中央駅から北北西に約1キロ。運河を渡ったあたりから始まるのがカッリオ(Kallio)地区。ほど近くに貿易港を控え、かつては多数の港湾・工場労働者が居住していた下町。1920年代にはヨーロッパで最も人口過密な地域として知られていた。禁酒法時代(1919~1932)には、「ここで入手できなければフィンランドに酒はない」といわれるなど、あまりありがたくない評判が長らく続き、いまでもこの地域に偏見を持つ人も少なくない。
そのため、市の中心部に近い割には家賃が安く、学生や若い芸術家などが好んで住み始めた。それに伴い、安価なレストランやバーなどが増え始め、町は新たな活気を生み出し、今ではリベラルなイメージが強まっている。新しもの好きな学生向けのカフェやブティック、新進デザイナーの小規模ショップやアジア、アフリカ、アラブなどのエスニック食材店が相次いでオープンするなど、様々な文化が交流する地域でもある。
市の中心部から来た場合、入口にあたる場所にハカニエミ市場(Hakaniementori)がある。南港のマーケット広場に次ぐ規模・人気の青空市場で、その取扱品目はマーケット広場と大差はないが、広場の北端に立つ屋内市場(kauppahalli)は是非覗いてみたい。
一階は新鮮な肉・野菜・魚を扱う専門店が占めており、日常の食生活をうかがい知ることができるし、二階にはマリメッコのアウトレットショップがある。加えて手作り小物のデザインショップが並び、気の利いた土産品が手に入る。
カッリオとは“岩”を意味する言葉だが、その名のとおり、この地域は他に比べると高台や坂が多い。“アルプス地方”という地名もあるほどだ。もちろん冗談を込めた誇張だが、地形的な特徴も面白い。厳密にはカッリオを離れるが、道一本隔てた“アルプス”の頂上を占める遊園地リンナンマキ(Linnanmäki)は、フィンランドの子供に人気ナンバーワンの観光地だ。
Kallio Area カッリオ地区
汚名返上、新しい町に生まれ変わりつつある地域
- 投稿日2015/05/01
- 更新日2024/01/31
合言葉は「ハッピー」。世界的にも注目される、大人でボヘミアンなエリア
- 投稿日2015/03/29
ヘルシンキ中心地よりトラムで5~10分程の場所にあるエリア。
かつてヘルシンキは、Pitkänsilta橋を境に、西側は裕福なお金持ちが、そして東側には貧しい労働者たちが住んでいたのですが、その元労働者層を代表する地区が最近、ヘルシンキでももっとも注目されている地区・Kallioカッリオ地区なのです。
朝からバーで楽しそうにしている人たちがいたり、レインボーフラッグを掲げたバーやカフェがあちこちにあったり、風俗店が軒を連ねる通りがあったり、ヘルシンキなのに本当に独特の雰囲気。
この地域が最近もっとも注目されているのは、このエリアに住むアーティストや若者たちが独自の感性を活かしてムーブメントを起こしている、つまりヘルシンキのサブカルチャー発祥の地でもあるからなのです。
その独特の空気感は、日本の高円寺や下北沢を思わせる、ボヘミアンな感じ。
実は年に4回、一日だけ誰でもレストランのオーナーになれることが魅力の世界イベント「レストランデー」や町中がフリーマーケットと化す「クリーニングデー」も実はカッリオが発祥。
お洒落なコンセプトのレストラン、古着屋やアンティークショップ、セカンドハンドショップも多くあり、ちょっとクセがあるけどその独特の雰囲気が魅力的でたまらない、そんな地区なのです。
カッリオの入り口は映画「かもめ食堂」にも登場したHakaniemen Kauppahalli、ハカニエミのマーケットホール。
1階は生鮮食品、2階はマリメッコやアンティークのお店、手芸屋さん、工芸品を扱うお店があり、店の人も親切だしここにしかないお土産屋さんがたくさん。
そんなカッリオの象徴・カッリオ教会は、少し混沌として時に猥雑な外の世界とは打って変わったとても幻想的な雰囲気。いつも丘の上から市民をどっしりと見守る、存在感のあるたくましい建物です。
このエリアには公園も多く、ファミリーへのおススメスポットが多数あるかと思えば、夜は少しディープな一面もあったりして、観光客にも色々な顔を見せる大注目の面白エリアなのです。
そんなカッリオの注目レストランがサンドロ。今はお洒落なレストランですが、元はご近所さんに愛されるキオスキだったのですよ。
ハカニエミのマーケットホールに足を運び、カッリオ教会を見学、サンドロでランチを取って老舗のサウナ・コティハルユンサウナで汗を流して帰宅というお散歩コースも楽しいかもしれませんね。
【行き方】
Hakaniemen Kauppahalli メトロ、トラム1/1A・3・6・6T・7A/7B・8・9Hakaniemi下車。徒歩1分。
-
ジャンル散策路・道
-
エリアヘルシンキ
-
住所
-
アクセス地下鉄M1・M2線 Hakaniemi駅周辺
-
公式サイト
- 上記の記事は、訪問時点の情報を元に作成しています。訪問先の都合や現地事情により、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご了承ください。
カッリオ地区周辺のおすすめ観光スポット
- コティハルユン サウナ
- サウナ・ヘルマンニ
- フィンランド国立博物館
- 国立現代美術館キアズマ
- ヘルシンキ大聖堂
- アテネウム美術館
- クリスマス・マーケット(ヘルシンキ元老院広場)
- アモス・レックス
- ヘルシンキ自然史博物館
- カンピチャペル





