Helados la Perla エラドス ラ ペルラ

スペイン人はアイスクリームが大好きで、町の中心部にも何軒も店が出ていますが、最も本格的なアイスクリーム作りを目指している店を挙げるなら、このラ・ペルラ。着色料や防腐剤を使わない伝統的な製法で今でも作っていて、グラナダの有名レストランも仕入れる老舗です。にもかかわらず、お値段はアイスクリーム一玉あたり1.5ユーロと、非常に良心的です。

20世紀の初め、バレンシア出身のアイスクリーム職人カルメロ・モリナ氏は、夏場になるとグラナダへアイスクリームを売りに来ていましたが、1928年にはグラナダに住み付いて、ハチミツと氷と果物を材料にアイスクリームの製造を始め、4年後の1932年にはヌエバ広場のこの店ができました。「ラ・ペルラ」とは真珠の意味で、最高の質の食材でアイスクリームを作ろうと創業者が名付けたものです。

また、グラナダ市民がこの店にやって来るのは、他では味わえないオルチャータがあるからです。オルチャータはカヤツリグサの地下茎を材料とする夏場の冷たい飲み物ですが、他の店のように業務用の濃縮材料を使うことなく、伝統的な製法で作られたオルチャータを作っているの店は、グラナダではもう他にないかもしれません。

アイスクリームを作り続けて37年の、3代目のビセンテ・アルベロ氏が、今では奥さんと息子さんと一緒に切り盛りしています。見た目だけが派手なアイスクリームを求めることなく、自然な食材が醸し出す味を追求する姿勢は、創業者と変わらず、食物アレルギーにも配慮したアイスクリームを作るなど、伝統を守りながらも革新を続けています。