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ヘルシンキ (フィンランド) 観光の現地クチコミ

現地のプロ(6人)詳細

Ateneum Art Museum アテネウム美術館

花奈 (ライター)

フィンランド最大規模の美術館

  • 美術館おすすめ
  • ガイドの超イチオシ!

アテネウム美術館は、絵画や彫刻、ドローリングなど、18世紀半ばから1950年代までのフィンランドの芸術を中心に所蔵・展示する美術館です。2万点以上に及ぶ膨大なコレクションの中には、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホやポール・ゴーギャン、ポール・セザンヌやマーク・シャガールといった国際的な芸術家の作品も含まれています。
アテネウムという名前は、知恵と芸術、戦略を司る女神であるギリシアのパラスアテナを指していて、寺院または聖域も意味しています。
 
館内に入る前に、ファサードの彫刻などが荘厳で美しい外観にも注目してください。ミリオネア宮殿とも呼ばれるこの建物は1887年に完成し、11月18日に就任式を祝い、1888年にフィンランド美術協会のコレクションが初めて公開されました。1990年秋には政府の管理下に置かれ、フィンランド国立美術館内に組み込まれ現在に至ります。

膨大なコレクションのなかで注目したいのは、フィンランドを代表する有名画家、アクセリ・ガッレン=カッレラと彼の個人的な弟子であり、フィンランドを代表する象徴派の画家ヒューゴ・シンベリの作品です。
ガッレン=カッレラは、フィンランドの国民的叙情詩「カレワラ」をモチーフにした絵画を数多く描いたことで知られています。なかでも「レンミカイネンの母」はとても印象的です。絵の中で横たわるレンミカイネンは「カレワラ」の登場人物のひとりで男前なうえに腕の立つ若者です。女性問題をこじらせた末に毒矢で撃たれて川に落ち、一度は死んでしまうのですが、母親によって再生されるという話がここに描かれています。

ヒューゴ・シンベリの作品で最も有名な作品は、2人の少年が白い目隠しをした天使を簡素な担架にのせて運ぶ『傷ついた天使』です。特に後ろで担架を持つ少年は、絵画を見る私たちをじっと見つめていて、一度見たら忘れられない作品だと思います。この絵の背景になっている水辺はヘルシンキ中央駅の北に広がるトーロ湾です。
また、黒いコートを着た3人の骸骨が、庭園の草花の手入れをする様子が描かれた「死の庭園」も有名な作品なので見逃さないでください。シンベリの作品は、風景画や肖像画もあるので合わせて楽しむといいと思います。

また、フィンランドではとても有名な女性画家、ヘレン・シャルフベックの作品もぜひ見てほしいです。2012年にアテネウム美術館で開催された生誕150周年大回顧展を機に、世界的に注目された画家で、自身を深く見つめた数々の自画像、パリ万博受賞作の「回復期」など、繊細で優しく、なんとなく甘い香りが感じられる作品に心惹かれるはずです。
 
アテネウム美術館は中央駅の向かい側に建っているので、中央駅から徒歩すぐ。どこからも徒歩でアクセスできる便利なロケーションです。
入場料は17ユーロ、学生15ユーロ 18歳未満は無料。

2017/06訪問
上原 朋子 (旅行コーディネーター、シェフ)

フィンランド古典美術の宝箱。 絵画を通してフィンランドの歴史を学ぶことの出来る、アカデミアな空間は必見!

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ヘルシンキ中央駅のほぼ真向かいにあり、駅からは徒歩3分の距離。キアズマ現代美術館やシネブリコフ美術館(フィンランド語っぽく発音すると、『シネブリチョフ』美術館になります)と並ぶ、フィンランドを代表する美術館の一つで、フィンランド美術の代表作ゴッホやゴーギャン、シャガールといった世界的な作家の作品もいくつか展示してあります。

しかし力を入れているのはやはり地元フィンランドの作家たちの作品。その中でも、タンペレ大聖堂にもフレスコ画を残したヒューゴ・シンベリ(Hugo Simberg)の「傷ついた天使」(原題Haavoittunut Enkeli)は2006年に当美術館で行われたアンケートで「国家の絵」に選ばれた逸品でもあるので、お見逃しなく。

他にもフィンランドを代表する作曲家・シベリウスと同年に生まれ活躍し、フィンランドの民族叙事詩・カレワラにまつわる絵画を多く残したアクセリ・ガッレン=カッレラ(Akseli Gallen Kallela)の作品群も見所の一つで、「クッレルヴォの呪い」(原題Kullervon kirous)や「レンミカイネンの母」(原題Lemmikaisen aiti)など、フィンランドが帝国ロシアから独立する際に影響を与えたとされる作品を題材にしたものが多く、フィンランドの歴史の中でも注目される作品たちが数多く並んでいるのが大きな特徴とも言えます。

また、展示の工夫として、フィンランドの作家の作品を並べながらフィンランドの歴史的な背景も解説もあり、独立までの流れを絵画を通して学べるので、テレビなどではなかなか知ることの出来ないフィンランドの歴史を学部ことができ、とても有意義な時間が過ごせると思います。

近年定番になりつつある北欧ブームの中でも、特に人気の高いフィンランドですが、フィンランドに興味のある方は是非足を運んでいただきたい場所の一つです。

館内にはカフェや売店も併設されており、カフェではランチビュッフェを平日11時〜14時まで、10.80ユーロからお楽しみただけます。ランチの時間以外にカフェ営業もしているので、観光の合間の休憩にも利用でき、非常に便利です。

売店では関連作品のポストカードや雑貨、フィンランドのアーティストたちの作品も販売しており、中にはユニークなものもあるので必見です。

入場料は大人15ユーロ、18歳未満無料。65歳以上、学生、無職の方などは13ユーロ。ヘルシンキカードをお持ちの方は無料で入場可能です。カード払いも可能で、ビザカード、マスターカード、アメリカンエクスプレス、ダイナーズカードがご利用いただけます。

駅から近いこともあってか、日本へ帰国する日に足を運ぶ方も多いようです。所要時間も1時間〜2時間程。日本の美術館と同様、月曜は休館日に当たるので注意が必要ですが、フィンランドから日本への直行便は現地時間の夕方出発になるため、アテネウム美術館のオープンする時間に合わせて行くのもとてもいい時間の過ごし方だと思います。ロビー、トイレ入り口の辺りに手荷物を預けるスペースと小さなコインロッカーもあるのでリュックサックや冬場のコート、ショッピングバックなど預けてゆっくり鑑賞することも可能です。

せっかくのフィンランド旅行、最後の最後までお楽しみください。

【行き方】
ヘルシンキ中央駅より徒歩3分。

2018/02訪問
  • ジャンル
    美術館・ギャラリー
  • エリア
    ヘルシンキ
  • 住所
  • アクセス
    ヘルシンキ中央駅から徒歩約3分
  • 電話番号
    +358-29-4500401
  • 営業時間
    [火-金]10:00-20:30 [土・日]10:00-17:00
  • 定休日
    月曜日
  • 予算
    入館料(大人) 20ユーロ
    (18歳未満) 無料
  • 上記の記事は、訪問時点の情報を元に作成しています。訪問先の都合や現地事情により、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご了承ください。