Casa de Linhares カーザ・デ・リニャーレス

19世紀に大衆民謡として生まれたファド(Fado)。
自らの運命や宿命を歌うことが多く、ポルトガルギター（guitarra portuguesaギターラ・ポルトゲーザ）とクラシック・ギター（violaヴィオラ）、ファド歌手（fadistaファディスタ）で構成されます。

特に特徴的なのがポルトガルギター。このギターはポルトガル特有の楽器で弦が12本あり、ボディーが洋ナシのようにコロンとしています。なんとなく女性のような柔らかいラインが綺麗で、音色もどことなく情緒があります。日本ではなかなかお目にかかれないですが、ポルトガルのファドには必要な楽器です。

ファドは夜に演奏されることがほとんどです。ファドを聴くことができるレストランは多くの場合、20:00から営業を開始します。演奏は1回だけではなく、2～3曲歌った後、30分～1時間程間が空き、また2～3曲演奏する、という形で深夜1:00～2:00頃まで続きます。もちろん食事を終えてファドも満喫したら、自分たちのペースで会計し帰ることができますが、多くの場合終わりに近づくにつれて盛り上がります。

カーザ・デ・リニャーレスはファドレストランの中でも名店で、美味しい食事と素晴らしいファドを楽しむことができます。20:00にオープンするので、そこから前菜が始まります。美味しいパンも好きなだけ頂くことができます。メインが終わるころに1回目のファド演奏が始まります。その後、デザート・コーヒーが終わると2回目の演奏・・・と続きます。

お料理はポルトガル料理です。伝統的な作り方から少しアレンジしたメニューが多くなっています。スープや前菜、干しダラやタコ料理、ポルトガルのソーセージ料理、肉料理などメニューも豊富です。またベジタリアン向けのメニューもあります。コースは1人65ユーロ（ショーチャージ込み）で、前菜・魚料理・肉料理・デザートになります。

昔の貴族の邸宅をリニューアルした建物も、特別な雰囲気を演出します。ファド・料理・雰囲気と全てにおいてお勧めのレストランです。

最寄りのメトロ駅 Terreiro do paçoより徒歩5分。大聖堂(Se)を正面から見た右側の道をまっすぐ進み、レストランClub Fadoが見えたら 右手の階段を降りたら、左手がカーザ・デ・リニャーレスです。

カーザ・デ・リニャーレスは、ファド、料理、サービス共にリスボントップクラスのレストランです。ファドレストランの激戦区、アルファマ地区に店を構えるここでは、一流のファド歌手とギターの演奏を美味しい食事とともに楽しむことができます。

ファドのショーは21時頃から始まりますので、20時半ぐらいまでの間に来店してください。
また高級店ですので少しおしゃれをしていかれることをお勧めいたします。

料理はアラカルトで伝統的なポルトガル料理をオーダーされるか、セットで前菜、メイン、デザートがついて39ユーロ、またハーフボトルのワインとコーヒーを追加した48ユーロのメニューもあります。

ファドとは、今でも根強く庶民の間で受け継がれているポルトガル民族歌謡です。労働者階級の酒場で生まれた音楽で、通常ポルトガルギターとクラシックギターの演奏で歌います。2011年にはユネスコの無形文化遺産に指定されたファド、一時は日本の演歌のような扱いでしたが、近年は若いアーティストも続々と誕生し、現在は若者の間でも人気になっています。

リスボンに来られた方は、是非ファドの歌声を生で聴いてみてください。できれば高級ファドと庶民派ファドの両方を楽しんでいただくのをおすすめします。