Scandic Simonkenttä スカンディック シモンケンタ

中央駅の正面入り口を背にして右側に200メートル。トラムの路線に沿って緩やかな坂を上ると右手にガラス張りの近代的な建物が目に入る。入口のほぼ正面にトラム乗り場、裏手には長距離バスも発着するバスターミナルや地下鉄駅があり、市内観光はもとより地方都市を訪れるための拠点として至極便利なロケーションだ。
2000年の創業と新しいだけあって、外観も内装も清潔感にあふれる。ガラス張りの広々としたロビーには外光がふんだんに降り注ぎ、開放感も満点。映画「かもめ食堂」の主演女優の一人、もたいまさこさんお気に入りのホテルでもある。

同ホテルの設計・運営コンセプトは“環境に優しいホテル”。すべての部屋がエコ・フレンドリーな素材で構成されていることに、滞在中は気づかないかもしれないが、木材を張りつめたフロアーや、オーガニックフードを多用する朝食にその片鱗を感じ取ることはできるだろう。その取り組みはISO14001規格を満たし、北欧５か国共通の最高位を獲得した水準だ。他の高級ホテルに比べて見た目の派手さはないが、むしろそれがフィンランドらしさを象徴しているといえる。

各種交通機関の乗り場が間近なことに加え、ホテル周辺の利便性も格別によい。マリメッコやイイッタラなどのブランド店やレストランが目白押しのカンッピ（Kamppi）ショッピングモールはホテルの裏口に連結。バスターミナル寄りにあるスーパーマーケット（K-Supermarket）は年中無休で、夜10時まで買い物ができる。ムーミンショップも目と鼻の先。さらに裏庭にあたる広場（Narinkkatori）では年間を通じて各種のイベント（音楽祭、スポーツ大会、写真展、露店実演など）が催される。あえて遠出せずともフィンランドの風物を楽しむことができるというわけだ。