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ナポリ (イタリア) 観光の現地クチコミ

現地のプロ(5人)詳細

Museo e Real Bosco di Capodimonte 国立カポディモンテ美術館

優・トロペーア (現地在住ブロガー、フリー音楽家)

ナポリ王国の素晴らしいコレクションがここに。食べ物だけではないナポリカルチャーの魅力!

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ナポリ湾を一望出来る丘。カポディモンテ。
ここに国立カポディモンテ美術館があります。

【歴史】
そもそもの始まりは、18世紀前半まで遡ります。
時のナポリ王カルロ・ディ・ボルボーネが、亡き母エリザベッタ・ファルネーゼから受け継いだ遺品などを保管することが目的で、1738年にカポディモンテの丘に宮殿を着工したことに始まります。海に近い王宮では、貴重な美術品が潮風で破損されるからです。

既にこの時、コレクションにはラファエッロ、アンニバーレ・カッラッチ、コッレージョ、ティツィアーノ、パルミジャーノらの作品があったようです。

1758年には、宮殿はまだ完成していませんでしたが、それでも12のサロンに作家別、または流派別にコレクションを分類して展示出来ていました。ちょうどこの年の所有作品年鑑は、後の第二次世界大戦で失われたため、詳しい情報はありません。ただし、1759年にはヴァザーリ、マンテーニャ、マゾリーノ・ダ・パニカーレらの作品がカポディモンテ宮殿に移されたことは分かっています。

1770年代には、ポリドーロ・ダ・カラヴァッジョ、チェーザレ・ダ・セスト、ルカ・ジョルダーノらの作品も加わります。コレクション内容の重要性と充実度から、1785年には「カポディモンテ美術館の規定」が制定され、開館・見学時間、管理人の任務、受託者の責任などが細かく指示されました。

18世紀の終わりには、カポディモンテ宮殿には実に1800以上もの絵画が蒐集されていました。

ただ、ナポリの国際的政情の不安定さを見て、1798年、フェルディナンド1世は、14の主要重要絵画をパレルモに移します。実際、翌年フランス軍によるナポリ公国建国の際、多くの作品がカポディモンテ美術館から損害を被っています。

そうした中、この宮殿は美術館としての立場から、徐々に王族の、もしくは時の権力者の住居として姿を変えていきます(1806年以降。そしてコレクションはストゥーディ宮殿に移動)。

20世紀初頭には、アオスタ公爵一家の住まいになっていました。それでも美術作品の購入は続き、この時期にはマザッチョやヤコポ・デ・バルバリらの絵画がコレクションに加えられています。

第二次世界大戦下では、損害を避け、カポディモンテ美術館のコレクションは、サンティッシマ・トリニタ・ディ・カーヴァ・デ・ティッレーニ大修道院に移されました。

戦後1946年、アオスタ公爵一家の住居としての役割から解放されたカポディモンテの宮殿は、ブルーノ・マイオーリ教授の指揮のもと、美術館に所属する全てのコレクションの再収集を開始します。

1957年、カポディモンテ美術館は、再び正式に美術館として開館し、今日に至ります。

【所蔵コレクション】
9つのコレクションが常設されています。
1. ファルネーゼ家のコレクション
2. 1200〜1700年代のナポリ美術コレクション
3. 王家のアパルタメント
4. ダヴァロスのコレクション
5. 甲冑コレクション
6. ボルジャ家のコレクション
7. 1800年代のコレクション
8. 1800年代のプライベート空間
9. 歴史的発行物、絵画スケッチ、水彩画のコレクション

一つ一つに言及するのは無理ですが、例えば
1. ファルネーゼ家のコレクションには、ラファエッロ、ティツィアーノ、ミケランジェロ、エル・グレコ、ブリューゲルらの作品が収められており、ルネサンスやマニエリスムの時代を好み人には貴重なコレクションになっています。

2.は美術館の3階全てのフロアを占め、約6世紀に渡るナポリと南イタリアの美術史をここに観ることが出来ます。

3.は2階に。美術館として生まれた宮殿が、王族又は提督の住居と変化していった変遷を、見学者が感じ取れるように設置された場所です。

4.は1500年代の有名な傭兵隊長アルフォンソ・ダヴァロスの同名の子孫が残したコレクションで、刺繍、甲冑武器、ミニチュア細工、フランドル地方の風景画などがあります。

5.は一番古いもので、ファルネーゼ家の時代(1500年代から1600年代)のもの。コレクションの中心となるものは、ナポリを支配したボルボーネ家の甲冑と武器です。

6.は枢機卿ステファノ・ボルジャ(1731〜1804)の個人コレクションを、1814年にジョアッキーノ・ムラットが購入。一旦は国立考古学博物館に収められたものが、こちらに移動されました。

7.は屋根裏の階に。1800年代の絵画、彫刻が展示されています。

8.では、ボルボーネ家とサヴォイア家の生活空間が楽しめます。7つのサロンに寝室、書斎、控え室などを再現し、これらに200以上の絵画、彫刻、家具に小物、織物を展示してあります。

9.には2900もの水彩画、24000のスケッチがあり、その中にはラファエッロやミケランジェロ、パルミジャーノのものと推察されるものもあります。

以上の他、期間限定の現代美術コレクションやポスター・アートなども開催されますし、夏には庭「王の森」で映画のナイトショーやコンサートが開かれたりと、イベントも盛りだくさんです。

大きな美術館ですので、事前にWebサイトを閲覧し、興味のあるものに的を絞るのも良いかもしれません。

または、「王の森」を散歩、ここからナポリの街を見下ろし、アランチーノやパニーノ、もしくはピッツァ(4つに折って売っている)を食べるだけでも、楽しいかと思います。

アクセス:
・高速道路から: 環状線tangenzialeの出口「Capodimonte」を降りてすぐ。
・ナポリ中央駅から: 地下鉄1号線「Museo」下車。バス168番、178番で「porta piccola」もしくは「via Miano」下車。
地下鉄2号線「piazza Cavour」下車。C63 「porta grande」もしくは「via Capodimonte」 、もしくはR4 「viale colli aminei」下車。
*観光バスCitysightiseeng bus でも、Museo di Capodimonte で下車可能。

  • 上記の記事は、訪問時点の情報を元に作成しています。訪問先の都合や現地事情により、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご了承ください。