かつて琉球王国最高の聖地とされていた斎場御嶽(セーファーウタキ)は、王国の最高神女であった聞得大君(きこえおおきみ)の就任の儀式が執り行われ、国の吉凶を占う儀式も行われた御嶽(ウタキ、祭祀空間)です。
かつて琉球王国最高の聖地とされていた斎場御嶽(セーファーウタキ)は、王国の最高神女であった聞得大君(きこえおおきみ)の就任の儀式が執り行われ、国の吉凶を占う儀式も行われた御嶽(ウタキ、祭祀空間)です。
2000年12月、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」のひとつとして世界遺産リストにも登録されました。
歴史的な意味のある祭祀場であるとともに、現在でも南城市や首里にある拝所を回る、東御廻り(アガリウマーイ)の行事などで多くの人が拝みに訪れる聖地でもあります。
御嶽の中にはイビと呼ばれる霊域が6か所あって、そのうち大庫理(ウフグーイ)・寄満(ユインチ)・三庫理(サングーイ)は、いずれも
首里城内にある建物や部屋と同じ名前を持っていることから、斎場御嶽と首里王府との深い関わりを示すものといわれています。
特に有名なのが6番目の拝所である三庫理で、入り口は2つの大きな岩が絶妙なバランスで支え合っています。この岩の隙間を抜けると、左手に神の島とも呼ばれる
久高島を遥拝するための拝所があり、あたりは神聖な雰囲気に包まれています。
斎場御嶽へのアクセスは、車なら那覇空港から所要時間約50分。国道331号沿いの南城市地域物産館で入場チケットを購入する必要があり、大人(高校生以上)300円、子ども150円、団体(20名以上)200円です。車利用の場合、無料の駐車場がこちらの建物の前と奥にあります。
南城市地域物産館から御嶽の入り口までは10分近く歩きますので、日差しの強い季節には日傘や帽子などを用意しましょう。
御嶽入り口には「緑の館・セーファ」という施設があり、見学時の注意事項などのビデオが放映されていますので、まずはこれを見てから御嶽に向かいます。
沖縄の御嶽は基本的に自然の中の空間なので、ただ見ても、それらにどういう意味があるのかよくわからないのですが、有料のガイドツアー(予約ガイド:10人まで2000円〜、定時ガイド:土日祝のみ、1人300円)に参加すると、斎場御嶽にまつわる神話、琉球王国の歴史や精神文化などを聞きながら約50分で場内を見て歩くことができ、かなり深く理解できます。
特に定時ガイドはほぼ1時間おきに開催されているので、少人数で行くときにはおすすめですよ。
最近は観光地のようになっていますが、実は多くの人々が信仰している神聖な場所なので、くれぐれもマナーを守って見学してくださいね。