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ウィーン (オーストリア) 観光の現地クチコミ

現地のプロ(4人)詳細

Secession セセッシオン(分離派会館)

伊藤 雅雄 (フリージャーナリスト)

クリムト作「ベートーベン・フリーズ」を展示。「分離派」に興味を持ったらぜひここへ。

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19世紀末のウィーン。セッセシオン(分離派)というこの展示館は、
当時の芸術界を支配していた保守的な派閥から「分離」して、
自分たちが信じる作品を発表、展示する人たちのために建てられました。
建物入口上部には、分離派のスローガン「時代にはその芸術を、芸術には自由を」の金文字が掲げられています。
クリムトは、その分離派の初代代表になっています。

1902年に行われた分離派の第14回展は、
作曲家ベートーベンに対する賞賛の念を示すためのもの、という構想で開かれました。
その時クリムトが制作したのは、ベートーベンの像が置かれた部屋の壁を飾ったこの作品、
テーマはワーグナーが解釈した「交響曲第九番」でした。

地下への階段を下りて行くと、手前の部屋では3台のテレビがこの壁画の修復の様子と、
そこに飾られている壁画のレプリカの制作過程を映し出しています。
立ち止まって見ている人もいますが、やはり気持ちはその先へ、奥に広がる部屋の「本物」の前に早く行きましょう。

真っ白な長方形の部屋の上部をぐるりと囲む形で壁画は展示されています。
まずはじっくりと絵を眺めてください。

展示室の入口には各国語で書かれたリーフレットが置かれています。
この壁画に対する理解がとても深まりますので、ぜひ読んでくださいね。
本物を見た後は、先程通り過ぎたテレビでの映像もとても興味深いものになりますよ。
大変な修復作業の末に壁画が現在の形で展示されるようになったことがわかります。

セッセシオンでは今でも次々と新しい作品が紹介されていますが、
ベートーベン・フリーズは地下の特別展示室でいつでも見ることができます。

<内部の写真のみ> Internal Photo: Oliver Ottenschlager

  • 上記の記事は、訪問時点の情報を元に作成しています。訪問先の都合や現地事情により、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご了承ください。