分。
Temppeliaukio Church テンペリアウキオ教会
想像以上にユニークな岩の中にある教会
- 投稿日2019/05/27
外観も内装も、世界に類を見ない独特な教会
- 投稿日2015/03/23
岩の教会(Rock church)の愛称で親しまれ、ヘルシンキの観光地としては3本の指に入る人気ポイント。1ブロックを覆う巨大な花崗岩をダイナマイトでくり抜くという斬新な建築手法が、他に例を見ない外観および内装を作り上げた。
現在の場所に教会を建てる計画は1906年の都市再開発着手時に決定。30年代から設計コンペティションを開催するものの応募作に決定打がなく、第二次世界大戦の影響もあって中断。戦後の経済復興を待ち、1961年に設計コンペを再開。このときにティモ(Timo)、トゥオモ(Tuomo)スオマライネン(Suomalainen)という兄弟が前述した大胆なアイデアを披露して優勝。68年竣工、翌69年より一般公開。当初の計画から実に60年余の歳月を要したわけだ。
教会内部はプロテスタントの流儀にのっとった質素なものだが、すべての壁面が剥き出しの花崗岩であるため、洞窟に入り込んだような独自の雰囲気を醸しだしている。壁の表面は意図的に処理をせず、視覚的な魅力を活かすと同時に音響効果を高めることを狙った。その成果は音楽家に認められ、室内楽の演奏会が頻繁に開かれている。
建設手法は大胆ながら、細部には配慮の行き届いた設計哲学が生きている。
まずは入口に一工夫。教会内に足を踏み入れる前に、ガラスドアを覗き込んでみよう。正面に聖壇が見える。ドアが閉まっていても、外から聖壇を拝める教会はそうざらにない。
入場して聖壇に向かい、頭上を見上げると籐細工にも似た円天井が目に入る。これは全長22キロの銅線を巻き上げたもので直径24メートル。入口わきから2階席に上れば教会内全体を見渡せる。敷地の裏側から高台にのぼり、1920年代に建てられたアパート群を眺めるのも一興。世界中の観光客を魅了するのもうなずける名所だ。
ただ、それだけに犯罪多発場所でもあるのが残念。教会内でもスリ、置き引きが頻発しているので、くれぐれもご注意を。
自然の光を上手く取り入れた、神秘的なロックチャーチ
- 投稿日2015/03/23
これまでたくさんの日本人のヘルシンキ観光にお供しましたが、この場所ほど好評な場所はないと思うくらい、中には「何年もヘルシンキに来るけど、その度にここへ来るんです」という方もいるくらい、観光客に人気の場所です。
この教会はもともと岩で、英語名は「ロックチャーチ」。その名前の通り、この土地に昔からあった大きな岩を、自然な形で利用できないか、というアイディアの元、建設された教会なのです。
教会内はやわらかく自然な光が差し込み、とても幻想的。
その温かさ、美しさにしばらく言葉を失い、呆然と座り込んでしまう人もいるほどです。
時々ピアノやちょっとした演奏会も行っていて、音響がまたとても素敵。
差し込んでくる自然の優しい光と相まって、あなたもこの教会のとりこになってしまうこと請け合いです。
観光を楽しむポイントとしては、混雑する時間帯は避ける事。
教会内は少々狭いので、すぐに人で溢れかえってしまいます。
教会前に大きな観光バスが止まっているときは、お土産屋さんや近くのカフェで時間をずらして来られるのもいいでしょう。
また、特に夏の週末は結婚式や洗礼式などを行っている場合も多いので、この教会の醍醐味を充分に楽しみたい方は、夏の週末は避けるのもいい考えかもしれません。
【行き方】
トラム2,3 Sammonkatu下車、徒歩2分
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ジャンル寺・神社・教会
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エリアヘルシンキ
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住所
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アクセストラム1・2番線 サンモンカトゥ Sammonkatu駅から徒歩約4分 または 地下鉄M1・M2線 Kamppi駅から徒歩約10分
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電話番号+358-9-23406320
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営業時間[月-金]10:00-17:00 [土]10:00-11:45,12:45-14:45,15:45-16:15 [日]12:00-17:00
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定休日無休
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予算入場料(大人) 8ユーロ
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公式サイト
- 上記の記事は、訪問時点の情報を元に作成しています。訪問先の都合や現地事情により、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご了承ください。
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